選挙は手段のひとつにすぎない
家入一真×安藤美冬×高木新平×宇野常寛×堀潤
『都知事選 ジ・アフター』現場レポート
☆ ほぼ日刊惑星開発委員会 ☆
2014.3.4 vol.022
2/9に投開票が行なわれた東京都知事選で、唯一の30代として今回初めて出馬し、主要4候補に次いで5番目の得票数となった家入一真さん。その家入さんと仲間たちが、選挙の2週間後の2/22(土)に「これからのネットと政治」を語ったイベントのレポートをお届けします。
※後編のページに行くとMP3もダウンロードすることができます。
2月22日土曜の夜、閑散とする冬の田町のオフィス街。しかし、会場のSHIBAURA HOUSEは80人を超える観客に埋め尽くされていた。
この日の主役は、30代での出馬とインターネット中心のユニークな選挙活動で話題を集めた、都知事選立候補者の家入一真氏と、その参謀役の高木新平氏の2人。さらに起業家の安藤美冬氏、ジャーナリストの堀潤氏、PLANETS編集長/評論家の宇野常寛の3人も登壇。
インターネット中心のボランティアによる選挙活動の総括と、これからのインターネットを通じた政治運動のあり方について議論が行われた。
■「悔しい」(家入)
トークは、選挙戦の振り返りからスタートした。
「『問題提起的であれば結果はどうでもいい』というのはいわゆる古い文化人の言い訳の常套句。ここで家入一真が開けてしまった〈フタ〉はもう閉まらないし、家入さんとその仲間たちはこの選挙が終わっても必ず何かをやっていくという確信があって、そこが今までの人たちと違う。今回の家入さんたちの試みは、新しい社会参加のモデルとして受け継がれていくのではないか。家入さんはこの選挙をどう振り返るのか?」(宇野)
「Twitterのハッシュタグ #ぼくらの政策 を使って参加型の選挙運動を展開した。これは当初から描いていたものなのか? 結果、3万人ほどの意見を集めた。それによって初めて政治に興味を持った人も多いと思う」(堀)
この宇野と堀氏の言葉を受けて家入氏は、まず都知事選を「悔しい」と総括。「目標はあくまで都知事だった」と無念をにじませた。出馬前からTwitterのハッシュタグで政策の元となる意見を集めたり、クラウドファンディングで供託金を集めようとしていたが、公選法に阻まれ、こうした試みが思うように実現しなかったと語る。
▲家入一真さん
「正直、告示前から動けるような制度だったらまた結果は違ったと思う。ドブ板もやればよかったとアドバイスもされたが、自分たちのリソース的にネット選挙に絞った方がよいだろうと判断してそうしたし、結果、ネットを使い切れたんじゃないかと思う」(家入)
■参謀役が明かす選挙戦の舞台裏
今回、家入氏の参謀役を務めた高木氏は、選挙戦の舞台裏を告白。家入氏から「なんとなく選挙に出ないといけない気がする……」と突然電話がかかってきたと、事の始まりを笑いながら明かした。しかし、都知事候補が全員高齢であることへの疑問を語る家入氏の話を聞くうちに、スピーチライターを買って出る気になったという。
「正直、都知事になるのは無理だと言った(笑)。けれど、実際に出馬して色んな人と出会い、その中で家入さんの中で具体的な問題意識が芽生えてくると思った。家入さんが選挙に出る意味は、今まで拾えなかった人びとの声を拾うということ。それがひとつの社会の風穴になるように提示しようと思った」(高木)
▲左=高木新平さん
高木氏が今回考えていたのは、この出馬をきっかけにした長期的な視点での社会変革だった。
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