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ちろうのAKB体験記:第15回 春のちょっとだけ全国ツアー

2013/10/18 17:11 投稿

  • タグ:
  • ちろうのAKB体験記
  • 稲垣知郎
▼本コンテンツは連載です。前回記事はこちら
http://ch.nicovideo.jp/wakusei2nd/blomaga/ar193475

第15回  春のちょっとだけ全国ツアー

2007年3月、初めての全国ツアーが行われた。そのタイトルは「春のちょっとだけ全国ツアー~まだまだだぜAKB48!~」。東京厚生年金会館、愛知厚生年金会館、NHK大阪ホール、福岡国際会議場で行われた。文字通りの、主要な都市だけの「ちょっとだけ」全国ツアーである。ぼくは3月10日に行われた東京公演、3月17日に行われた名古屋公演を見た。そして後にAKB48に加入し、ぼくの推しメンとなる指原莉乃は福岡公演を見ていたという。東京公演ではそれなりに客が入っていたが、その他の会場ではやはり会場を満員にすることはできていなかったようだ。公演後にはチームAとチームKに分かれて、どちらかのチーム全員とハイタッチをすることができた。

ここでは運営側にとって様々な問題が生じたという。AKBの初期の歴史を記録した名著「48現象」(ワニブックス)にはこう記してある。

「しかしここで2つの大きい問題が生じる。1つは夏公開のAKB48出演映画「伝染歌」の撮影スケジュールと完全にカブってしまったこと。もう1つは劇場公演と共通の衣装を使うため、運搬・クリーニング等の都合でツアー中は劇場で衣装が使えなくなることだ。そのせいで2月26日から4月3日までの1ヶ月強、12日、13日のA公演を除き劇場公演がまったく行われないという異常事態に陥る。〈会いに行けるアイドル〉のアイデンティティの危機。当然ファンの反応は猛反発だった。」

主要メンバーがツアーなど外部のコンサートに出かけ、経験の浅いメンバーが劇場公演に出ずっぱりになることを「劇場を守る」などと表現することがあるが、この頃は今のような研究生はもちろん、チームBすら発足する前なのである。衣装についてもそうだが、どこにも劇場を守る存在がいなかったのだ。 

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