お笑いコンビ、ザ・ギースの高佐一慈さんが日常で出会うふとしたおかしみを書き留めていく連載「誰にでもできる簡単なエッセイ」。今回は、ザ・ギースが決勝に進出した「キングオブコント2020」について語ります。コントを作るとは、いったいなにを追求することなのか。高佐さんが出した答えを、ぜひ読んでみてください。
高佐一慈 誰にでもできる簡単なエッセイ
第10回 キングオブコント2020
コント日本一を決める大会、「キングオブコント」が今年も開催された。今年はコロナ禍での開催ということもあり、予選・決勝ともに感染対策を徹底させての開催で、本当に無事に終わってよかったなと思っている。
そんなキングオブコントに僕らザ・ギースもエントリーし、見事4度目のファイナリストとなることができた。
去年は準々決勝で敗退し、ちょうど新世代との交代の年とも言われていたので、いわゆる若手ではない僕らが今回返り咲いたことは素直に嬉しかった。実際、決勝進出が決まった瞬間は優勝したのかというくらいのテンションで泣いてしまった。嬉しすぎて、ハイタッチを求めてきた相方の尾関に全く気がつかず、相方をオロオロさせてしまうという事態に。その時の動画もあるので、いずれどこかのライブで流そうと思う。
さて、今回の「キングオブコント2020」。結果から言うと僕らザ・ギースはファイナリスト10組中4位。上位3組が2本目のネタを披露し、合計得点で優勝者を決めるというルールなので、あと一歩のところで決勝戦に進むことができなかった。しかも3位とは1点差だった。惜しかった。
でも振り返って、こうしておけばよかったなぁということが思い当たらないので結構清々しい気分だ。SNSやメディア媒体上で僕たちのことに言及されている感想や総評を見聞きしていると、「確かにそこを変えていたらもっと面白くなったな!」と思うことが多く、なんで気付けなかったんだろうと思う。でも気付けなかったということは、それが今の実力なのだ。これくらいの実力なのだから、優勝できなくてもそれはもうしょうがない。だから清々しい。そして今の自分たちの実力が分かれば、今後への気合いがよりいっそう入る。
今回のエッセイは、この大会において僕が考えていたことや、自分の中で沸き起こってきた衝動、そして披露したハープのネタが生まれてから仕上がっていくまでの過程を書いていこうと思う。
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