7月6日に四谷で行われた週刊金曜日の読書会で上記の資料をもとに講演を行った。
講演会の内容は、人類が資本主義済も民主政治もどう動いているか
理解してこなかった原因について話した。
驚くべきことに人類は、21世紀の初頭まで資本主義経済の動きを通貨量の
観点から理解できる理論を持っていなかった。
2003年にリチャード・ヴェルナーによって提示されることで
初めて理解できる理論が公表された。
わからなかった原因は、マネーと通貨発行権の問題について目隠しされ
てきたからである。
その資本主義経済のカラクリは、3枚目のページ
(拙著 サヨナラ!操作されたお金と民主主義
なるほど!マネーの構造がよーく分かったから転載した図)
に書かれているように、
銀行の負債側を通貨量として意識化させ、資産側を意識化させなかった。
それだけのカラクリであったことを説明した。
銀行の資産側を見ることで、通貨量の観点から実体経済と金融経済
に分割して考えることが可能になる。
負債の預金側を通貨量として計算する場合は、実体経済と金融経済に
通貨量の観点から分割するのは不可能なのである。
このことを初めて論じたのがヴェルナー理論だったのであり、この研究によって
何十年も続いた経済学の最大の謎であった通貨の流通速度の低下が明らかに
なったのである。
(重不況の経済学 向井文雄より転載)
「P167~169
ヴェルナーの貨幣流通速度低下原因解明
20年以上フリードマンをはじめとする経済学者を悩ませてきた
貨幣流通速度問題は、ヴェルナーによってあっけなく解明された
と考える。
この節の最後に、貨幣の流通速度低下の原因が、
極めて基礎的な定義に係わる問題だったにもかかわらず
ほぼ四半世紀の間解明できなかった問題に触れよう。
これはヴェルナーが交換方程式の右辺の定義を再検討
したことで、解明されたわけだが、新古典派経済学者たちが
このことに気付かなかったのはなぜか」
(転載終了)
もちろん、このことはマネーを管理する側は最初から知っていたのであり、
世間に公表しなかっただけの話だろう。
それだけ銀行会計というのは、世間だけでなく経済学の世界においても
誤解を与え続けた来たブラックボックスなのである。
その典型が預かったお金を貸し出しているという神話である。
実際は預かったお金を貸し付けていない。
それについてはこちらで動画付きで解説しているので興味がある
方はご覧下さい。
<リンク>【世界を誤解させている銀行のカラクリの根本を、欧州中央銀行のマイナス金利政策を基に解説】
<参考リンク>「取引された通貨量」の算出について
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