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第11回 1周年記念公演 秋葉原大運動会
2006年12月8日はAKB48劇場が始まって1周年である。この頃は前にも触れたように初日・千秋楽といった節目の公演は混雑が予想されることから完全メール抽選となっていた。しかしこの1周年公演にはそういうアナウンスはない。それでも何かしらのサプライズはあるという予想がファンの中で共有されていたので、この日のチケット争奪戦は熾烈なものになりそうだった。
それを察知した運営側は、変わった策に出る。チケット販売の10時の1時間前、午前9時にチケット販売のための整理券を配る列を作る場所を発表するというのだ。よくよく考えれば、その程度のことで混雑が解消されるわけはないと思うが、これが後に伝説となる秋葉原大運動会の始まりである。整理券配布場所を変えるといっても、ドンキホーテからそう遠くないことは予想されたから、200人ほどのファンが午前9時前にはすでにドンキホーテの裏に集結していたのだった。
整理券の配布場所はトガブロで発表されるということだったので、そこにいたほぼ全員が携帯電話の画面とにらめっこをしていたが、ぼくはただ周りのファンの動きに合わせれば良いと気楽に構えていた。
それはほんの一瞬だった。誰かが走り始めたのだろう。堰を切ったようにその場にいた全員が一方向に走り始めたのである!それはまさに大運動会の号砲、お祭りの始まりだった。
果たして整理券のための列はドンキホーテの裏通りからさらに一本裏、万世橋消防署のある通りのJR高架のすぐ脇だった。そこに先頭のスタッフが立っていたらしく、ファンが雪崩のように突撃していく。これまで見たこともないような異様な光景だった。後に、運動会のコース上にたまたま居合わせた一般人が怪我をしたなどの情報があったし、その運動会に参加していたぼく自身、ヘタをしたら命の危険に関わるよなという恐怖に駆られた。列もあってないようなもので、徐々に先頭から整列していくわけだが、後からそこにやってきたとしても律儀に後ろの方に回り込まずに、前の方に突撃していけば列に吸収されるという無法地帯だった。しかしその光景を、目の前の万世橋消防署の人たちはどんな気持ちで見ていたのだろうか(笑)。
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