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北島秀一・山路力也・山本剛志 共同責任編集
「ラーマガ」THE RAMEN MAGAZINE
#025

・北島秀一・山路力也・山本剛志 共同責任編集
・2014年6月10日発行(月3回)6月第1号(通刊第26号)

【目次】

■巻頭コラム
 「"出身者"が知らないこと」(山本剛志)

□クロスレビュー「必食の一杯」
 ラーメン巌哲@早稲田「醤油」

■ラーメン実食レビュー
【北島秀一】
  徳島ラーメン 二代目ふじわら@池袋「徳島ラーメン並」
  らあめん花月嵐 子安店@子安「嵐げんこつらあめん」
  札幌ラーメンどさん子 和田町店@和田町「味噌ラーメン」
  陽気@広島市「中華そばニンニク入り」
  中華そば 紅蘭@下松市「チャーシュー麺並」
【山路力也】
  九十九とんこつラーメン 恵比寿本店@恵比寿「◯究トマトチーズラーメン」
  坂内食堂@喜多方「支那そば」
  ふく流らーめん轍@本町「煮干醤油らーめん」
  博多一双@博多「ラーメン」
  長浜ラーメン 名島亭@名島「ラーメン」
【山本剛志】
  ソラノイロ salt&mushroom@麹町「冷やし塩煮干し」
  あびすけ 西新宿7丁目店@新宿「台湾まぜそば」
  ととホンテン@立川「中華そば(醤油)」
  手打ちラーメン 恒@竜舞「中華そば(醤油)」
  うしおととり@太田「鶏しおラーメン」

□拉麺人インタビュー 
 小宮一哲<つけめんTETSU 店主>①
 「自分は『商売』に向いている」(聞き手 山路力也)

■クロスコラム
 『一般人とマニアの温度差』

□異論激論!
 『「地元の味」か「現地での味」か』

■告知/スケジュール

□編集後記


■巻頭コラム
「"出身者"が知らない事」山本剛志

 いつも聞きながらツイッターで参加しているラジオ番組に、先日石神秀幸さんがゲスト出演してラーメントーク。ツイッター内ではいつもラジオを聞いている人達の中でラーメントークが盛り上がったが、その中の一人から気になる発言があった。

(1)「1986年まで22年間、和歌山市から電車で30分ほどかけた所に住んでいたが、和歌山ラーメンなんて言葉も存在も聞いた事がない」
(2)「いわゆる鶏ガラのあっさり中華そばならあった」
(3)「和歌山ラーメンがブレイクした頃、地元のラーメン本を読んだが、定義やルーツが曖昧だった」

 この3つの意見で気付いた事が、それぞれにあった。

 まずは(1)。和歌山ラーメンブームは、1998年に北島さんも出場した「TVチャンピオン 日本一うまいラーメン決定戦」で石神さんが推薦した「井出商店」が日本一になった所から火がついた。それまではメディアで話題になる事も少なかったし、実際その方も、和歌山市内で外食するといってもファストフード程度だったとの事。自分の学生時代を振り返ってもそうだった。"出身者"といっても、特にネットが発達する前だったり、子供の頃の情報のアンテナはかなり限られている。

 続いて(2)の、「鶏ガラのあっさり中華そば」も認識が異なる。戦後すぐの時代から屋台で始まった和歌山の中華そばでは「醤油で煮た豚ガラ」が使われてきている。豚ガラをあっさり煮出したスープの「車庫前系」のラーメンを「鶏ガラ」と認識している可能性もある。ラーメンに詳しくない人にとって「澄んだ醤油味のスープ=鶏ガラ」という固定概念があるので、そう考えても不思議はない。ラーメン専門店以外の中華屋などでは鶏ガラメインのスープもあっただろう。

 そして(3)の、「和歌山ラーメンブーム直後の地元のラーメン本」。これは私も読んでいるが、ブームが続く中で初めて取材に動いた地元メディアが、定義やルーツについては確定しきれなかった部分があったと思う。そして、和歌山ラーメンのルーツについては戦前の出来事ゆえ、それを明かしたくない人もいると聞いている。全てを発表できない事情もあったものと思われる。

 ラーメンに関しては様々な情報が流れているが、流れたまま見えなくなってしまう情報も少なくない。特に歴史的なものは埋もれやすいので、今後自分がしっかりと調べなければいけない、と感じた出来事でもあった。


□クロスレビュー「必食の一杯」

 一杯のラーメンを三人が食べて語る。北島、山路、山本の三人が、今最も注目しているラーメン店の同じ一杯をクロスレビュー。それぞれの経験、それぞれの舌、それぞれの視点から浮かび上がる立体的なラーメンの姿。今回は4月20日、早稲田にオープンした新店『ラーメン巌哲』の「醤油」を三人が食べて、語ります。

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ラーメン巌哲@早稲田
醤油」750円