野田稔・伊藤真の「社会人材学舎」VOL.2 NO.2
コンテンツ
今週のキーワード
「運が強い」
対談VOL.2 横田響子氏 vs. 野田稔
今の日本は少しバランスが悪いそのバランスを是正することで、
日本はもっと元気になる!
第2回 夜中の定食屋からAPECまで、ずっと走ってきた
粋に生きる
3月の主任:「柳家小春」
第2回 未来は、「はじめまして」の連続で作られていく
誌上講座
テーマ2 組織を活性化するリーダーシップ
第1回: 誰もがリーダーシップは行使できるから、やっかいなのだ
連載コラム
より良く生きる術
釈 正輪
第6回 他力ではなく自力を尊び、方便ではなく本質を見つめる
Change the Life“挑戦の軌跡”
弁護士が挑んだ政治家への道
第2回 彼はなぜ参議院選に出馬したのか
NPOは社会を変えるか?
第6回 各診療科の先生を揃えたJAMSNET東京の設立
政治・行政にやり甲斐はあるか?
3月のテーマ:南相馬市の任期付職員は何を見たのか
第2回 公務員1年目でも、コミットした社会人の価値は高い
今週のキーワード
「運が強い」
故・松下幸之助氏の役員登用の条件は、「運の強さ」だったという。松下氏は、ある人物が次期役員に推挙されると、「彼は運が強いかね?」と必ず聞いていたそうだ。
その話を聞いた、ある東洋哲学の先生が、「私は運が強くないのですが、どうしたらいいでしょうか?」と質問した。
すると松下氏は、「徳を積みなさい」と言われた。
松下幸之助いわく、「徳とは、その時できる最善を他に尽くすこと」だ。
それを常に行うことは凡人にはできない。だから、せめて1日1徳に励む。
それができれば、1年で365徳。10年で3650徳になる。
つまり、10年で3650人のサポーターができたのと同じことだ。「3650人のありがとう」をあなたは集めたことになる。
もしあなたに困った状況に陥ったなら、あるいは、やりたいことができたときは、きっとこの3650人のうちの誰かが手を差し伸べてくれるだろう。
その様を見て、周りの人は「彼(彼女)は運が強い」と言うんだよ、と言われた。
さらに、松下氏が言うには、それを1万人の社員が行ったならば、10年で3650万徳も積めることになる。そうなったら、きっと会社は潰れない。
組織で言うならば、リーダーこそ、この徳を率先して積むものだ。
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対談VOL.2
横田響子氏 vs. 野田稔
今の日本は少しバランスが悪い
そのバランスを是正することで、
日本はもっと元気になる!
本誌の特集は、(社)社会人材学舎の代表理事である野田稔、伊藤真をホストとし、毎回多彩なゲストをお招きしてお送りする対談をベースに展開していきます。ゲストとの対談に加え、その方の生き様や、その方が率いる企業の理念などに関する記事を交え、原則として4回(すなわち一月)に分けてご紹介していきます。
第2回のゲストは、株式会社コラボラボの代表取締役社長である横田響子さんです。
横田さんは、会員数1400人以上を誇る日本最大の女性社長コミュニティサイト「女性社長.net」を運営。また、J300と名付けられた女性社長が多数集結する祭典を主催。2014年には、共催で大企業と女性社長たちを中心としたさまざまなコラボレーションを仕掛け、日本を元気にしようと奮闘しています。横田さんが前職のリクルート時代、30歳独立を期して、どのような働き方をしてきたのかが明かされます。
第2回 夜中の定食屋からAPECまで、ずっと走ってきた
数年をかけてタイミングを計り
省庁や大企業を巻き込むことに成功する
野田:私もパネルディスカッションのファシリテーターを務めさせていただいた、今回のJ300とマッチングイベントですけど、もともと、なぜ、あのようなイベントを行おうと思ったのですか?
横田:そもそもコラボラボという会社は、女性社長に特化しようと思っているわけではなくて、さまざまな多様性を活かしたチームを組んで価値の創造をしていこうと思って立ち上げました。
その中で、まずは個性的な女性社長のネットワークという強みを持とうと思ったわけです。それで、いざネットワークがある程度できてみると、こんなおもしろい人たちが世の中に埋もれているのはもったいないと思って、いつか、イベントをやりたいと思ったのです。それでJ300を始めるわけですが、今度はいつか、そのエネルギーを大企業さんだったり、老舗の企業さんだったりに、ブレンドしていくお手伝いをしたいと思っていました。
野田:その思いが、今年のマッチングイベントにつながったわけですね?
横田:そうです。WEPs(女性のエンパワーメント原則)というUN Women(ジェンダー平等と女性のエンパワーメントのための国連機関)と国連グローバル・コンパクトが出している憲章があるのですが、2年ほど前に内閣府がこれを推進し始めました。これで大企業がダイバーシティというキーワードにおいて社内だけでなく、社外を巻き込む機運が高まると思いました。
*WEPsは、企業がジェンダー平等と女性のエンパワーメントを経営のコアとして重視し、自主的に取り組むことで成長を目指すことで、女性の経済的エンパワーメントを推進する国際的な原則とされる。7原則からなる。
もう一つの契機は、2010年ですが、APEC(アジア・太平洋経済協力)のサンフランシスコの会合「女性と経済サミット(WES)」に参加させていただいたこと。その時に、日本で議論されるのはまだ企業内女性リーダー育成の話が多いのですが、欧米ではすでに、企業内リーダーも起業家も合わせて推進していこうという機運に包まれていました。さらに女性起業家のための分科会もできていて、特化した話合いが持たれていました。
2012年のメキシコでのAPEC WES分科会では、大企業と女性起業家を引き合わせるために何をすべきかということが話し合われていたのです。
海外の具体的な取組みにふれ、これは国内でも進められると思ったのですね。それで周りを巻き込みながら、土壌を耕してきました。それで今年、その土壌に種まきをするまでになったわけです。
野田:まさに期が熟したわけですね。
横田:そうですね。大きな組織を巻き込もうとすると、説得材料を集めながらよいタイミングを捉えるのに、どうしても何年か掛かってしまうなあというのが実感です。その代り、自分たちで無理矢理やるよりも、多くの力を巻き込んだ形ができました。
野田:なるほどそれで、コラボラボ主催ではなく、共催なわけですね。まさに名前のとおり、コラボレーションを推進されているわけですよね。
それは素晴らしいことなわけですけど、最初からそううまくはいかないですよね。少し、時代を遡ってみたいのですが、最初にコラボラボを始めたときの環境はどうだったのですか? 仲間はいらしたのですか?
「企業×女性起業家マッチングイベント」にて。
大手企業9社に対して女性起業家41社がプレゼンテーションを行った
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