増え続ける銀行貸出残高とマネタリーベースの急拡大による景気への好影響 家計への影響
の続き。
銀行貸し出しの増加は、実体経済でも着実に行われていることを説明する。
銀行貸し出しの増加を業種別で見た場合、
・金融経済関連は安定して推移しており、特に過剰な融資は行われていない。
・実体経済関連も増加している。
何故、銀行の貸出残高を実体経済と金融経済に分けるのか。
それは、実体経済と金融経済では経済に与える影響が大きく違うかためだ。
実体経済関連の業種に融資が成される場合、社会の生産力や消費の拡大に結びつきやすく、
国の経済規模に直接的な影響を与える。(GDP取引業種)
一方、金融経済関連の業種に融資が成されても、生産力や消費の拡大に結びつきにくく、
国の経済規模に直接的な影響を与えにくい。(非GDP取引業種)
資産価格が急上昇するバブルの例を見れば分かるとおり、不動産投資や、株式投資が
何倍にも盛んになったところで、経済規模(GDP)が何倍にも拡大するわけではない。
何故なら、不動産取引や株取引は経済規模の算出に含まれないからである。
そのため、銀行貸し出し残高の増減だけでなく、銀行貸し出しがどこに増加しているかを
見なくては、マネーの経済への影響力を予測できない。
真の景気回復には、実体経済関連の融資の拡大が起こり、消費が増加することが重要なのである。
では、現在の日本はどのような状況なのか?
代表的な金融経済の業種である金融保険業と、不動産業を総貸出しから差し引いてグラフを作成
してみると、実体経済の貸し出しも順調に増加している。
このことは景気回復には極めて有効である。
理由は、実体経済向け貸し出しが成されれば、消費とマネーが増加するためだ。
そのため、実体経済の面から見ても、景気回復に向けて日本は歩み始めていると言える。
最近の株や不動産などの金融経済の好調ぶりは、主に日銀の金融政策が原因であり、
銀行業の貸し出しのためではない。
そのため、金融経済を主に日銀が支援し、実体経済を主に民間銀行が支援している状況になっている。
金融経済と実体経済の両面から日本経済は浮上しようとしている。
しかし景気回復を素直に喜べないのは、この状況が安倍自民党政権の人気につながっているからである。
これが仕組まれたものであろうことについては、こちらの資料と動画を参考にして頂きたい。
<リンク>草の実アカデミーで行った動画と資料をアップ
【このデータがもたらす家計への影響】
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