- 学力以外の能力が求められていること
経済産業省「未来人材ビジョン」では、「一律・一斉で画一的な知識を詰め込めば対処できる時代は終わり、今は『目指す社会に向けて何を実現すべきか』という到達地点を考える時代」であるとされています。同時に、「教員に探究や研究を指導する役割が期待されてこなかった」とも指摘され、家でも学校でもないサードプレイスにおける、ユースの主体性を育むようなさまざまな活動が求められています(※1)。
- 自分らしくいられる環境が少ない
内閣府の調査によれば、子どもたちの約20人に1人が「どこにも居場所がない」と感じているとされています(※2)。居場所は子どもたちが自分らしくいるために不可欠なもの。そのため、地域に子どもたちの居場所をつくっていくことが必要であると考えます。
- 居場所の少なさと自己肯定感が相関する
内閣府の調査では、居場所の数が多いと感じている子ほど自己肯定感が高いといった結果があり、居場所と自己肯定感にある程度相関があるとされています(※2)。ユースの自己肯定感を高めるためにも、ユースが安心できる居場所をつくっていくことが必要であると考えます。
ユースセンターをどんな場所にしていきたいのかをユースたちと共に考え、その実現に向けて活動し、InstagramやTwitterでの広報活動、ゲストを招いたイベントの企画運営、ワークショップなど実施しています。
・プレオープン記念イベント ダイジェスト動画
2023年4月に発足したこども家庭庁では、「こどもたちが自己肯定感や自己有用感を高めて幸せな状態で成長できるよう、多様な居場所を用意する(※3)」ことが方針として掲げられており、すべての子どもが自己肯定感をもち幸せに育つため、またヤングケアラーや不登校など複雑化する子どもたちの課題やニーズを察知するためにも、学校や家以外の多様な子どもたちの居場所が必要であると認識され始めています。
また、カタリバの「ユースセンター起業塾」では、山形県山形市、福島県田村市、長野県富士見町、富山県氷見市、岐阜県岐阜市、兵庫県豊岡市、岡山県真庭市、愛媛県磯部町など第2期助成団体として採択された8団体が加わり、ユースセンターをつくる動きは日本全国に広がっています。
「場」があれば、そこで何をするかも重要になってきます。今後ユースセンターを活かして、どんな新たな試みが生まれるのかも期待が高まります。従来の教育ビジネスではなく、社会とユースをつなぐ新しい活動や取り組みが求められているのかもしれません。
・関連リリース:NPOカタリバ、全国の子どもたちの居場所づくりを支援するユースセンター起業塾で新たに8団体を採択
※1引用元:経済産業省「未来人材ビジョン」
※2引用元:内閣府「子ども・若者の状況及び子ども・若者育成支援施策の実施状況」
※3引用元:内閣官房 Ι こども政策の新たな推進体制に関する基本方針