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北島秀一・山路力也・山本剛志 共同責任編集
「ラーマガ」THE RAMEN MAGAZINE
#056

・北島秀一・山路力也・山本剛志 共同責任編集
・2015年4月20日発行(月3回)4月第2号(通刊 第57号)

【目次】

■巻頭コラム
 「ラーメンの枠を超えろ」(山路力也)

□クロスレビュー「必食の一杯」
 らぁ麺とうひち@北大路「鶏醤油らぁ麺」

■ラーメン実食レビュー

【北島秀一】
  支那そばや 新横浜ラーメン博物館店@新横浜「醤油らぁ麺」

【山路力也】
  すごい!煮干ラーメン凪 五反田西口店@五反田「すごい煮干ラーメン」
  支那そばや 本店@戸塚「醤油らぁ麺」
  讃岐ラーメン はまんど湘南@長後「はまんど」
  ラーメン杉田家 千葉店@東千葉「和風新杉田ラーメン」
  博多一風堂 金沢香林坊店@野町「白丸元味」
  自然派ラーメン 神楽@野町「中華そば」
  麺屋 シマフクロウ@四条「新たまポタージュ」

【山本剛志】
  大喜@湯島「納豆中華そば」
  麺や渦雷@辻堂「中華そば醤油」
  はつみ@芳賀町「麻辣担々麺」
  麺屋三郎@一宮市「三郎二郎」
  まるの@一宮市「つけ麺少なめ」
  髙松@高岳「中華そば」
  喜多楽@東別院「今昔支那そば塩」

□拉麺人インタビュー 
 山本敦之(SOBAHOUSE 金色不如帰 店主)②
 『信長、秀吉、家康の3人を味で表現できたらかっこいいんじゃないかな』(聞き手:山本剛志)

■新連載:侃々諤々!
 『ストレート麺と縮れ麺、どっちが偉いのか?』

□告知/スケジュール

■編集後記


■巻頭コラム
「ラーメンの枠を超えろ」山路力也

 先日、面白いラーメンを続けて食べる機会があった。レビューで紹介しようかとも考えたのだが、通常メニューとして出されているものではないので、このコラムで触れようかと思う。

 一つは白金高輪にある和食店。芸能人なども足繁く通う、隠れ家的な高級居酒屋。数ヶ月前よりラーメンの試作を重ねていて、時折私も試食させて貰って意見させて頂いているのだが、今回はいつになく先方も気合いが入っている様子。そのスープは動物系不使用で魚と野菜を煮込んだもので、鮭などの魚の油が乳化して白濁している。醤油ダレは少し強めで乳化したスープをうまくまとめあげている。飲んだ締めの一杯という位置づけなので、具こそ無いものの、紫蘇や小梅がいいアクセントになっていた。麺はまだ既製品を入れているだけなのだが、このスープに合った麺を入れたら十分商品として成立するレベルになっているかと思う。これまで清湯だったのだが、よりラーメンらしさを求めて魚介のみの白湯を考えたらしい。かといって魚臭さなどは皆無に等しく、斬新な白湯になっていたかと思う。

 もう一つは新橋のフレンチ。シェフお任せコース一本のみで営業をしていて、客単価はおよそ30,000円ほどの高級店。こちらに5回以上来た客のみが注文出来る25,000円のコースの締めに時々ラーメンを出している。その時々で内容は変わるのだが、今回の一杯は今までにない概念のラーメンを作りたかったと熱く語るシェフ。麺は讃岐うどんの粉を使った自家製麺で、それを花山椒と半熟卵とともにまずは和えそばのように味わう。そこに豚の澄んだコンソメスープを注ぐと一気にラーメンに早変わり。チャーシューのかわりにはツキノワグマの仔熊の肉と、豚の頭を煮込んで作った「フロマージュ・ド・テット」。京都産の筍や山椒の葉もいいアクセントに。途中でラビゴットソースを溶かすと味に爽やかな酸味とパンチが加わり、仕上げには豚足で取った濃厚なピューレを注ぐとまるで豚骨ラーメンのように味わいが変化する。まるでフルコースを食べているかのような一杯は、確かに今までに食べたことのない体験であった。

 どちらのシェフもラーメンが大好き。そしてラーメンは自由に表現出来るから楽しいと語る。ラーメンはよく無限の可能性があると言われるが、意外にもその枠を狭めてしまっているのはラーメンを作るラーメン職人本人だったりすることも少なくない。和食とフレンチ、二人の料理人が見せてくれたラーメンの可能性。ラーメン店以外の分野からのアプローチによって、ラーメンの進化は加速度的に進んでいくのかもしれない。

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□クロスレビュー「必食の一杯」

 一杯のラーメンを三人が食べて語る。北島、山路、山本の三人が、今最も注目しているラーメン店の同じ一杯をクロスレビュー。それぞれの経験、それぞれの舌、それぞれの視点から浮かび上がる立体的なラーメンの姿。今回は3月20日にオープンした、らぁ麺とうひちの「鶏醤油らぁ麺」を山路と山本が食べて、語ります。

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らぁ麺とうひち@北大路
「鶏醤油らぁ麺」750円