中川先生のやさしくもないしビジネスでもない話。

水戸浩ほか『企業論』超要約。

2024/08/29 08:43 投稿

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企業には「財・サービスの提供機関」という社会的機能がある。
この側面からすれば、財・サービスを改善し、いかに効率的に届けるかが企業としての基本的な責任となる。精力的に生産活動を行い、マーケティングに創意工夫を施す。企業は社会にとっての何が基礎としてあるのか、ということを見間違われなければ、事業活動に全力を尽くすことが全面的に肯定されることがわかる。この点で手を抜いては、企業は存在している意味がない。

同時に、企業は「株式会社」という社会的機能を果たしている。
利殖を求める資本を受け入れ、創業の意欲に燃える企業家とつなぐ。
2者の要求にこたえるためには、利益を上げることもまた肯定され、
創業者の夢を追うこともまた肯定される。この2つをバランスすることが、経営者と株主とが向き合う株主総会の役割となる。

第3に、企業には「働き、生活の糧を得る場」という社会的機能がある。
現代社会の構造の中では、人類の大半は被雇用者として人生を歩む。
その人生に、企業は責任を負っている。働くということ、すなわち人生を歩むということを、豊かにしなければならない。

これらが織りなすものとして、企業というものの第4の社会的機能は、「社会を構成する一機関として存在しなければならない」という点が浮かび上がってくる。顧客のため、投資家のため、経営者のため、労働者のため、その他、多くの関わり合いあるステークホルダーのため。それぞれが、企業に対し、「どうあってほしいか」という期待の理想像を投げかける。

これらの、時にぶつかり合う期待をすり合わせ、企業の進むべき方向を提示する。その活動を、経営という。

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中川功一

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