ぺーパルが2024年2月に開発した、紙の表面に塗布する化学薬品の一部を、お米を使った塗工液「コメグロス」に代替した紙素材「kome-kami 浮世絵ホワイト」。印刷面に鮮やかな発色とキラメキが出るのが特徴です。今回の共同開発では、このkome-kami 浮世絵ホワイトをベースに、紙の表面部分へ亀田製菓の工場で回収した米菓の副産物を活用したといいます。
亀田製菓が立ち上げたアップサイクルプロジェクト『Re Kameda』第1弾として、2024年5月下旬より全従業員に配布する「おこめ名刺」に、共同開発した紙素材が使われます。印刷面は、この紙ならではの鮮やかな発色と微かなキラメキのある仕上がりに。この紙の開発により、1ロット(6トン)製造時の排出量を約104kg(杉の木約12本が1年間に吸収する量)削減できるといいます。
製紙に必要な化学薬品の代わりに米菓の副産物を再利用することで、CO2排出量を削減する取り組み。江戸時代、浮世絵の発色を良くするために「紙」に「米」が使われた文化へと老舗紙屋が立ち返っており、着眼点がすばらしい事例です。開発した紙素材を、亀田製菓で働く従業員が手に取り、取引先に直接手渡しする「おこめ名刺」の形に活用することで、この取り組みが社員一人ひとりの口から語られます。結果的にこのCSR活動が社内外へ浸透していくことにつながるのではないでしょうか。
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