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[浦和レッズマガジン7月号掲載]

Jリーグ1stステージ第13節終了現在で、浦和は首位を堅持。1試合消化が少ない中で他チームを引き離し、盤石の態勢を築き上げ、昨季からのベースアップ、レベルアップを確実に感じさせる。それはチーム全体の底上げに加え、選手個々のスキルアップも影響している。2015年型・浦和レッズは、今まさに成長の途上にある。

■相次ぐ主力選手の離脱窮地で台頭した新たな力

 今原稿執筆時点で、浦和レッズはJリーグ1stステージを12試合消化して(リーグ全体では13節を消化。浦和はAFCチャンピオンズリーグ出場のため、第10節・柏レイソル戦を6月3日に消化)、9勝3分の無敗で勝ち点30の首位に立っている。続く2位は勝ち点26のサンフレッチェ広島だが、広島は浦和よりも1試合多く消化している。実質的には浦和と同じ試合数の3位・ガンバ大阪(勝ち点23)が肉薄する相手となるだろう。

 今季の浦和は順風満帆なスタートを切ったわけではなかった。AFCチャンピオンズリーグ・グループリーグ初戦が2月25日に組まれたことで早期始動を強いられ、その準備に苦慮した跡がうかがえる。ミハイロ・ペトロヴィッチ監督は過密スケジュールを考慮して例年以上に厳しい練習メニューを選手に課し、多くのトレーニングマッチを通してチーム熟成に努めたが、今季は新戦力選手を多く獲得したために連携構築に手間どり、思うような成果を上げるのに時間を要した。ペトロヴィッチ監督自身、公式戦初戦となるACLグループリーグ第1節・水原三星戦直前に、「あと、2週間は準備期間が欲しかった」と吐露している。

 今季は特に攻撃面の戦力補強を精力的に行った影響で前線トライアングルの組み合わせを熟考したペトロヴィッチ監督だが、最適解を導き出すまでにはいくつかの苦難に直面した。おそらく指揮官が最も頭を悩まさせたのは主力と目される選手たちの負傷離脱だろう。昨季終盤に腓骨骨折を負った興梠慎三は負傷が癒えた後も別の箇所を痛めて戦線離脱を余儀なくされた。ACLグループリーグ最終節のブリスベン・ロアー戦でようやく戦線復帰を果たしたが、この時点ですでにチームはACLでグループリーグ敗退を喫していた。今後、最重要なリーグ戦で多大な尽力を果たすのは間違いないだろうが、エースFWの出遅れがシーズン序盤戦、特にACLの戦いに影響を及ぼしたのは間違いないだろう。