では、本日16日の動画「ゲリラ生ヤッシー放送」週末の病室から
TPPに関して「ロイター」が日本のTPP参加表明、慎重ながらも歓迎=米USTR代表代行
http://jp.reuters.com/article/businessNews/idJPTJE92E01620130315
と題して明け方に配信した記事は意味深です。
米通商代表部(USTR)のマランティス代表代行は、声明で「昨年初め以降、日米はTPPをめぐり、自動車や保険部門、その他非関税措置に関する懸案事項について2国間交渉を進めてきた。引き続きこういった交渉を前進させる一方、取り組むべき重要な作業がある」と指摘。
米政府は「日本の交渉参加への支持を検討するにあたり、今後も議会およびステークホルダー(利害関係者)との協議を続けていく」と語った。
米下院歳入委員会のキャンプ委員長も日本の交渉参加表明に慎重な見方を示した。
委員長は声明で「日本が長年にわたる日米の貿易障壁の解決、とりわけ米国からの自動車輸出や保険部門に関して完全にコミットすると十分に確約していないことを依然懸念している」とし、委員長として日本の交渉参加を支持するには、こういった分野の問題解決に向けた日本のコミットメントが不可欠との認識を示した。
また、参加国によるTPP交渉はすでにかなり進展しており、日本の参加でこれまでの成果が削がれたり、10月のアジア太平洋経済協力会議(APEC)までの交渉妥結に遅れが生じる事態になることは望ましくないとした。
でしょ。常々、郵貯350兆円、かんぽ120兆円、JA290兆円、計760兆円と言われてきた分野が「重要」なのですよ。
他方で「日経」の
日本のTPP交渉参加、米自動車業界は反対 全米商工会議所などは歓迎
http://www.nikkei.com/article/DGXNASGN1600H_W3A310C1000000/
も、一読ですね。
全米商工会議所のドナヒュー会頭は「日本の参加を歓迎する。世界第3の経済大国として、米国にとって重要不可欠な貿易相手国として、日本の参加はTPP交渉の状況を一変させる出来事となるだろう」と歓迎の意を表した。
ただ、日本が市場開放のための改革に尽力し、全ての品目について交渉を進める意思を示す必要があるとくぎを刺した。
一方、米自動車大手3社で組織する米自動車貿易政策評議会(AAPC)は、「米国政府に対して日本の参加を今回認めないように求める」と反対姿勢を明確にした。
「日本は先進国の中で最も閉鎖した自動車市場で、非関税措置や為替操作などを行っている。今回日本の参加を許せば、確実に協議の締結を遅らせ、交渉全体を解体させる危険性もある」と強く反対した。
対して、NHKが報じた日本の経済界の「反応」は「黒船」時代から心智が変わってないのですから、頭が痛い。上記の2つの記事と違って、部分引用する箇所を選ぶのも難儀なので、全文引用ですねw。
TPP交渉参加 経済団体から評価
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130315/t10013231321000.html
安倍総理大臣が、TPP=環太平洋パートナーシップ協定の交渉に参加することを正式に表明したことについて、経団連の米倉会長は、「日米首脳会談の成果を踏まえ、速やかにTPPの交渉参加を決断したことは、安倍総理大臣の強いリーダーシップと交渉力のたまものであり、高く評価する。今後は、アメリカなどとの協議を早急に取りまとめ、一刻も早く交渉参加を実現することが重要だ。新しい時代の通商ルール作りに積極的に関与し、国益を反映できるよう、政府一体となって取り組んでほしい」というコメントを発表しました。 また、経済同友会の長谷川代表幹事は、「日米首脳会談の結果を受けた安倍総理大臣の迅速な判断とリーダーシップを高く評価する。TPPはアジア・太平洋地域で自由で開かれた経済秩序を構築するための重要な一歩であり、日本経済が世界と共に持続的な成長を続けるために不可欠なものだ。ただ、ことし中の妥結を目指す交渉で日本に残された時間は僅かで、省庁間で意見の異なる事項についても、国益の観点から迅速に判断を下し、交渉参加の遅れを取り戻さなければならない」というコメントを発表しました。
今更の如くに「産経」が 焦点に医療保険浮上 厚労省「国民皆保険制度」崩壊に危機感http://sankei.jp.msn.com/life/news/130226/trd13022622420008-n1.htm
と報じていますが、あのねぇ、って感じです。
安倍晋三首相が参加に向け調整を開始した環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)交渉で、焦点の一つに医療保険分野が急浮上し、所管する厚生労働、総務両省は「国民皆保険制度」が崩壊するのではないかと危機感を強めている。田村憲久厚生労働相は26日の記者会見で、交渉参加が国民皆保険制度に及ぼす影響について「何としても避けなければならない。首相も『絶対ない』と言っているので、交渉の中で壊れていくことはない」と強調した。
首相は、今月19日の参院予算委員会で「国民皆保険は守っていく。わが国の主権の問題だ」と述べた。25日には、官邸を訪ねた日本歯科医師会の大久保満男会長らに対し、交渉に参加しても国民皆保険制度を維持する考えを伝えている。
それでも、厚労省は「米側が交渉中に絶対に俎(そ)上(じょう)に載せないという保証はない」(幹部)と不安を隠せない。昨年までの民主党政権が当初、医療保険制度について「議論の対象外」と説明してきたのにもかかわらず、途中から「可能性は否定できない」と態度を変化させてきたからだ。
同省は、国民皆保険制度が廃止されると、自在に価格を設定できる自由診療が基本となり、外資の民間保険加入者と未加入者との間で医療格差が広がる可能性が高くなると強調する。同省も米国側の動向を独自に収集し、同制度の存否が交渉案件にならないよう、与党議員に働きかけを強めることにしている。
いやぁ、魚拓を残しておくものですなぁ(爆)。3月3日号のブロマガで配信した「NHK」記事は既に削除されていますので、ブロマガ全体を再録しておきましょう。
「だから、言わんこっちゃない!」のに、米と砂糖の関税と皆保険制度を守るからダイジョウビって発言は、竹槍で戦争に勝てると思い込んでいた時代からオツムが殆ど進化していない、って話です。
NHKが昨夜、報じた田村憲久厚生労働大臣の発言も、う~むですね。
「アメリカ通商代表部のカトラー代表補は『それぞれの国の医療保険制度に注文をつけることはない』とはっきりと言っていた」
「海外の保険会社から日本の国民皆保険によって商売が邪魔されたと訴えられたとしても、日本の保険会社も同じ条件にあり大丈夫だろうというのが厚生労働省の判断だ。医療はそれほど大きな問題にはならない」
赤字の部分が物語るように、殆ど「性善説」の世界です。 TPP 医療保険に影響及ばず3月2日 22時7分
田村厚生労働大臣は三重県津市で講演し、TPP=環太平洋パートナーシップ協定について「アメリカはそれぞれの国の医療保険制度に注文をつけることはないとはっきり言っていた」と述べ、TPPに参加しても日本の公的医療保険の制度に影響が及ぶことはないという認識を示しました。
この中で田村厚生労働大臣は、TPP=環太平洋パートナーシップ協定を巡り、参加すれば日本の医療保険制度が壊されてしまうのではないかという懸念が出ていることについて、「アメリカ通商代表部のカトラー代表補は『それぞれの国の医療保険制度に注文をつけることはない』とはっきりと言っていた」と述べました。 そのうえで、田村大臣は「海外の保険会社から日本の国民皆保険によって商売が邪魔されたと訴えられたとしても、日本の保険会社も同じ条件にあり大丈夫だろうというのが厚生労働省の判断だ。医療はそれほど大きな問題にはならない」と述べ、TPPに参加した場合でも日本の公的医療保険の制度に影響が及ぶことはないという認識を示しました。
覆水盆に返らず、というか、お恥ずかしい限り。でも、お恥ずかしいとも思わないんでしょうね。
その意味では、ニャンと「赤旗」が掲載した一覧表は嗤えます。
TPP、これが自民党全議員の衆院選公約だ
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik12/2013-03-04/2013030407_01_0.html
オマケで、2011年11月の活動を振り返っておきましょう。 「TPP」に関する前のめりを阻止する衆議院議員の署名活動が開始しました。http://www.nippon-dream.com/?p=5908
僕の両脇に、「南京」を巡って真逆の見解を持つ稲田朋美、阿部知子の両名が座っているのが象徴的ですね。
で、11月11日に発表した国会決議を求める賛同署名232議員!
http://www.nippon-dream.com/?p=6053
声明への賛同署名=TPP反対議員一覧
http://www.nippon-dream.com/wp-content/uploads/0276d08477d74652828c08ec10e7eaff9.pdf
TPPに関する僕の発言と行動を纏めた「TPPの謎?」
http://www.nippon-dream.com/?cat=17
そして有楽町イトシア前での僕の街頭演説もどうじょ(爆)
5番目の映像です。
これは必聴ですね!
今朝のメルマガ「勝谷誠彦の☓☓な日々。」で<TPP参加を決めた以上は「3月15日は平成の12月8日なり」くらいの覚悟をもって闘うべし!>
とタイトルを冠した勝谷誠彦氏にも以下のメールをしました。「仰るとおりで、元々、独立国ではないのですから、
交渉に入るのは必定だった訳ですが、
戦略も戦術も欠落しているのが日本の霞が関・永田町・大手町ですから、
日本は米中の間で『生かさず・殺さず』ならば未だしも、
それ以上に黄昏れていくのでしょうね。
とまれ、松岡洋右の役回りにならない事を願っています。」十数年の歴史を誇る彼のメルマガは、
御存知のように私はTPP参加への交渉そのものもするべきではないと主張してきた。TPPを「環太平洋」と訳すところから大がかりな詐欺が始まっているとあちこちで言ってきた。そもそもは田中康夫さんから教えていただいたことなのだが、言い歩いているうちに、二人とも世間が狭くなった。おっと、田中さん、失礼。自由になっただけですね。いや、私もだ。どはははは。 とはいえ現実を見据えると、アメリカとは武器をとってでも、交渉ごとででも、過去に勝ったことはいちどもないのである。だから交渉入りそのものを拒絶することは無理だったのは歴史的な必然なのだろう。しかし、ということは、交渉そのものでも勝つことはまことに難しいと覚悟しなくてはいけない。 日本国はアメリカの植民地である。こんなこを言うと叱られそうだが、そうなのだから仕方がない。少なくとも「保護領」ではある。外国の軍隊を駐留させて護ってもらっている国を、国際常識ではそう言うのである。
保護領が宗主国から交渉を持ちかけられて拒絶するならば、それは保護から脱するほかはない。脱するにはそれなりの準備が必要であろう。ましてや支那などが虎視眈々と大和島根を狙っているのである。この時期にそうした行動をとれるわけがない。 平成23年3月15日という日を、私は平成の12月8日と位置づけたい。今回は日本側からの奇襲ではない。アメリカに引きずり出されたのである。その土俵でどう闘っていくのか。それが問われている。 もっとも不安なのは、これまたいつも言っているように霞が関の官僚組織が、大東亜戦争の時の軍部と同じような無能に陥っていることだ。意気軒昂に「だったらやったろうじゃん」という空気ではない。ため息がもう聞こえ始めている。「一発、アメリカの鼻をあかしてやろうぜ」という気分ではない。 「司令官」の覚悟はいいのだ。 しかしなあ。スローガンを実現するのは現場だ。安倍さんには申し訳ないが「聖域」という言葉を聞くと私はどうしても戦前の「満蒙の生命線」などというセリフを思い出してしまう。 <聖域が守れない場合は交渉から離脱すべき>というのはこれまた「連盟よさらば」を想起するなあ。「連盟よさらば」は結局は大日本帝国のクビをしめた。交渉というのは、参加した以上はそこで勝たねばならない。逃げ出すということは敗北に等しいという覚悟をもって臨むべきであろう。
と記しています。旨いねぇ、文章が。
で、冒頭の松岡洋右に戻る訳です。
その意味でも、「日刊スポーツ」の秀逸な書き手として僕が一目を置く中山知子記者が出稿した記事も再録しておきましょう。
TPP交渉参加決定 首相「守る」連発
http://www.nikkansports.com/general/news/p-gn-tp3-20130316-1098405.html
安倍晋三首相は15日、官邸で会見し、環太平洋連携協定(TPP)への交渉参加を正式に表明した。「今が参加のラストチャンス。国論を二分する議論だが、参加は国家100年の計と信じている」と述べた。交渉のルール作りを日本が主導し、国益を守ることにも意欲をみせた。TPPでは原則、関税が撤廃されるため、安い農産物が国内に流通し、消費者にメリットがある半面、国内農業への影響が懸念される。TPPで日本はどう変わるのか。安倍首相は会見で、「本日決断した。今がラストチャンスだ。この機会を逃せば、日本がルール作りから取り残される」と、交渉参加の意義を強調した。「世界は、開放に向けて、ダイナミックにかじを切っている。日本だけが内向きになっては、成長の可能性はない」と理解を求めた。
遅れての交渉参加は、ルール作りに不利との見方もあるが、「いったん交渉に参加すれば、重要なプレーヤーとしてルール作りをリードできる。世界第3位の経済大国の存在感は、大きいはずだ」。ただ、日本がこれまでの交渉内容を変えるのは難しいと指摘されると「難しいことは承知の上。関税のことはまだ決まっていない。これから決めることもある」と述べた。
国内農業への影響が懸念されるが「国民との約束は、必ず守る。影響を最小限にとどめることは当然だ」と明言。「日本の農業は崩壊するのではないかという不安の声を胸に刻んで、あらゆる努力で日本の農業と食を守る」と述べた。
一方、政府は、TPP参加で関税が即時撤廃された場合、コメや砂糖など農林水産物33品目の国内生産約7兆1000億円のうち、4割に当たる約3兆円が減少するとの試算を発表。最も影響が大きいコメは1兆100億円減り、砂糖は、国内生産額の1500億円すべてが失われるという。首相は「関税ゼロで試算した数字。そういうことにはならない」と釈明した。コメなどの聖域を守れない場合、交渉離脱を求められているが、「ここで離脱すると言うのは国益に反する。適切ではない」と、明言を避けた。【中山知子】
まあ、問題は関税ではなく、ISD条項も含めた、安全や権利の聖域が問題なのは従前から繰り返している通りです。 はてさて、「ロイター」が昨日配信した特別リポート:「黒田日銀」を生んだ首相のレジームチェンジ志向
http://jp.reuters.com/article/vcJPboj/idJPTYE92E04K20130315
は、一読に値します。
この点に関しては、黒田東彦氏の財務官として先輩に当たる榊原英資氏よりも更に先輩の行天豊雄氏の「アベノミクス」に関する懸念を明日、御紹介しましょう。中国は習近平・李克強体制が確立しましたが、共青団=共産主義青年団に関して「朝日新聞」の石田耕一郎・瀋陽支局長が「(@寧夏回族自治区)中国の共青団を取材して感じること」と題して寄稿した長文は、読ませます。
http://digital.asahi.com/articles/TKY201303130338.html?ref=comkiji_txt_end_s_kjid_TKY201303130338
最後にNHKが報じた バラク・オバマ政権の負の側面です。国連 米無人機攻撃で市民400人死亡
http://www3.nhk.or.jp/news/html/20130316/t10013242041000.html
3月16日 9時8分アメリカがパキスタンに潜むテロリストを狙って行っている無人機による攻撃について、国連の調査チームは市民400人以上が巻き込まれて死亡したことを明らかにしたうえで、攻撃はパキスタンの主権を侵害していると指摘しました。
アメリカはパキスタンに潜むテロリストを狙って上空から無人機による攻撃を行っていますが、国連の人権高等弁務官事務所はことし1月、国際法に違反している可能性があるとして、専門のチームを立ち上げて調査に乗り出しています。 現地で調査を行ったチームは15日、声明を発表し、パキスタン政府の推計として、2004年以降、無人機による攻撃で少なくとも2200人が殺害され、このうち400人以上は巻き込まれた一般市民だとしています。 そのうえで、「アメリカによる無人機攻撃はパキスタン政府の同意を得ずに実行されている。パキスタンの主権を侵害している」と指摘しました。 調査チームはアフガニスタンやイエメンでもアメリカによる無人機攻撃の実態を調査するほか、アメリカ政府からも意見を聴取し、ことし10月に国連総会へ報告書を提出する予定です。 アメリカのオバマ政権は、無人機攻撃を対テロ作戦の要と位置づけて各地で増やしていますが、報告書の内容次第では無人機の運用を制限するよう国際的な圧力が強まることも予想されます。
http://ch.nicovideo.jp/yassy/video
もどうぞ御覧下さい。
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