「全日本DM大賞」とは、DMの入賞・入選作品を通じ、広告メディアとしてのDMの役割や効果を広く紹介するとともに、企画制作に携わった優秀なクリエイターたちに評価の場を提供したいという想いのもと、日本郵便が主催するコンテストです。1987年から毎年実施し、「戦略に基づいて制作されたDM」を評価する場を提供し続けています。
第38回全日本DM大賞で「銀賞」を受賞した南相馬市のDMは、18歳になる市民を対象にお祝い金5万円を支給する事業の案内を込めたもの。まずは若者にDMを手に取ってもらえるよう、封筒にトレーシングペーパーを使用する工夫を施しました。「市役所っぽくない」色や形にこだわって制作した半透明の封筒により、非日常感やワクワク感を演出しています。
中身となる事業の案内状には、オレンジ色が特徴的な用紙を採用。案内状以外にも、ポップなデザインの市長メッセージや卒業おめでとう撮影会のチラシのほか、お世話になった人たちから応援メッセージを書いてもらえる用紙などを同封し、お祝い金の支給情報のみにとどまらず、18歳の巣立ちを地域みんなで応援していることが伝わるDMとなっています。
自治体からの手紙といえば「茶封筒にコピー用紙」が一般的。南相馬市のこのDMは、新成人への「招待状」のような考えられたデザインと、巣立ちを後押しするコピーが特徴的で、自治体のイメージを良い意味で覆しています。特別感のあるDMからは若者への愛が感じられ、受け取り手の印象に残りそうです。