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月曜ナビゲーター・宇野常寛 J-WAVE「THE HANGOUT」11月2日放送書き起こし! ☆ ほぼ日刊惑星開発委員会 vol.446 ☆

2015/11/09 07:00 投稿

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月曜ナビゲーター・宇野常寛
J-WAVE「THE HANGOUT」
11月2日放送書き起こし!
☆ ほぼ日刊惑星開発委員会 ☆
2015.11.9 vol.446

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大好評放送中! 宇野常寛がナビゲーターをつとめるJ-WAVE「THE HANGOUT」月曜日。前週分のラジオ書き起こしダイジェストをお届けします!


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■オープニングトーク

宇野 時刻は午後11時30分を回りました。みなさんこんばんは、宇野常寛です。先週の土曜日に、盛岡に出張してきました。いわて若者文化祭という岩手県庁主催のまちおこしのイベントに登壇してきたんです。僕も知らなかったんですけれど、いま岩手って、沿岸部を中心に若者が増えているらしいんですよ。これ、2011年の震災の影響なんです。ぶっちゃけ、現在の地方都市で若者が増えるのって珍しいケースらしいんですよ。でも岩手の沿岸部は、震災復興で仕事が多くなっているのと、震災によって地元とか家族を支えなきゃいけないというふうに考える若い人が増えているらしいんですよ。この2つの要因で若者が増えている。これ、県庁の内部とかでは、岩手に若者が増える最後のチャンスかもしれないとまで言われているらしいんですよ。

そこで、岩手県の達増拓也知事が音頭をとって、去年からはじまったのが、このいわて若者文化祭というイベントなわけです。岩手で起業したり、ボランティア活動をやっていたり、文化活動や情報発信をしている若い世代を呼んで、出展してもらって、内外にその勢いをアピールするというイベントなんですよね。僕が呼ばれたのは、その達増知事との対談イベントなんですよ。単に「頑張っている若者にアピールする場を県が用意しますよ」というだけでは、ぶっちゃけ何も始まらないですよね。シビアな話ですが。大事なのは、実際にどうやって岩手に若者がチャレンジしやすい環境を整えるのか、その上で、どう成功例を作っていけるかという具体的な話なんです。そういった話を、僕と達増知事と県の担当職員で議論するというイベントをやってきました。

そもそも、なんで僕みたいなサブカル評論家が岩手に行ってまちおこしの議論とかに参加しているんだって、ぶっちゃけ疑問を持たれる方もいると思います。でも、ちょっと考えたらつながりがあるんです。これ、『あまちゃん』つながりなんですよ。僕はテレビドラマがずっと好きで、評論とかをしていて、『あまちゃん』が盛り上がっていた時期には、僕のつくっている「PLANETS」という雑誌の別冊で『あまちゃんメモリーズ』という本をつくったんですよ。それぐらい『あまちゃん』で盛り上がっていた人間なんですけれど、その関係で、岩手県とつながりができていたんですよね。

より正確には、岩手県の副知事の千葉さんという人がいて、彼がすごく評論とかサブカルとかが好きな人で、僕の本をほとんど読んでくれていたんです。それで彼が達増知事に、僕が震災の年に出した『希望論』という対談本を読むように勧めてくれたのがきっかけでした。達増知事が、twitterでその本の感想を書いてくれていて、そこからネット上で少し絡むようになったんですよね。この達増さんがまた面白い人で、サブカルチャーがすごく好きな人なんですよ。達増さんのtwitterをフォローするようになって、ある日ふとタイムラインを見てみたら、『未来警察ウラシマン』の「ミッドナイト・サブマリン」という主題歌について延々とツイートしていたんですよ。その時「あ、この人はいい人だな」と僕は思ったんです(笑)。

そんな中でやってきたのが『あまちゃん』ブームでした。岩手県では、県ぐるみで『あまちゃん』ブームに乗じた三陸地方のまちおこしに取り組んでいたんです。で、僕も文藝春秋さんと組んで『あまちゃんメモリーズ』を出したりとかするくらい、盛り上がっていたんです。その関係でどんどんつながりができて、達増さんにもその『あまちゃんメモリーズ』に出てもらったりしたんですよ。達増さんはそれ以降、サブカルを使ったまちおこしをすごく考えるようになって、最近だと陸前高田市のIngressのイベントが注目を浴びていましたね。津波に流されてしまった場所を、Ingressのポータルに設定して、「流される前にはここにはこういうものがあったんだよ」とみんなで確認しながら、復興の進み具合をアピールしていくというイベントで、これは世界的に注目を浴びていて、僕も朝日新聞の連載で取り上げました。

そんな感じでずっと、僕と達増知事はゆるゆるとした付き合いがあったんですけれども、そのイベントで1年ぶりくらいの再会を果たしましたね。最後に会ったのは、たぶん僕がだしている雑誌「PLANETS」の最新号を作っている時です。三重県の鈴木英敬知事と「これからの東京と地方」というテーマで対談してもらったんですよ。その最新号「PLANETS vol.9」は、「2020年のオリンピックを俺たちならこうする」という特集を組んだ雑誌なんですよ。ぶっちゃけ2020年のオリンピックって、建前では「地方創生」とか言いながら、本音では東京一極集中しかなりようがないというこの国の宣言だと思うんですよね。ぶっちゃけると、「地方を切りますよ」というオリンピックなんですよ。その状況を踏まえた上で、じゃあ地方がどう逆襲していくのか、東京と地方のポジティブな関係にはどういうシナリオがありえるのかっていう話を、かなりつっこんで議論しました。知事の立場としては言いづらいこともたくさんあったと思うんですけれど、2人ともわりかし踏み込んで議論してくれました。

でね、あれからちょうど1年くらい経って、「今度は僕が岩手のために何かをする番だな」と考えて、そういう心意気で僕も議論に望んだんです。具体的に県がどういう部署を置いて、こういう形で企業支援をする制度を作るべきじゃないかとか、あとは来年岩手で国体があるので、それを使って復興アピールを絡めて何か面白いことができないかとか、そういうことを僕はちゃんと考えて行ったんですよ。で、はやぶさに乗って岩手に着いて、県庁に案内されて、対談の前に打ち合わせを兼ねて知事が挨拶に来てくれるわけですよね。それで再会した瞬間の達増さんの第一声が、素晴らしかったんです。


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