鷹鳥屋明さんの連載『中東で一番有名な日本人』。今回は中東のコスメ事情のレポートです。女性の美しくありたいという思いは万国共通。顔の大部分を隠すイスラムの女性も、目元を中心におしゃれには余念がないようです。中東で人気のつけまつげやネイル、さらに日本や中国、韓国の化粧品の評判について報告します
慎ましく、でももっと美しく
日本も中東もそろそろ春から夏の陽気を感じる季節になってきました。これから中東は気温が上がり、30度を超える日が増えてきます。こう暑くなるとそろそろ紫外線の心配をする季節になってきたとも言えます。日本よりも紫外線量の多い中東はお肌のケアも欠かせないですが、今回はビューティーワールド・ドバイを通じて現地の「お化粧事情」をご報告致します。
▲ビューティーワールド・ドバイ入り口
ビューティーワールドは世界各国で行われている化粧品、ネイル、美容機器、ヘア、スパなど美容に関わるものの最新の製品、サービスを見ることができる美容系の総合見本市です。ドバイでは2019年4月15日〜17日の間に、日本でも2019年は5月13日〜19日の間に東京ビックサイトで開催されています。ドバイでは3日間の間におおよそ約2000社、3〜4万人の来場があるイベントです。
▲ビューティーワールド・ドバイ会場内
会場では化粧品の香りだけでなく、様々な香りをつけたボディケア製品、オーガニック石鹸の香り、アラブでは多くの人が身につける香水の特設ブースから漂う独特の香り、スパゾーンから漂う香り、ヘアケア製品の香りなど男性の私からすると、日頃慣れない多くの香りに包まれて鼻が混乱していました。有名なブランドの新作発表や宣伝広告だけではなく、化粧品原料、OEM生産、製造装置、測定装置など幅広い分野の広告や展示品が並んでいました。
▲スパゾーンの実物を試すバイヤー、来場者
▲メイクアップ実演とメイクアップ後のモデルの女性たち
▲ヘアサロンのテクニック講習まで行われていました
所変われば化粧も変わる
日本で美容、ケアに関して最初にイメージするのは「お肌」と考える方が多いかもしれません。それに対してアラブの女性は化粧をする際にどこに一番力を入れるのかと聞かれれば多くの人は「目」であると答えるでしょう。そして二番目は「手元」(爪とも)ではないかと考えられます。
これはアラブの女性の多くが顔をヴェールで(正確にはヒジャブやニカブ)隠しているため露出の機会が一番多い部分が「目」のゾーンであるためです。そして日常生活の中でどうしても晒すことになる部分に手元があります。アラブの伝統的な装飾であるヘナ(ヘンナとも言います)はまさに中東〜南アジアにおける手の装飾の代表と言えます。
そんな伝統を証明するかのように会場の中ではムガル帝国時代創業のアイケア製品の会社もブースを構えており、伝統的な製品だけでなく新しいラインナップを揃えていました。
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