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別れるかどうかは、お金ではなく気持ちの問題?!

2016/09/20 13:39 投稿

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ここ3日ほど頭痛や高熱、そして嘔吐などの体調不良ヘロヘロ。
ヒーハーの状態でしたが、お変わりないでしょうか?
露木行政書士事務所・露木幸彦と申します。

そんななか昨日は予定通り、従兄弟の結婚式に行ってきました。

観覧車の隣に出来た、みなとみらいの新しい式場ですね。
10年以上ぶりの遠い親戚なので何を話して良いか・・・という感じでしたが、
弟の子供と遊んでいていたので、あっという間でした。

さて、ここからが本題です。

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http://ameblo.jp/yukihiko55/




さて前回までは母親から父親との熟年離婚の相談を持ちかけられた
息子のことを紹介しました。

では母親の実家の財産はどうなのでしょうか?今回はその続きからです。




<家族構成>(すべて仮名)
藤谷勇(78歳)年金受給者
藤谷美智子(76歳)専業主婦
藤谷圭介(46歳)勇・美智子夫婦の長男(一人息子)会社員で妻と娘(15歳)の3人家族


美智子さんいわく、26年前に母親、20年前に父親を亡くされており、
美智子さんは1人娘だったので実家の遺産を9割方、引き継いだそう。


そして今の今まで遺産にはほとんど手をつけずに、
実家の土地は美智子さん名義のまま貸し出しており、
そして預貯金は8割方、残ったままのようです。


美智子さんが唯一、相続しなかったのは「実家の墓」です。


すでに嫁に出ている美智子さんが墓を守っていくことは難しいので、
これは叔父に譲ったとのこと。それなら美智子さんは当然、
藤谷家(勇さんの家)の墓に入りそうなものですが、
美智子さんは自分の老い支度をどのように考えていたのでしょうか?




「とにかく、あの人と同じお墓に入るのは嫌なんです!」



このように勇さんのことを毛嫌いしていたので、
今から4年前(美智子さんが72歳のとき)に両親の遺産のうち、
400万円を使い、自分の墓を購入したんだそう。


勇さんに内緒で美智子さんの独断です。



いずれは1人息子である圭介さんがこの墓を引き継ぎ、
守っていくことを見込んで墓の購入に踏み切ったのです。



ところで万が一、美智子さんが勇さんより先に亡くなったら、
美智子さん名義の財産(実家の遺産+新しい墓など)は
どうなるでしょうか?



今のところ、勇さんは美智子さんの「夫」なので、
何もしなければ、勇さんが相続してしまうのです。




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美智子さんは50年来、勇さんの暴言や激高、
そして癇癪に苦しめられ、困らされ、悩まされ続けてきましたが、
離婚が頭をよぎったのは今回が初めてではなく、
何度となく自宅を出て実家に戻り、勇さんと別れようと
したことがあったそう。



そのたびに両親に匿ってもらい、愚痴を聞いてもらい、
アドバイスをもらい、何とか今まで我慢してきたのですが、
結局のところ、両親は生前、1人娘の美智子さんのことを
ずっと心配しており、両親が亡くなった後も美智子さんは
そのことを気にかけていたそう。



「父と母は私のことを心配してお金を残してくれたんです。
それなのに、あの人に持っていかれるなんて、
どうしても許せなくて・・・」





美智子さんいわく、そんな悪夢が現実になろうものなら、
両親にも申し開きのしようがないそうです。


特に美智子さんがショックだったのは美智子さんの父親の
葬儀当日の出来事。



当初は夫婦2人で出席する予定でしたが、勇さんが突然、
「急用ができた」と言い出し、実家から自宅へ戻って
しまったのですが、後日、美智子さんが冷静になって
思い返してみると当日、勇さんの車にはゴルフバックが積まれて
いたそうで勇さんと問いただしてみると、
急用とは「仲間内のゴルフ」だったのです。



「生前に散々、世話になり、助けてもらい、
そして迷惑をかけた父の最後をすっぽかすなんて・・・」




美智子さんもさすがに堪忍袋の緒が切れてしまい、
それ以来、実家の法事に勇さんを呼ばなかったのですが、
美智子さんは今までどんな仕打ちを受けても、
とにかく耐えがたきを耐え、忍びがたきを忍んできたのです。

それなのに今回だけは我慢しきれなかったのだから、
よほど腹に据えかねたのでしょうし、
「妻の遺産を手に入れて満面の笑みを浮かべる夫の顔」が
我慢ならなかったのでしょう。




もちろん、離婚が成立し、2人の関係性が夫婦から
赤の他人に切り替われば、夫は「妻の財産を相続する権利」を
失うので、美智子さんの財産が藤谷家に流れることを
防ぐことができます。


このように美智子さんは夫の財産より実家の財産の方が
はるかに大事だと思っているので、離婚に伴い財産分与
(夫から妻へ2,000万円)にこだわるせいで、離婚前に
美智子さんが倒れ、万が一、亡くなるようはことが
あれば元も子もありません。


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仮に美智子さんが野心家で積極的で勝気なタイプだとしたら、
少しでも財産を増やすべく、実家の遺産を守りながら、
勇さんの財産にも手を伸ばしていた可能性はあります。


美智子さんの目には、可愛がってくれた両親のお金は
美しく輝いていて、一方で憎たらしい夫のお金は薄汚れて
いるように映ったかもしれませんが、


どちらのお金も貨幣的価値は同じなので、もらえるものは
もらった方が良いに決まっています。


しかし、実際には美智子さんは堅実で控えめで
保守的なタイプだったので「財産を増やすこと
(夫の財産を請求する)」より

「財産を減らさないこと(妻の財産を夫に渡さない)」に
重きを置いていたので


「離婚に伴う財産分与は一切、いらないから、
その代わりに早く離婚したい」という結論に行き付いたのです。



このように母親である美智子さんが財産を放棄した理由は
「お金の問題」ではなく「気持ちの問題」なので、
もし、勇さんの財産の大小に関係なく、はじめから
財産分与を請求する気はなかったとしたら、
私がわざわざ預貯金や退職金の金額を計算する必要はなく、
何の意味もなかったでしょうが、本当にそうなのでしょうか?


どうやら圭介さんを納得させるのに効果があったようです。
これはどういうことでしょうか?



息子である圭介さんにとって両親の離婚は「お金の問題」
ですから、母親が損をする条件で離婚しようとしているのを
見過ごすわけにはいきません。


しかし、美智子さんの話を聞くと、実家の遺産は土地だけで
2,000万円以上の価値がありそうです。


一方で勇さんの財産の半分は約2,000万円なので
「夫の財産<実家の財産」だということは明らかです。


つまり、気持ち的に考えても、そして金銭的に考えても
夫からの財産分与より夫との離婚(夫の相続権を消滅させる)を
急いだ方が良いので圭介さんも美智子さんの意向に
反対するのをやめたのです。
 


そして次回は満を持して圭介さんは勇さんと直談判すべく、
覚悟を決めて介護施設へ乗り込みます。齢78歳にもなって
突然、妻に三下り半を突きつけられた勇さんはどんな反応をしたのでしょうか?


(次回に続く)

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