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石川 温の「スマホ業界新聞」
2012/10/20(vol.006)
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《目次》
1.孫社長と田中社長
━━方向性が分かれた2つのキャリア
2.「私、プロですから」
━━田中社長が語る顧客至上主義
3.「生きているうちに世界一になる」
━━ 孫社長が吠えたスプリント買収会見
3. 今週のリリース&ニュース
4.編集後記
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1.世界進出を狙う孫社長、顧客主義の田中社長
━━方向性が分かれた2つのキャリア
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「生きているうちに世界一を目指す」と鼻息の荒い孫社長と、「顧客の求めるLTEネットワークを目指す」と語るKDDI田中社長。今週はまさにこの対極的な社長のコメントが聞けて面白かった。普段であれば、「顧客を重視」というメッセージは聞き流してしまうような内容であるが、孫社長の「大法螺(おおぼら)」を聞いた後だとすっと耳に残る。
孫さんの世界進出も、孫さんにしかできない壮大なストーリーであり、聞いているだけでワクワクしてくる。ハッキリ言って、道は険しいだろう。ソフトバンクがボーダフォンを買収した以降は、ホワイトプランとiPhoneという強力な追い風があったが、アメリカ市場では安価なプランもすでにあり、スプリントはiPhoneも手にしてしまっている。アメリカにおけるスプリントのネットワークは決して褒められたものではない。今年、ニューオリンズにCTIAの取材に行ったとき、家電量販店のベストバイでモバイルWi-Fiルーターを購入しようとした際、「スプリントはエリアが狭いから、ほかのキャリアにしておきなさい」と店員さんにアドバイスされたのを思い出した。日本でもソフトバンクでエリアの構築に苦労しているが、同じ事をアメリカで展開しなくてはいけない。しかも、アメリカは広大だ。クリアワイアも傘下に収め、2.5GHz帯でTD-LTEをやるだろうが、2.5GHz帯というプラチナからはほど遠い周波数帯で整備する必要も出てくる。孫社長は本当に基地局を建てるのが大好きなようだ。
一方、田中社長のコメントは、KDDI関係者だけでなく、メディア関係者からも評価が高かった。
ユーザーのために、「全国96%のエリアを実現する」「auこだわりのLTE技術を入れる」「iPhoneもAndoridも選べるラインナップを揃えた」というのは説得力があるし、ユーザーからすれば、最も現実的な話をされたような気がした。
この1年、スマートバリューも好調でiPhone5発売以降、一般の人からも「やっぱり、auが安くていいのかな」という声も聞くようになった。この1年で流れは確実に変わってきているだけに、この好調さを維持できるかが重要となってきそうだ。
個性的な二人の社長が、バチバチとやりやっている姿は本当に楽しいし、取材をしていると、早く記事にしたいと焦りすら感じる。
今回のメルマガでは孫社長、田中社長の一問一答をまとめた。二人の社長が見据える未来の違いを比較しながら読んで欲しい。
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2.「生きているうちに世界一になる」
━━ 孫社長が吠えたスプリント買収会見
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