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『ドラがたり――10年代ドラえもん論』
(稲田豊史)
第9回 大長編考・後編
リメイク問題とオリジナル問題
【毎月第1水曜日配信】
☆ ほぼ日刊惑星開発委員会 ☆
2016.4.6 vol.557
http://wakusei2nd.com

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今朝は稲田豊史さんの連載『ドラがたり』をお届けします。藤子Fの死後も、大人の事情から製作され続けた大長編ドラえもん。目を覆いたくなるオリジナル脚本の駄作が連なる中、唯一輝きを放った『のび太のひみつ道具博物館(ミュージアム)』に秘められた、ドラえもんらしからぬ批評性とは?


▼執筆者プロフィール
稲田豊史(いなだ・とよし)
編集者/ライター。キネマ旬報社でDVD業界誌編集長、書籍編集者を経て2013年にフリーランス。『セーラームーン世代の社会論』(単著)、『ヤンキーマンガガイドブック』(企画・編集)、『押井言論 2012-2015』(編集)、『ヤンキー経済 消費の主役・新保守層の正体』(構成/原田曜平・著)、評論誌『PLANETS』『あまちゃんメモリーズ』(共同編集)。その他の編集担当書籍は、『団地団~ベランダから見渡す映画論~』(大山顕、佐藤大、速水健朗・著)、『成熟という檻「魔法少女まどか☆マギカ」論』(山川賢一・著)、『全方位型お笑いマガジン「コメ旬」』など。「サイゾー」「アニメビジエンス」などで執筆中。
http://inadatoyoshi.com

PLANETSメルマガで連載中の『ドラがたり――10年代ドラえもん論』配信記事一覧はこちらのリンクから。
前回:『ドラがたり――10年代ドラえもん論』(稲田豊史)第8回 大長編考・前編 ふたつの「ドラえもんコード」


●新ドラの迷走・リメイク問題
 
 声優リニューアル後のドラえもん(新ドラ)まわりでよく話題にのぼるのが、映画版のリメイク問題である。前回(第8回参照)でも触れたが、2006年以降の映画ドラえもんは、11本中6本が過去作品のセルフリメイクだ。

2006年『のび太の恐竜2006』
*『のび太の恐竜』(80)のリメイク
 
2007年『のび太の新魔界大冒険  〜7人の魔法使い〜』
*『のび太の魔界大冒険』(84)のリメイク
 
2008年『のび太と緑の巨人伝』
*オリジナル。原案はてんコミ26巻「森は生きている」とてんコミ33巻「さらばキー坊」
 
2009年『新・のび太の宇宙開拓史』
*『のび太の宇宙開拓史』(81)のリメイク
 
2010年『のび太の人魚大海戦』
*オリジナル。原案はてんコミ41巻「深夜の町は海の底」
 
2011年『新・のび太と鉄人兵団  〜はばたけ 天使たち〜』
*『のび太と鉄人兵団』(86)のリメイク
 
2012年『のび太と奇跡の島  〜アニマル アドベンチャー〜』
*オリジナル。原案はてんコミ17巻「モアよ、ドードーよ、永遠に」
 
2013年『のび太のひみつ道具博物館(ミュージアム)』
*オリジナル
 
2014年『新・のび太の大魔境 〜ペコと5人の探検隊〜』
*『のび太の大魔境』(82)のリメイク
 
2015年『のび太の宇宙英雄記(スペースヒーローズ)』 
*オリジナル
 
2016年『新・のび太の日本誕生』
*『のび太の日本誕生』(89)のリメイク
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