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【相談文】

 僕は昔から空気を読みすぎてしまうというか、「これを言ったらこの人、気悪くするだろうな」とか、「失礼かもしれないな」とか考えすぎてしまうタチで、大勢の前では引っ込みがちになってしまいます。
 それでいいじゃないかと思っていた時期もあったのですが、最近、みんなが楽しそうにしている中で一人だけ黙りこんでしゃべらないのも、それはそれで失礼に当たるんじゃないかと考えるようになりました。
(実際、先輩にカラオケに連れて行かれた時、「お前はノリが悪い!」と怒られました)
 
 しゃべらないのもダメだし、しゃべろうと思って変なことを言っても、きっと怒られたり舌打ちをされたりするに違いありません。 
 そもそも、周りの人々は僕のようなコミュ力0の小虫に何をもとめているのでしょうか? 軽快なトークで場を沸かせれるとでも本気で思っているのでしょうか? 馬鹿なんでしょうか?
 
 もう、どうしたらいいのかわかりません! 助けてください!
 あと、めんどくせえ先輩(バンドマン)とのカラオケを、相手の気に触らないように断る方法も、あったら教えて下さい。
 
 ボインゴ さん / 26歳 / 男性 / コンビニバイト

 
【うしじまの回答】
(今回はゲストの小田原ドラゴンさんを交えての回答となります)

うしじま:
 これなんですけど、とりあえず私もですね、私に対して1mmも興味がない人で、あんまりしゃべらない人としゃべるのって、結構ツラいものがあるんですよね。
 かつ、私も相手に あんまり興味がなかったり、相手の趣味とあまりにも合わなかったりして、「すげえツライな」と思うことが、過去にあったんです。

 いつの話かというと、キャバクラで働いた時なんですよ。
 その時は、私は仕事の話を振ったりとかしてしまったんですけど。
 後でキャバクラによく行く人に聞いたら「キャバクラに行く人は、仕事のことを忘れたかったり、仕事外の自分として来てたりするかもしれないから、もしかすると立場を詐称してるかもしれないし、あまり仕事についてな、細かく聞いたりするのは良くない」と。

 で、「じゃあ、何の話をしたらいいんですか? サッカーの話を振られたけど、全然サッカーの話も出来なかったし、サッカーの話に興味が持てなかったんですよ」って言ったら、
 「そういう時には旅行の話をしたり、休日の過ごし方を聞いたりとか、あとは『ゴハンだったら何が好きですか?』とか、『外食が多いですか?』とか、『家で作ったりするんですか?』とか、そういう質問をする方がいいよ」みたいなことを言われて。
 それから、なるべく その手の話題をするように したりしてるんですけど。

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※イラスト:温井裕子

 あとは相手が趣味がある場合は、その趣味について、「その趣味をやってる時に、何が一番楽しいポイントなんですか?」とか聞いたりすると、まあ話してくれたりすることもあるんで。

 で、あんまり話してくれなかったら切り上げて、全然別の話を振るとかでもいいと思うんですけど。

 基本的には相手がしゃべってくれないと、私もあんまりしゃべれないっていうか。
 一方的に私の話をするわけにもいかないから。

 だから、相手が受け入れてる感じがないと、やっぱりコミュニケーションっていうのは厳しいと思うんで。
 あなたが感じているこの“やりづらさ”っていうのは、そんなに特別なことじゃないっていうか。
 わりと「あるある」という感じだと、私は思います。

・・・

うしじま:
 小田原さんは、これについてはどう思います?


小田原:
 いや、そういうのはみんな、あると思うんですよ。
 「この場で話にくいなぁ」とか、「ここは、どういうふうにして話せばいいんだろう?」っていうのは、あると思うんですけど。

 だから、これを読んで、僕はすごいよくわかるんですよ。
 僕も、こんな感じなんで。

 「これを言ったら、この人はどう思うんだろう?」とか。
 「これを言ったら、気を悪くしないかな?」とか。
 「何か場違いなことを言ってるんじゃないかな?」とか思って。

 そう思うと、全然しゃべれなくなるんです。


うしじま:
 でも、「気を悪くする」って、どんなレベルのことを言ったら、人って気を悪くするんですかね?


小田原:
 いや それがね、わかんないんですよ。
 なんかこう、普通のことを言っても、その人にとっては気が悪いこととかあるじゃないですか。


うしじま:
 なるほどなあ。


小田原:
 だから、そう考えると、本当にもう何も言えなくなっちゃって。
 で、ずーっと皆がいる所で だんまりとか。


うしじま:
 そういう実例はあるんですか?


小田原:
 実例はありますよ。

 僕は前に、芸人さんとイベントやったんですよ。
 で、楽屋にもいろんな芸人さんが来てて。
 僕、そこでも一言もしゃべれなくて。

 挨拶しようと思っても、「挨拶をしたときに、どもっちゃったらどうしよう?」とか思って。
 うぅ…。


うしじま:
 じゃあ、その間は楽屋で何してるんですか?



小田原:
 貰った紙をずーっと見て。


うしじま:
 確認して、確認して みたいな?


小田原:
 そうそう。
 “確認してる人”になってる。


うしじま:
 ちなみに芸人の人たちは、楽しそうに談笑してたんですか?


小田原:
 友達同士の人はしてましたよ。


うしじま:
 ああ、でも、みんなで交流を持ったりとかいう感じではなかったんですね。


小田原:
 うん。


うしじま:
 そうなんだ。
 でも、芸人の人ですら、そうですよ。

 だって、みんなと交流を持ってなかったんですよね?
 みんなでワーッてしゃべったりとかって感じでもなかったんですよね? 芸人の人でも。