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「普通こうでしょ!」が通じないモラハラ人間の共通点

2016/11/14 13:34 投稿

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昨日は母親孝行でラーメンに付き合ってきました。
露木行政書士事務所・露木幸彦と申します。

サンラータン麺という珍しいメニューにしましたが、ピリ辛で美味でした!


顎の病気(顎関節症)でご迷惑おかけしていますが、
顎の手術(軟骨の除去)を受けると1日で終わらないため
とりあえず炎症を抑えるための注射を打ってきました。
そのため、しばらくの間は症状は再発しないはずです。


さて、ここからが本題です。


さて前回は妊娠がきっかけで結婚(できちゃった婚)をした女性が
わずか半年で喧嘩別れをし、中絶せざるを得なくなったという話をしました。
今回は別の女性の相談を紹介しましょう。


このメールのバックナンバーは「ブログ」で読むことができます。
http://ameblo.jp/yukihiko55/



■ 昨日と言っていることが違う!常識の通じない人びと
前触れもなく家から追い出された34歳女性


木下裕子さん(仮名)から初めて電話をもらったのは、
ちょうど大晦日。

私の事務所は年内最後の営業日で、
時計の針はすでに夜8時を回っていました。



私はあらかじめ注文しておいた出前のソバを受け取ると
事務所で1人、熱々の年越しソバをふうふうしながら、
ずるずると喉にかけこんでいたのです。


「今年も終わり」という達成感を満たされ、充実した気分でいたのですが
裕子さんの電話は、その気持ちを台無しにするほど、
差し迫った内容の電話だったのです。


「もう寒くて死にそうです!
突然、カレにウチから追い出されてしまって。パジャマのままですよ。」

裕子さんは訴えかけるような声で
私に事情を話してくれました。


実のところ、裕子さんはそのとき、結婚を前提に
彼氏と同棲していたのですが裕子さんの身に一体、何があったのでしょうか?


裕子さんは彼に対し、『なかに入れて欲しい』と
外から何度も声を張り上げたのです。

しかし彼は『知らず存ぜぬ』を決め込み、完全に無視!



「カレがプレステをやっているのはバレバレなんです!
『第1ステージクリア!』の音が、外からでも、はっきり聞こえるんだから」
裕子さんは彼の仕打ちに、これでもか、というくらい声を荒げます。




結局、裕子さんが家から持ち出すことができたのは、
自分の携帯電話ただ1つでした。


裕子さんにとって外部との連絡手段は、
携帯しかなかったのです。


それほど孤独な状況に追い込まれていました。
パニックに陥った裕子さんは携帯をカチカチっと器用に使い、
検索エンジンGoogleに「家から閉め出し」というキーワードを入力しました。



携帯の場面の一番上に出てきたのは、
私の事務所のサイトでした。

そこで裕子さんは、サイト内に書かれていたフリーダイヤルに
電話をかけてきたのです。

裕子さんが藁にもすがる気持ちだったことは容易に想像がつきます。




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しかし、私は裕子さんに救いの手を差し伸べることなく、
解決を先延ばししてしまいます。

「また来年取り掛かりましょう」「ちゃんと予約してください」と。



私も内心、嫌な予感がしたのです。

しかし、目の前でソバが伸び、ツユが覚め、
テンプラがふにゃふにゃになっていくのを見て
「美味しいソバを早く食べる方」をついつい優先してしまったのです。


裕子さんには、本当は、そうも言っていられない事情があるにも関わらず。
私のちょっとした気の緩みが、裕子さんの事態を
悪化させる一因になったのです。




そして年も変わって1月4日のこと。

私が事務所に出勤するやいなや、
「プルルルッ」という音が鳴り響いたのです。
それは固定電話の着信音でした。



そして電話の液晶に映し出されたのは、
どこかで見覚えのある11桁の番号でした。
裕子さんです。



「先生、わたしは年末に電話したモノです。
あのときは突然、電話をしてしまい、ゴメンナサイ。
寒くて死にそうでしたが、去年はまだ暖冬だったから、
何とか生き残れましたよ。」



裕子さんは、あの電話の後、途方に暮れて、
駅前にふらふらと歩いて向かったそうです。

裕子さんは、同棲先から財布を持ち出すことができなかったので
実家に帰るために必要なお金を持ち合わせていませんでした。


だから仕方がないので、夜明けまで漫画喫茶で
過ごしたようなのです。



「何でこんな目に遭わないといけないの!あんな場所で年を越すなんて!」
裕子さんは自分の味わった屈辱的な体験を、こう口にしました。



裕子さんは、元旦の朝になってから、
最寄りの交番に駆け込み、事情を話したそうです。

そうするとお巡りさんが、交通費分のお金を貸してくれたのです。

裕子さんはそうして何とか電車を使い、
実家に辿りつくことができたとのこと。



その後、裕子さんの行動は驚くほど迅速でした。

「実はわたし、カレのアパートの合鍵を持っているんですよ。
だから、カレの不在中に、こっそり家に入ろうと思ったんです。
そしてわたしはカレが留守を見計らって、またウチに舞い戻ってきました。
1月2日のことです。」



しかし、裕子さんはそこで信じられない恐怖体験を
味わうことになります。


裕子さんは結局、カレの様子を何も確かめることもできず、
また荷物を何一つとして、持って帰ることもできず、
一目散に逃げ帰ってくることになったのですが、
「もぬけの殻のアパート」で一体、何が起こったのでしょうか?



アパートに到着した裕子さんは恐る恐るですが、
鍵をガチャっと差し込み時計回りに回そうとしたのです。


そうしたら、「ピー!ピー!」と凄い音が鳴り響きました。
なんと鍵を挿入した途端、セコムが作動したのです。

裕子さんはその音にびっくりし、
気が動転してしまいました。



『CMに出てくるようなデカ男に捕まったらどうしよう』と怖くなったのです。

裕子さんは、悪いことをするつもりはなく、
「ウチのなかがどうなっているのか」
ただ、それだけを知りたかっただけなのです。


「わたしはカレの婚約相手のはずなのに、まるで不審者扱いです。」

裕子さんは、セコムに追い返されたときの記憶を
こう口にします。



そして今日、裕子さんの実家に見覚えのある差出人から
郵便が届きました。


差出人の名前は、彼の母親の名前、住所は彼の実家でした。
何の了解もなく一方的に送りつけられた郵便の中身は、
裕子さんの私物でした。



その荷物はダンボールは3箱分で、裕子さんが同棲するとき
彼のアパートに持ち込んだ衣服や日用品が中心でしたが、
そのなかには1枚の写真が混じっていました。


その写真は裕子さんが彼と初めて2人で
デートしたときの思い出の品だそうなのです。


背景には、お台場の観覧車が、綺麗なイルミネーションと
ともに写っていました。


しかし、その写真は半分のところまで、ハサミが入れられており
その写真は裕子さんと彼との距離感を、暗に表していました。



「強制終了」
裕子さんの意思に関係なく、彼との同棲生活はこの日、
終わりを告げたのです。






裕子さんは、彼とのツーショット写真を片手に、
泣きそうな声で言います。


「追い出される前の日まで、わたしとカレは、
いつも通りラブラブだったんですよ。


ウチで一緒に夕飯食べて、テレビを一緒に見て、
お互いマッサージし合って。


カレが急変したのは、本当にその日だけなんです。
まさか、こんなことになるなんて・・・もう泣きたいです」


裕子さんは電話の先で話せば話すほど、
涙声になっていきました。




結局、裕子さんは彼の家のなかに、
二度と立ち入ることはできなかったのです。


彼そして裕子さんにとって、愛の巣になるはずだった場所なのに。

それどころか、裕子さんはその日以来、彼の声を聞くことも、
彼の顔を正面から見ることも、
彼からメールの返事をもらうことも叶わなかったのです。




「昨日と今日で180度変わってしまう。」
裕子さんの身には、およそ信じられない現象が起こったのです。
彼の気持ちも、今までの優しさも、交わした約束も、何もかもです。
同じ人間なのに、ある日を境に、逆転現象が発生したのです。



婚活の現場で、なぜ、そんなことが起こるのでしょうか?


裕子さんと彼の関係には「カップル」
「恋人」「婚約相手」という名前がつきますが
どんな名前であっても、2人の間に弱い結びつき、
薄い関係性しかなかったのは事実です。



裕子さんはまだ入籍していないので、
彼と戸籍上のつながりはありません。



また同棲していると言っても、裕子さんは
彼のアパートに住民票を移していないので
お役所的には、2人は別世帯です。




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だからこそ、関係を維持するには、本当の夫婦以上に、
お互いの信頼が必要なのです。



2人がお互いにお互いを信用することができて、
ようやく成り立つ人間関係なのです。



裕子さんは一体どこまで、彼から信用されていたのでしょうか?
そして信頼を掴み取っていたのでしょうか?



「わたしは、肩書きを見ただけでカレのことを
すっかり信用していました。


今思えば、肩書き以外、カレの細かいところを
見ていなかったかもしれません。」
裕子さんは今になって、後悔の念を口にします。



そこで私は裕子さんに、1つの質問をすることにしました。
「彼は初めから、そんな感じだったんですか?

初めて会ったときからのエピソードを順に教えてもらえますか?」



(次回に続く)

現在私が執筆しているダイヤモンドオンラインの連載
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