この課題に対し、博報堂と、TVCMを中心に幅広く映像・コンテンツの制作を行う太陽企画が共同制作した動画作品「Hair album」が、世界最高峰のデザイン・広告賞と称される「D&AD」でYellow pencil(GOLD相当)の他、世界のアワードで多数受賞しました。
ひとりヘアサロンに訪れたグレイヘアの女性。髪を切られながらどこか寂し気な表情を見せます。
そして、床に切り落とされた髪を素材に、女性が髪と一緒に生きてきた人生のストーリーを追うように「髪のパペットアニメーション」が始まります。
髪を切り終えた女性は、鏡で短くなった髪を見て何かが吹っ切れたように晴れやかな笑顔をみせます。本動画は「髪を切るたび、人は前を向ける。」という言葉で幕を下ろしました。
「長く伸びた髪には長年連れ添った大切な人とのストーリーが詰まっているのではと着想し、切り落とされる古い毛を素材にした『髪のパペットアニメーション』という手法に挑戦しました」と話すのは、企画・コピーライター・脚本を担当した博報堂の横井優樹さん。
人形はウィッグから髪の毛を1本1本採取し、可動性を保ちつつ髪らしさを失わないように造形し、その人形を1フレームずつ手作業で数ミリ単位で動かしながら、シーンごとに丁寧に演技をつけて撮影したそうです。
「人の温もりを感じにくいコロナ禍だからこそ、手作りの映像で温もりを感じていただく想いで、捨てられるはずの髪の毛に命を吹き込んでいきました。離れ離れになった夫との記憶が妻の背中を押すストーリーから、人を髪から生まれ変わらせる、理美容師にしかできない力を感じていただけたらと思います。」ともコメントしています。
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髪の毛でパペット…。いいね。細かく作れるのはすごいな。私は不器用だから尊敬します。