「ウェブメディア編集者座談会Vol.2」を観覧してみた
2月23日(土)に東京・Asagaya/Loft Aにて開催されたイベント、「ウェブメディア編集者座談会Vol.2」を観覧しました。司会の漆原直行氏、Buzz Feed Japan副編集長の伊藤大地氏は、ともに知り合いなので「久しぶりに、あいさつしておくか」ぐらいのテンションです。
ウェブメディア編集者座談会Vol.2
■とにかく“タイトル”を付けるのが大変
トークにはオフレコの内容も含まれていたと思うので、詳細にレポートするつもりはないですが、「タイトルの付け方」に関するトークは、ものすごく共感しました。ぶっちゃけ、Webメディアはタイトルが命です。もちろん記事本文も大切なのですが、クリックされなければ土俵にも上れない。PVなどの数字にも表れますから、Web編集者は常にタイトルでしのぎを削っているのです。
古典的なタイトルの付け方を踏襲しているのが「J-CASTニュース」。基本的に“見だしは1要素”で、担当デスクが担当しているとのことです。対する「ねとらぼ」は“2行に収まること”が目標。タイトルは足し算で、パワーワードをいくつ送り込めるかが勝負とのことでした。「withnews」は31文字。「Buzz Feed Japan」は特に制限を設けていないが、見だし案を2~3つ、Slackに投稿し、ロジックを明らかにして賛成・否定の意見を言い合うとのこと。う~ん、全部分かります。タイトルの付け方は、Webメディアの編集方針と言ってもいいでしょう。
私も職業ライターとして仕事する時、タイトルを求められる場合は、同メディア内の他記事を見て、その傾向を考えています。しかし、本音を言わせてもらえば、編集者がタイトル付けた方がいいに決まっています。どういうタイトルがバズったか、そのノウハウを一番持っているのは編集者なのですから。
「原稿を書き終えた段階で“半分”」
確か伊藤氏の発言だったと思いますが、これはWebメディア記者兼編集者の仕事を端的に表しています。ライターは原稿を書き終えた段階で、ほぼ作業終了ですが、エディターはここからが勝負。タイトルを考えることもそうですが、バズったならその理由を、バズならなかったらその原因を分析するまでが仕事なのです。もちろんライターにも、タイトルの付け方に才能があったり、SNSにおけるバズり方を研究したりする人はいます。しかし、それを完璧にこなせる人はごくわずかです。
あと、Yahoo!に入稿する時は、タイトルを変えるなどの工夫をしているようです。ヤフトピに取り上げられることがバズへの最短ルートなので、当然と言えば当然なのですが。
■タイトルで配慮すべき点
タイトルは、本当にストレスの掛かる作業です。自社記事であれば、大してPV数を集められなくても、それほどダメージはないのでしょうが、タイアップ記事とかで憤死すると、ホント胃が痛いですよね。
ここからは私見ですが、さらに神経をすり減らすのは、コメント記事です。スポーツメディアの場合、選手のコメントを記事にすることが多いのですが、どの“パワーワード”をタイトルにするかが重要なポイントになります。バズを狙うならば、選手が発した強い表現を切り取ることが正解です。しかし、いまは選手もSNSで発信を行っている時代。バズ狙いのタイトルに対し、選手が不快感を示すと、悪い意味での“炎上”になるリスクもある。毎回、このさじ加減を考えるのがしんどい。
記事を出すタイミングには「速報・詳報・深掘り」の3つがある、なんて話もイベントではされていましたが、コメント記事は、基本的に速報、つまりスピードも勝負となります。ですから、真面目な人ほど、メンタルをやられるよな~と思いました。
タイトルの付け方は日進月歩。素晴らしいメソッドを完成させても、次の瞬間からまねをされて陳腐になる。正解がない中で、常に新しい模索しなければいけない。これは漆原氏の発言だったと思いますが、年齢を重ねてくると「プレイヤーとしての限界」を意識せざるを得なくなりますよね。
ちなみに、このブログに関しては趣味なので、タイトルの付け方も粗雑だし、分析についてはエゴサーチすらしていません。これはブロマガの記事作成ツールの問題かもしれませんが、先日の記事にコメントが付いていたことすら、さっき初めて知りました。
さて、この原稿を書き始めてから1時間。あまり時間を掛けると、公開に向けたハードルが高くなるので、今日はここまで。(と言っても、ここからアップロードしたり、画像を選んだりするので、さらに作業時間を要するのです)
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