井上敏樹エッセイ『男と×××』第6回「男と親」 ☆ ほぼ日刊惑星開発委員会 vol.268 ☆
※メルマガ会員の方は、メール冒頭にある「webで読む」リンクからの閲覧がおすすめです。(画像などがきれいに表示されます)
本日のメルマガは、平成仮面ライダーシリーズなどでおなじみ、脚本家・井上敏樹先生のエッセイ連載『男と×××』の第6回。
今回のテーマは「男と親」。昭和仮面ライダーシリーズなど数々の名作を手掛けた父・伊上勝氏とご母堂との知られざるエピソードを語ります。
井上敏樹エッセイ連載『男と×××』これまでの連載一覧はこちらから。
【PLANETSチャンネル会員限定! 井上敏樹関連動画はこちらから。】
・関連動画(1)
井上敏樹先生、そして超光戦士シャンゼリオン/仮面ライダー王蛇こと萩野崇さんが出演したPLANETSチャンネルのニコ生です!(2014年6月放送)
・関連動画(2)
井上敏樹を語るニコ生も、かつて行なわれています……! 仮面ライダーカイザこと村上幸平さんも出演!(2014年2月放送)
男 と 親
井上敏樹
私の事、愛してないの?
母は父にそう言った。実家の冬の居間でストーブが赤々と燃える中、父はべろべろに泥酔し、母は泣きながら何度も鼻をかんだ。この時、私と弟は高校生で父が死ぬまでまだ十年、母には十五年の時間があった。
私は母の言葉にびっくりした。愛してないのかと問うという事は、母はまだ父を愛している事になる。
事の起こりは少々複雑だった。まず、父の愛人が死んだ。私も弟も、大分前から愛人の存在には気づいていた。父はほとんど家に帰らず、たまに帰宅すると激しい夫婦喧嘩を繰り返していたからだ。
父は特撮界ではそれなりに名のある脚本家だった。だが、書き飛ばすようなペースで仕事を続けた結果、父はすっかり擦り切れていた。締切りを何度も伸ばし、居留守を使い、プロデューサーを平気で裏切り、仕事の依頼も減っていた。それに反比例して増えたのが酒量である。酒は目から人を殺す。痛飲を重ねる父の目は、この頃、いつもとろんと爛れていた。そして愛人が死んだ。スナックのママだった父の女は店の階段から落ちて死んだらしい。私は父と母の夫婦喧嘩のやりとりでそれを知った。
【ここから先はチャンネル会員限定!】
▼PLANETSの日刊メルマガ「ほぼ日刊惑星開発委員会」は2月も厳選された記事を多数配信予定!
配信記事一覧は下記リンクから更新されていきます。
この記事の続きを読む
チャンネルに入会して無料で読む
- チャンネル会費
ポイントで購入して読む
※ご購入後のキャンセルはできません。 支払い時期と提供時期はこちら
- ログインしてください
購入に関するご注意
- ニコニコの動作環境を満たした端末でご視聴ください。
- ニコニコチャンネル利用規約に同意の上ご購入ください。
2015/02/23(月) 07:00 月曜ナビゲーター・宇野常寛 J-WAVE「THE HANGOUT」延長戦2月16日放送書き起こし! ☆ ほぼ日刊惑星開発委員会 vol.267 ☆
コメント
コメントを書く