まだまだ暑い日が続くので、今日の夕飯は「冷製」で
統一してみました。
露木行政書士事務所・露木幸彦と申します。
冷やしタイカレー+蒸し鳥のにんにく醤油
+刺し身こんにゃく+茹で冷やしワンタンですが
ひんやりして食欲をそそる感じで、なかなか良かったです。
さて、ここからが本題です。
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さて前回までは「離婚せず、夫が生きている場合の生活費」と
「離婚して、夫から分割される年金」と、どちらが多いのかというお話をしてきました。
今回はその続きです。
では具体的な数字を計算してみましょう。
<家族構成>(すべて仮名)
藤谷勇(78歳)年金受給者
藤谷美智子(76歳)専業主婦
藤谷圭介(46歳)勇・美智子夫婦の長男(一人息子)会社員で妻と娘(15歳)の3人家族
例えば、まず今から3年後に勇さんは亡くなり、美智子さんが
生きているパターンですが、
美智子さんが3年間で受け取る金額の合計は、生活費は252万円、
年金の場合は144万円ですから、
3年後の時点ではまだ「離婚しない場合の生活費<離婚する場合の年金」なので
美智子さんは108万円を損しますが、
これは美智子さんも3年後に亡くなった場合の話です。
もしも、勇さんが亡くなった後も美智子さんは生き続けたたら、
どのような計算になるでしょうか?
勇さんがすでに亡くなっているので生活費は0円です。
一方、年金は美智子さんが亡くなるまで支給されるので
「月4万円×妻が生きている月数」ですが、3年目以降の
生活費と年金を比べた場合、どちらが多いのかは明らかです。
そして離婚から6年間(勇さんが生きている3年間+亡くなった後の3年間)の
年金は合計で288万円に達するので、
離婚から6年目で「離婚しない場合の生活費<離婚する場合の年金」に
切り替わるのです。
美智子さんは6年後には82歳をむかえますが、女性の平均余命は86.61歳なので
(平成25年の厚生労働省の簡易生命表)まだまだ大丈夫でしょうから、
これは現実的な計算です。
しかも夫という存在から解放されたおかげで、ますます健康で元気に、
そして心穏やかに過ごすことができれば、平均を超える可能性も十分に
なるでしょう。
美智子さんが長生きすればするほど、ますます「生活費<年金」の差は
広がっていくのですが、
ところで当初、美智子さんは「私の都合で離婚するのだから、
お金を損しても仕方がない」と口にしていましたが、
実際はどうでしょうか?
このように「夫の年金は無限、夫の生活費は有限」ということを
踏まえた上で具体的な数字を計算してみると、
むしろ「離婚した方がお金を得する」ことが分かってきたのです。
まさに「損して得とれ」です。
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ところで法律上、婚姻期間中に築いた財産は夫2分の1、
妻2分の1という按分割合で分け合うのが原則です。
勇さん美智子さん夫婦には他にどのような財産があったのでしょうか?
夫婦の財産は勇さんがすべて管理しており、美智子さんは口を出したり、
手を触れたり、中を見たりさせずに秘密主義を徹底的に貫いてきたそうで、
美智子さんは何も知らないまま今日に至ったようです。
「あの人がどのくらい貯めこんでいるのか、まったく想像がつかないわ」
とはいえ勇さんに聞いたところで素直に白状するはずもなく、
また今は個人情報保護法があるので、例えば、金融資産(預金や株式、
保険など)を調べるべく、金融機関(銀行や証券、保険会社など)に
問い合わせたところで資産内容を開示してくれませんので、
やむを得ず、夫婦の財産のうち、預貯金と退職金について自力で
計算し、おおよその概算を美智子さんに示すことにしたのです。
1つ目の預貯金ですが、勇さんが毎月こっそりとお金を貯め込んで、
現時点でどのくらいの金額に達しているのかです。
ほとんどの家庭では子育ての最中はなかなか貯金をすることは
難しいのが実情でしょう。
例えば、勇さん(78歳)美智子さん(76歳)夫婦の場合、
1人息子である圭介さんは現在、46歳ですから、
勇さんが32歳のときに誕生し、そして54歳のときに大学を卒業し、
会社へ就職したという時系列です。
まず家計の支出ですが、前述の通り、
勇さんは毎月7万円の現金を美智子さんに渡しており、
一方で家賃や公共料金は口座から引き落とされますが、
勇さんは現役時代、国家公務員だったので、
定年退職するまでの間、官舎に住んでいたそうです。
官舎の家賃は世間相場より安価で、勇さんの場合、
毎月4万円でしたので、口座引き落としの合計は毎月10万円で十分でしょう。
ですから、子離れした後の支出は毎月17万円です。
次に家計の収入ですが、私は圭介さんに市役所で勇さんの所得証明書を
手に入れるよう頼みました。
証明書によると勇さんの給与(手取り額)は54歳から60歳までの間、
平均で毎月40万円でした。
このように家計の収支を計算していくと、勇さんは毎月23万円
(収入40万円-支出17万円)を貯めることができ、
6年間(54歳~60歳)でどんなに少なくとも合計1,224万円を
貯めこんでいるだとうと推測することができました。
2つ目の退職金ですが、夫婦の結婚期間と夫の勤務期間が
重複している部分は妻が財産形成に貢献しているのだから
離婚財産分与の対象で、重複していない部分は妻が貢献して
いないのだから対象外というのが原則です。
ところで自宅に残された退職金の確定申告書によると
勇さんには2,807万円の退職手当が支給されたようです。
今回の場合、夫婦の結婚期間は50年ですが、勇さんの勤務期間は
42年なので本来、退職金は全額、財産分与の対象にはるはずでした。
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このように計算すると預貯金(1,224万円)と
退職金(2,807万円)の合計は4,031万円なので、
美智子さんは半分の権利を持っており、
離婚に伴って勇さんに対して約2,000万円を
分与するよう請求しても全く問題ありませんでした。
それなのに美智子さんは2,000万円という大金を
目の前にしても心は動かなかったのです。なぜでしょうか?
(次回に続く)
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おかげ様で本日、19回目が公開されました。
今回は『逆玉のはずが守銭奴一家に搾取され30年!
遺産ゼロで絶縁を選んだ56歳夫』です。
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