この連載も8回目になりました。そろそろ終盤ですが、このあたりで一度、この連載の目的を再確認したいと思います。
この連載の出発点は、「インターネットサービスは、都市の影響を受けやすい。その都市がどのようなサービスを作る土壌があるのか、ということを整理することで、今後、東京という都市でサービスを作る人への手助けをしたい」というところです。
今、世界を席巻しているグローバルサービスは、多くがシリコンバレーという土地から生まれています。その代表例が「GAFA(Google Apple Facebook Amazon)」です。これはビッグ4とか呼ばれたりします。
ちなみに中国にも「BAT(バイドゥ、アリババ、テンセント)」と呼ばれる巨大ネット企業たちがあります。もはや中国はシリコンバレーに次ぐ規模と盛り上がりになっています。しかし、中国企業は、世界中で使われるサービスを作るというより、中国国内でシェアを獲得して大きくなっている感があります。
しかし、シリコンバレーがいくら強いからといって、シリコンバレーでなければ世界で勝てない、と嘆くのもナンセンスではないかと。日本から・東京からでも独自のサービスを生み出せ、世界で戦っていけるというふうに信じているのが僕の立場です。
では、東京からサービス生み出すのはどうしたらいいのか?に関しては、2つの方法があります。1つ目は、グローバルで使われるニーズがある普遍的なサービスで、グローバル市場で勝つというやり方です。そしてもう1つが、日本や東京の独自性を背景にニッチ部分で勝つというやり方です。
このどちらでも良いのですが、どちらを選ぶにせよ、今の自分たちには、どのような土壌があるのか、を整理することが大事なのではないかと思いました。寒い地域でバナナを植えても育ちづらいように、寒い地域であれば寒い地域で有利なものを植えたほうがいいよね、という考えです。
TOKYO INTERNETの連載の振り返り
というわけで、今までの連載を振り返ります。
前半の3回をまとめると、プロセスを楽しみ、遊びのようにふざけながらそれをビジネス化までする、という日本独自の形が浮かび上がってきます。職人的ともいえますし、長期のビジョンを描いて、そこまで最短ルートでいく、ということが弱いとも言えます。
この中盤の3つでは、日本的なコミュニケーションのあり方について考えを深めています。というのもインターネットサービスのコアは、人間と人間とのコミュニケーションだからであり、そこを深めることが、この国や、東京という都市から生み出せるサービスの特徴を形付けやすいからだと思っています。
ご存知の通り、国ごとでコミュニケーションのプロトコルはそれぞれ違うものなので、その意味でも国ごとの特徴がでやすいというという点でも参考になりやすいです。
ここまで、どちらかというと文化的背景、カルチャー的な部分についての記事が中心でした。第8回目となる今回の記事では、少し毛色を変えてインターネット企業の経営について話していきたいと思います。
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