「あさげ」の発売は1974年2月。日本が高度経済成長期を迎えていた当時、即席みそ汁は既に登場していたものの、手づくりのみそ汁には程遠い味だったそうです。
永谷園は家庭のみそ汁と遜色ない上質な味わいの実現を目指して、味噌の種類を吟味し、風味を劣化させないフリーズドライ製法を採用。さらに、出汁や具材についても全国から素材を厳選して「あさげ」をつくりました。当時の一般的な即席みそ汁(1袋10円程度)の4倍の価格であったものの、高い品質が認められ、その後50年間にわたるロングセラー商品となっています。
今回のサンプリングは、映画館80劇場、郵便局345局などに加え、プロの実演士を交えて、北海道、宮城、千葉、埼玉、大阪、愛知、広島、福岡の全国8ヵ所の商業施設でも実施。永谷園史上最多の約24万人に配布予定だそうです。
発売から半世紀のメモリアルイヤーを迎えた「あさげ」。商品のデザインを派手にリブランディングしたり、内容をリニューアルしたりする手法で販促を促すのではなく、ありのままのおいしさで勝負するところからは商品への自信が伺えます。商業施設や映画館など、老若男女が集まる場所でサンプリングを行うことにより「実はあさげを口にしたことがない……」という層にもアプローチできそうです。