地方自治体が、PR動画によって、さまざまな取り組みの認知を高めたり、情報拡散に努めたりすることが一般的になりつつあります。しかしながら、年度ごとの予算で広告施策を行うため、公開直後は注目を集めるものの翌年度以降は注目されることもなく放置されてしまうことも。そこで、株式会社ポニーキャニオンと習志野市企業局が、2度目のタッグを組んで情報拡散を図ることとなったのが、今回注目されている動画です。
これまで習志野市企業局が公開した「ガス・水道・下水道について学べるPR動画」は5本。しかし、これらの動画の公開後、再生回数が伸び悩んでしまう結果となりました。そこで、習志野市企業局が注目したのがYouTube広告です。
令和4年度からYouTube広告による情報拡散の取り組みをスタート。順調に再生回数を伸ばしていて、今年度も取り組みの継続が決定し、昨年に引き続き株式会社ポニーキャニオンがその役目を果たしています。今年度は、自宅でゆっくり過ごす年末年始をターゲットに、さらなるPR動画の拡散を狙って実施されました。結果として、動画の再生回数はそれまでの約14万回が倍以上の30万回を超え、それに伴い習志野市企業局のホームページなどの閲覧数もそれまでの10倍以上になるなどはっきりと効果が表れる結果へと変化しました。
2024年は能登半島地震が発生するなど、消費者の暮らしの不安が増している昨今、習志野市のようなガス・水道・下水道のインフラ3事業を公営企業として経営している自治体は、安心安全な暮らしの提供を自治体の魅力としてアピールできるメリットとなることが期待できます。
自治体からの発信は、自治体側の伝えたいメッセージを一方的に流すのではなく、受け取り手が欲している情報をまとめ、必要としている人に届くよう取り組むかが重要ということを今回の事例は示唆しているように思います。