オープンングがミスチルになってから、朝ドラを見始めました。
露木行政書士事務所・露木幸彦と申します。

朝支度をしている最中に、ミスチルの曲を聞けるので
朝起きるのが楽しみです。


さて、ここからが本題です。


前回は結婚前提の同棲中に、彼に家から追い出された女性の話をしてきました。
今回はその続きです。


このメールのバックナンバーは「ブログ」で読むことができます。
http://ameblo.jp/yukihiko55/



■ 「専業主婦」「お嫁さん」志向の危険性



裕子さんは、さきほどの涙声とは一変、明るい口調で話し始めました。


「わたしがカレと知り合ったきっかけはお見合いです。
ええ、今流行っている、ネットで登録できるサイトです。
確かサイトの名前は『ドクターマリッジ.com』だったような。」



裕子さんの話によると、男性陣のプロフィールは、
職業から年収、貯金の金額、持ち家や車の有無まで
公開されているそうです。


それだけではありません。このサイトは医者の男性しか
登録できないのです。



一方、女性の参加条件は極めて大雑把でした。
35歳以下なら、誰でもOKできるからです。
裕子さんもその枠内でした。




彼のプロフィールは、皮膚科の先生。

彼の勤務先は大学病院であり、また彼の実家は旧家で、
地元では有力な地主の一家でした。
彼は収入も財産も十二分にあり、もうこれから一生安泰です。



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これは裕子さんが彼と初めて「リアルの世界」で会ったときの話です。
彼は裕子さんに対し、早くも結婚を前提とした交際を申し込んできました。


『わたしなんかでいいの?』と裕子さんは不思議に思いましたが、
彼の気持ちを受け入れることにしました。

なぜなら『正直、こんなイイ話は他にはないと』と思ったからです。



「結婚前提の交際」は、本来必要な一切の手間を
省略しています。


ここでいう「手間」とは、交際相手の信頼を得て、
人間関係を築くために不可欠な時間や会話、努力や
「相手を思う気持ち」です。


それでは、なぜ裕子さんは、初対面の男性からのアプローチに対し、
すんなり、OKサインをしたのでしょうか?



裕子さんは、このときの心境をこう吐露します。

「わたしは今でこそ、食品メーカーの正社員として
勤めていますが、2年前までは派遣でした。


それでも給料は十分ではなく、毎月、家賃と生活費に消えてしまい、
貯金すらままなりません。大学を卒業してから、
ずっと不安定な生活を強いられてきました。」



裕子さんは、自分の置かれた状況について、さらに話を進めます。


「それに今の時代、いつ何があるか分からないじゃないですか?
合併とか、リストラとか、食品偽造とか。


どんな会社だって、ずっと安泰なんてことはないですよ。
そういうのに振り回されるのは、もうコリゴリなんです。


今まで、わたしは危険と背中合わせの生活でしたが、
もう、まっぴらです。」



裕子さんは、彼に出会えたことを『運命』だと思っていました。


「だからわたしは早いところ、家庭に入って、安定した生活を送りたい、
そう思っていたんです。


そんなところに現れたカレの姿は、わたしにとってまるで
『白馬の王子様』でした。


だってお医者さんなら、一生、『食いっぱぐれ』はないでしょう?」



裕子さんは、将来の夢がありました。

中学校の卒業アルバムに、こう書いたそうです。
『お嫁さんになること』と。




さて裕子さんの結婚の話は、驚くほどの速さで進んでいきました。
交際開始から同棲、婚約まで、わずか1ヶ月。


このように、裕子さんはいとも簡単に「玉の輿」を
実現しました。


裕子さんまだ、中学生のときに思い描いた夢の世界まで、
あと一歩のところまで来ていました。


そんなアツアツの裕子が一転、
なぜ、大晦日、寒空の下、寒さに凍えながら、
私のところに電話をしてきたのでしょうか?



そこで私は「締め出し」の原因を探るために、裕子に聞きました。



「裕子さん。その日、どんなことがあったのか、
そのときの状況を教えてもらえますか?」



■ 俺様、お医者様、王様そして・・・


裕子さんは、大晦日の夜のことを語り始めました。

「その日のことですが、わたしは6時に仕事を終えると
ウチのなかでカレの帰りを待っていました。


そして9時になると、カレが帰ってきたのですが、
様子が明らかにおかしいのです。


それは『機嫌がちょっと悪い』という次元を通り越しています。
もう狂気の沙汰でした。」



彼の凶暴化。



それは突然やってきました。大声でわめき叫び、
そして当たり散らす。



裕子さんは、はじめのうち彼が「話を聞いてもらいたい」のだと
思っていたそうですが、実際には、そんな生優しい事態ではなかったのです。


彼の奇声の中身は職場のことでした。
具体的には先週、彼が病院で担当した患者の話。


患者が治療から1週間も経ってから、「腕は腫れあがった」と
文句を言ってきたとのこと。

それは彼の注射が原因でした。


彼が患者にいくら事情を説明しても、
患者はすんなり食い下がりません。


だから結局は彼が渋々、謝罪する事態になったのですが、
彼は患者に頭を下げるのは初めてのことでした。


「カレにとって、それがかなりの屈辱的なことで、
耐え難い経験だったことは容易に想像できます。」


裕子さんはそう言います。



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裕子さんは彼が人一倍、プライドの高い人間だということ
を知っていました。


そんな彼が、目下だと思っている患者さんに
鼻をへし折られればどうなるのか、
裕子さんは手に取るように分かりました。


だから、裕子さんは、なんとかカレの気を
なだめようとしたのです。


『誰だって失敗はあるよ』
『今後頑張ればいいじゃない』と。



しかし、彼はかえって怒りのボルテージを上げていきました。


彼は何も分からない裕子さんに、心配されるのが気に入らないらしく、
かえって火に油を注ぐ事態に。


(次回に続く)

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今回は『できちゃった結婚した妻が豹変 
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