北島秀一・山路力也・山本剛志 共同責任編集
【目次】
□クロスレビュー「必食の一杯」
■ラーメン活動月報(7月)
□告知スケジュール
■編集後記
■巻頭コラム
『マスターが望んでいる弟子たちの姿とは?』山路力也
山岸一雄さんが逝去されて4ヶ月が経ちました。まだ哀しみも癒えぬ中、お弟子さんたちの一部が「大勝軒 味と心を守る会」という会を結成されたとのニュースが入って来ました。同じ門下で横の連携を持つ事は決して悪い事ではないですし、個店が集まる事で例えば共同で仕入れをするとか、一店舗では出来ないことも出来るようになるでしょう。
これまで東池袋大勝軒系では「大勝軒のれん会」がありましたが、どうやらこの味と心を守る会は大勝軒のれん会とは一線を画すようです。まぁそれも大勝軒はそれぞれ各店舗が独立した経営であり、チェーン店ではないのですから別に問題はないと思います。しかし、どうも新しく出来た味と心を守る会は大勝軒のれん会や、現在の東池袋大勝軒の存在を認めたくないようなのです。
詳しくは「味と心を守る会」のホームページやプレスリリースを見て頂いたら分かるかと思うのですが、現在の本店は本店ではないとか、一部店舗にマスターの味と心を守っていない店があるとか、色々と主張しています。まぁ外野から無責任に言わせて頂くなら「内輪揉め」です。邪推でしかありませんが、おそらく2007年の本店閉店と翌年の新本店開業あたりからその火種はあったことは、ディープなラーメン好きの方たちなら察する部分もあるでしょう。
マスターはラーメンの神様でしたが、お弟子さんたちは人間ですから、時には気に入らない事もあるでしょうし、気に入らない人もいるでしょう。それによってグループを離れることも理解出来ますし、同じ思いを持った人たちが新しくグループを作るのも当然でしょう。しかし、そこで今までいたグループに対して批判じみた事を書いたり、正統を主張したりするのは、実に不毛で下品な事だと思うのです。
詳しい事情は知らないですし、別段知りたいとも思いませんが、マスターの志と味を受け継いで守ろうというなら、それを常に自分自身の心に留めて、日々目の前のお客様に美味しい一杯を出す事だけに専念してればいいのではないでしょうか。お客様のこと、日々の営業のことを真剣に考えていたら、こんな瑣末な事に関わっている余裕なんて無いと思うのです。そして、少なくともマスターは、弟子たちがいがみ合っているような状況は全く望んでいないと思うのですが、皆さんはどう思われますか。
□クロスレビュー「必食の一杯」
一杯のラーメンを三人が食べて語る。北島、山路、山本の三人が、今最も注目しているラーメン店の同じ一杯をクロスレビュー。それぞれの経験、それぞれの舌、それぞれの視点から浮かび上がる立体的なラーメンの姿。今回は東京ラーメンストリートに6月オープンした新店「ソラノイロ-NIPPON」の「江戸式中華そば」を山路と山本が食べて、語ります。
「江戸式中華そば」800円