東京メトロ銀座線・丸の内線では、トレインジャック「広告スッキリ車両」が運行を開始しています。「ボラギノールスムース便秘薬」のコンセプトである、「単に出すのではなく、便質を改善してラクに出すことでおなかも気持ちもスッキリできる」ことを表現するために、トレインジャックでありながら広告を極力排除しました。中吊りは広告面自体が極細で、片端に小さく商品パッケージとメッセージを掲載するだけと非常にシンプル。ドア横や窓上の広告面も、ぱっと見では気づかなさそうなほど小さく隅っこに描かれています。
コンセプトを重視しすぎて気づかれないという懸念もよぎりますが、トレインジャックによって車内に他社の広告がないため、乗客が乗車した際、そのスッキリとした空間に違和感を覚えそう。そこで初めてこの広告の存在に気づくことで、より深く訴求内容が記憶に残るといった期待ができそうです。
また渋谷・池袋駅では、便秘の悩みを表現したトイレ広告も掲出。自身の便の状態をチェックしてもらいたいという想いから、便の形状を7つのカテゴリーに分類した世界的な基準「ブリストル便形状スケール」を用いた広告などで、トイレをしながら自分自身の便と向き合う機会を提供しています。
このほか、新たなTVCMやSNSでの漫画コンテンツ施策も予定しているということですが、これらのプロモーションの背景にあるのは、6月から7月に同社で実施した便秘に関する意識調査。便秘症に悩む9割の人が慢性化しており、約半数が10年以上悩まされているという事実が明らかとなり、「便質改善」をこころがけることの大切さの認知を高めるために今回の広告掲出に至ったということです。
商品の便益を一方的に訴求するのではなく、生活者の視点や課題に寄り添った広告にしているからこそ、本当の意味で“伝わる”コミュニケーションとなっているのかもしれません。