「先が見えず不安です。自信を持つにはどうしたら良いでしょうか?」
相談者:mocavanillaさん(東京都・41歳女性・会社員)
Q.
いつも國分先生ならではの視点、切り口からのご回答に感嘆しております。
毎週楽しみにしていたこの連載も終わってしまうとのことで、思い切って相談させてください。
つい先日、離婚をした41歳の女です。SEをやっております。
10年連れ添いましたが、相方が結婚3年目でうつを発症し、休職と復職を繰り返すようになりました。
たまに大喧嘩をしつつも、どうしても元気だった頃の楽しい記憶から、いつかまたよくなると、今思うと楽観的にごまかして過ごしてしまった気がします。
転機としては、自分の仕事の負荷が増え、周囲ともうまくできなくなり、私もうつで休職してしまったことに発します。元々心身が強くないこともあり、自分のことで精一杯のため、この先、うつの彼の人生までを背負っていく自信がなくなってしまったのです。偽善っぽいですが、ぶっちゃけますと、彼の具合は悪くなる一方で、もう働けるようになる自信がないと言われ、私が養うから大丈夫!とは答えてあげれなかったのです。
(以前、宇野さんには某イベントでご相談させていただき、彼とちょっと距離をおいてみたらどうかとアドバイスいただきました。)
私はその後復職し、体調の浮き沈みはあるものの、なんとか続けています。
ただ、休職により評価を落としてしまっている自分は、自分自身先が見えず、正直不安です。
離婚してから2ヶ月がたちますが、彼とは連絡をとっていません。
劇的に回復してる姿とか、私に関する手紙とか写真は処分した話とか、元気になってまた恋をしたいとかの発言を目にしては、なんとも寂しいような、ムカつくような、複雑な気持ちになり凹みます。
長々と失礼しましたが、ご相談というか、ご意見を伺いたいのは、
・私は病気の家族を見捨てた薄情な人間だと、先生から見ても思われますか
・どうしても自己評価が低く、自信がもてないのですが、自信をもつための心掛けなどありましたら、ご教示下さい
・独り身でも前向きに生きていくために、これが大事というようなものがありましたら、お聞かせ下さい
支離滅裂な文章で恐れ入りますが、叱咤いただいて構いませんので、よろしくお願いします。
A.
ご相談をお寄せいただきありがとうございます。
何よりもまずお伝えしておきたいのは、mocavanillaさんが前の旦那さんと離婚したことには何らの道義的な問題もないということです。
誰かにそう言われたのでしょうか? 病気の家族を見捨てた薄情な人間だなんて全然思いませんし、そんな風に思う人がいるんでしょうか?
「私が養うから大丈夫!」というのは本当に重い言葉です。mocavanillaさんは責任を感じているのでしょう。けれど、それが言えなかったから自分はひどい人間だなどと思ってはいけません。
たぶん、誰よりもmocavanillaさんを責めているのはmocavanillaさんご自身ですね。その背景には「ひとたび婚姻関係を結んだのならば、すべての責任を引き受けねばならない」とmocavanillaさんが強く思い込んでいることにあるように思えます。
しかし、婚姻関係は契約に過ぎません。その内容は当事者が決めればいいことです。
おそらくmocavanillaさんは、婚姻関係に限らず、いろいろな物事や人間関係について、「これはこうでなければならない」という強い思い込みを抱いているのではないでしょうか。仕事の仕方、友人との付き合い方、配偶者との関係、どんなことについても「こうでなければならない」なんてことはありません。
もちろん、そう思い込んでいるものをほぐしていくのは大変です。しかし、自分にそういうところがないか少し考えてみてください。たぶん「自己評価が低い」というのもそのせいでしょう。「自分はこうでなければならない」と思っていたら、自己評価は低くなるに決まっています。
その問題と関係しているのですが、僕がとても気になったのは「独り身」という言葉、そして、mocavanillaさんがまだ彼に対して思いを寄せているという点ですね。
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