仲介営業部の社員が街を巡っては取材を重ね、実際にある店舗や施設、街の景色を組み込みながら、フィクションの物語として1冊のブックにまとめています。2020年11月に第1巻を発刊以来、2021年4月に第2巻、2022年9月に第3巻と好評を得て、2023年10月に第4巻を発刊するに至っています。
第4巻のコンセプトは『つながりは無限』。わたしたちが住むそれぞれの街には、面積や人口では計り知れない、愛おしい人生のストーリーがあふれています。そんな街で、移り行く時代とともに新たな「人」と出会い、次の尊い「夢」をつなげていきたい。そんな思いを込めて、「豪徳寺」「成城学園前」「百合ヶ丘」「中央林間」「湘南台」「開成」の6つの街を舞台に、各章多彩な物語を描いています。
また、今回の表紙は画家の草野碧氏によって描かれたもの。草野氏は、第35回太宰治賞を受賞された、阿佐元明氏『色彩』(筑摩書房)の装画担当としても広く知られています。叙情的な作風を得意とされており、手に取られる方へ深い印象を与えるブックに仕上がっています。ブックは、小田急不動産の会員顧客約24,000名には一足先に届けられ、その後小田急不動産の各店舗において無料配布されています。
この街をさらに盛り上げていこうと、自社店舗だけでなく、理念とまちまちストーリーズの説明をしたうえで、地域の店舗にもブックを置いてもらっています。2022年10月以降1年間の活動でエリア・店舗数が約2倍となり、現在、飲食店や雑貨店などをはじめとして、20エリア220店舗を超える地域の方々との交流が実現しています。
さらに、小田急の仲介公式Instagramを2022年6月に開設し、フォロワー数は5,000名を突破しました。沿線の方々と幅広く交流を育むプラットフォームとして、今後も活用していく予定です。
街の良さを知ってもらい、住んでもらいたいという不動産会社の取り組みが、街の物語をまとめたブック施策。好評につき第4弾ということで、自社店舗だけでなく、地域の店舗にも賛同を得ておいてもらうなど継続することで一つのブランドとして機能している様子がうかがえます。また、会員24,000人には先行配布や公式Instagramのフォロワー数も5,000名ということで、発行部数やフォロワー数が多いというのも注目ポイントです。
マスに向けたメディアの力が弱まっているのを感じる時代に、絶対に興味関心のある自分が住んでいる地域、住もうとしている地域の情報やコミュニケーションに特化した施策というのは、確実に届けられる高価値を持つことを証明している事例かもしれません。