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本日のメルマガは、平成仮面ライダーシリーズなどでおなじみ、脚本家・井上敏樹先生のエッセイ連載『男と×××』の第6回。
今回のテーマは「男と親」。昭和仮面ライダーシリーズなど数々の名作を手掛けた父・伊上勝氏とご母堂との知られざるエピソードを語ります。
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男 と 親
井上敏樹
私の事、愛してないの?
母は父にそう言った。実家の冬の居間でストーブが赤々と燃える中、父はべろべろに泥酔し、母は泣きながら何度も鼻をかんだ。この時、私と弟は高校生で父が死ぬまでまだ十年、母には十五年の時間があった。
私は母の言葉にびっくりした。愛してないのかと問うという事は、母はまだ父を愛している事になる。
事の起こりは少々複雑だった。まず、父の愛人が死んだ。私も弟も、大分前から愛人の存在には気づいていた。父はほとんど家に帰らず、たまに帰宅すると激しい夫婦喧嘩を繰り返していたからだ。
父は特撮界ではそれなりに名のある脚本家だった。だが、書き飛ばすようなペースで仕事を続けた結果、父はすっかり擦り切れていた。締切りを何度も伸ばし、居留守を使い、プロデューサーを平気で裏切り、仕事の依頼も減っていた。それに反比例して増えたのが酒量である。酒は目から人を殺す。痛飲を重ねる父の目は、この頃、いつもとろんと爛れていた。そして愛人が死んだ。スナックのママだった父の女は店の階段から落ちて死んだらしい。私は父と母の夫婦喧嘩のやりとりでそれを知った。
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