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■「ラーマガ」本誌に載せきれなかったレビューを掲載する「ラーメンレビュー増刊号」です

 「ラーマガ」本誌では、各号で7件の個別レビューを掲載しています。遠征や連食などで、そこに収まらない私のレビューを、随時「ら~マニア共和国」で掲載します。

今回は8軒のレビューを掲載します。ラーマガ本誌と合わせてお楽しみください。
・昨年末に閉店した「とかの@佐野」。
・期間限定メニューや期間限定出店から3軒。
・12月の「ラーマガ」群馬遠征レビューで紹介できなかった1軒。
・ラーメンwalkerTV2のロケで食べた3軒。

□目次

1.巻頭コラムっぽいレビュー「閉店直前の"とかの@佐野"に行ってきた」

2.無料公開!期間限定品レビュー!
 ・TETSU@渋谷<TETSUグループで1月末まで販売中の冬メニュー>
 ・巌哲@早稲田<年末限定の塩鴨なんば、1/12にも販売予定>
 ・神仙@池袋<2/15で閉店!肉盛味噌に注目>

3.日帰り群馬遠征:完全版

 <本誌42号で「芝浜@桐生」のレビューを掲載
 <本誌43号で「玄@玉村町」のレビューを掲載
 <本誌44号で「千思萬考@玉村町」のレビューを掲載
 <本誌46号で「はたお商店@前橋」のレビューを掲載
 ・からっ風@大胡<無化調の鶏白湯を提供>


4.ラーメンwalkerTV2のロケで食べた三杯をレビュー

 ・かねかつ@川口<昆布の旨みが引き出されたスープの伸長に驚く>
 ・四つ葉@川島町<鶏の旨みが生きた醤油味がすっかり人気に>
 ・幻六@朝霞台<様々な素材をあわせてもすっきりした一杯> 



■巻頭コラムっぽいレビュー
 『閉店直前の「とかの@佐野」に行ってきた』

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【とかの@佐野】
ラーメン(600円)+餃子(400円)

 12月中旬「佐野の老舗"とかの"が年内28日で閉店」という情報をツイッターで見かけた。リツイートで拡散していたのは、ラーメン繋がりではない栃木県在住の人。閉店告知が撮影されていたので間違いないと確認し、私からも情報を発信した。

 「とかの」は佐野ラーメンを代表する有名店で1982年開店。私はラーメン食べ歩きを始めた1999年に一度食べたきり。「閉店直前の駆け込み訪問はどうよ?(ラーマガ18号)」というクロスコラムもあって悩みましたが、15年前の味の記憶はどうにも曖昧で、最後に食べておきたいという考えが勝って、12/19(金)に電車で佐野へと訪問。定休日は「月木」だから大丈夫だろうと思い、駅前で自転車を借りてまずは11時前に「とかの」の前にいくと「定休日」の看板だけが出ている。もしかして臨時休業?と思いつつも11:30まで時間があるので他の店で食べて、その後こちらに戻ってきたら、やっぱり営業していない。人もいないようなので諦め、その日は佐野市内のラーメンを5軒食べて、15時過ぎに店の前を通ると、スープの仕込みをしているのか、換気扇が回って匂いが漂っていた。平日の営業は難しいけど、土日は用意しなければと考えているのかな、と思いながら帰宅。

 そのまま諦めるのも何だか悔しいので、閉店前日の12/27(土)は覚悟を決めて車で出発。開店35分前の10:55に、11台ある駐車場の最後の1台に入り込み、店頭に並ぶ人たちの後ろに、16番目で並ぶ。14席なので二巡目確定。11時頃から徐々に増えていったが、開店5分前の11:25に、30人くらいが並んだ状態で開店。店員さんが途中で出てきて、餃子の数だけを先に聞いてくる。一巡目に入った人達がなかなか出てこなかったが、12時少し過ぎに店内へ。
 行列している人もそうだったが、店内のお客さんは我々のような東京から来たラーメン好きは少なく、地元の常連さんが多め。ご主人や店員さんにご挨拶したり、ご近所の話題をしているお客さんが多い。

 出てきたラーメンは、豚骨と鶏ガラを使いつつあっさり澄んだ佐野ラーメンならではのスタイル。やや強く感じる塩分が、青竹打ちでシコシコした食感の麺をどんどんと啜らせてくれる。ところどころ縮れつつ、ボコボコするほどではない麺の繋がり加減がちょうどよい。具には濃い味付けのメンマ、バラチャーシュー、そしてメンマ。定番のラーメンをしっかりと提供し続けてきた事を感じさせる。
 餃子を2人で一皿頼んだが、皮が厚めで肉餡もしっかり入った佐野ならではのスタイル。事前に注文を取っていたので、ラーメンを食べている途中の程よい時間帯で配膳された。ラーメンにしても餃子にしても、この値段で食べられる事に感謝するしかない。

 32年この店の主として一人で守り続けてきたご主人だが、73歳の誕生日である28日で閉店を決めたという。佐野では大箱になった老舗店と小規模な新鋭店が多いが、規模を広げず自分の味を守ってきた「とかの」の閉店は残念。佐野ラーメンの時代が一つ切り替わったと言えるこの年末でした。

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とかの
栃木県佐野市
2014年12月28日をもって閉店


□ラーメン実食レビュー

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【TETSU@渋谷】
黒中華(850円)
※1月末日まで販売

 「つけめんTETSU」グループの社内コンペによる季節限定ラーメン。夏の冷やしに続いて、冬も「温まるメニュー」というテーマで店長が考案したラーメンを、私や山路さん、レイラさんらが審査に参加して、勝ち抜いたのがこちらのラーメン。今回、「つけめんTETSU」グループのうち、品川店と「キンシャリ屋」以外の各店舗で提供されている。

 醤油ダレを濃い目にし塩分も多め、そしてたっぷりの生姜を加えて、暖まる一杯に仕上げている。これを考案した「きみはん新狭山店」の店長は知らなかったらしいが、「富山ブラックラーメン」との共通点も感じるが、都内にある富山ブラックラーメンを名乗る店よりも、本場のルーツに近い味のようにも思える。

 なのでかなりしょっぱい。そこで活用されるのが、セットでついてくるライスと生卵。ライスの上には「ガリ」も乗っているので、スープに混ぜてもよく、口直しにそのまま食べてもよい。ライスにスープをかけたり、生卵をスープに入れたり、その組み合わせ方は食べる側の自由。とはいえ、スープのしょっぱさを、ライスや生卵で和らげるのがメインになりそう。塩分と生姜で温まり、麺を啜りながら最後はライスで満腹、という楽しみ方ができる所で、楽しんでみてほしい。

生姜付き 寒さに負けぬ 濃い味を

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つけめん TETSU 渋谷店
東京都渋谷区道玄坂2-29-11
各線「渋谷」駅から徒歩5分


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【巌哲@早稲田】
塩鴨なんば(1,100円)
※年末限定。1/12(月祝)にも販売

 2014年に開店したばかりながら、様々な味で驚かせてくれた巌哲。年末限定で提供された限定が気になり、発売初日に訪問。店主が「麺哲」での修行時代にも年末に提供してきた限定ということで、今後も年末に提供予定との事。

 スープは鴨出汁に鰹の一番出汁をブレンドしたもの。油は松阪豚のラードにオレンジの皮で香りづけたものと、鴨の油を合わせて使用。チャーシューとして鴨ロースを使用しているが、オレンジ果汁を使って低温で仕上げたもの。鴨ミンチをフォアグラとあわせたつくねに、白ネギ、青ネギを乗せて「なんばん」状態に。ボルチーニ茸を乗せてオレンジの餡をかけて、辛味にホースラディッシュをトッピング。鴨の旨み、フォアグラの食感、オレンジの香りが渾然一体になりながら、決して何かが飛び出る事のない、バランスが取れた個性を感じさせるもの。

 麺はレギュラーのものだが、これも啜れば啜るほど味わいが深く感じられる。鴨ロースを口に含めば肉の食感が、つくねを噛みしめれば濃い味が、ネギを噛めばとろみが、スープの中から立ち上ってくる。これははっきり言ってすごい限定です。

 年末のみの提供だったが、1/12(月)の祝日限定としても販売するとの事。この機会に、ハイレベルな一杯を食べてみてほしい。

味釣られ 鴨がネギしょう 一杯に

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巌哲
東京都新宿区西早稲田1-10-4
都電「早稲田」駅から徒歩3分、東京メトロ「早稲田」駅から徒歩10分


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【神仙@池袋】
濃厚金沢味噌肉盛そば(900円)
※2/15(日)までの営業

 「石神秀幸厳選極み麺」の第三弾として、2014年5月から営業してきた「神仙」も1月まで…と思っていたら、2/15までの営業に延長されたらしい。まだ通常の中華そばしか食べていなかったので、もう一つの味である味噌を食べていなかったので再訪。

 濃いめのスープに加賀味噌をあわせ、その塩分や軽い甘さで一気に食べさせるラーメン。チャーシュー代わりに乗っている煮付けたバラ肉には、黒胡椒や唐辛子で味付けをプラス。濃いスープに濃い味噌ダレ、濃い肉を重ねているのでライスをつけたくなる。

 麺は中太麺を使用し、中華そばの細麺よりはマッチしている印象だが、もっと太い麺や平打麺などをあわせても面白かったかもしれない。中華そば同様、替玉については極細麺での対応。3種類の麺を用意しているのはなかなかできることではないかも。

 通し営業で分かりやすい味付けなので、若い人には営業期間終了までに食べてみてほしいかも。

金沢の 濃いとこ東京 痕をつけ

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金澤濃厚中華そば 神仙
東京都豊島区南池袋1-24-5 楽園タウン池袋店併設
JR線・東京メトロ線他「池袋」駅より徒歩3分