■「東京ラーメンショー2016」第二幕も行ってきた!
東京ラーメンショーは11/2(水)10:00から第二幕へ。早速行ってきました。今回も、食べたラーメンをどんどん更新していきます。
【02:鹿児島ラーメン豚とろ】
「半熟煮玉子入豚とろラーメン」
鹿児島市内でも有数の行列店「豚とろ」が東京ラーメンショーに初出店。豚骨をしっかり炊き出したスープをベースに、鶏ガラや鰹節などを加えている。濃厚だが油脂に頼らず、軽さも感じるスープには、たっぷりの揚げネギがアクセントに。半熟煮玉子も乗って、実はけっこうお得感ある一杯。
【03:麺匠真武咲弥×麺や虎鉄】
「札幌炙りあら味噌ラーメン」
札幌ラーメンの人気店として、国内各地だけでなく海外にも進出する「真武咲弥」が、道内に10店舗を構える「虎鉄」とコラボ。虎鉄が使う「あら濾し味噌」を使い、そのツブツブ感が、野菜と一緒に炙られて香ばしく。アツアツのスープに負けない玉子麵のプリプリさが、札幌ラーメンらしさを表現している。
【04:ラーメンまこと屋】
「限定 肉もり牛醤ラーメン」
牛骨ラーメンで知られる大阪の人気店。圧力寸胴で煮出した牛骨スープは白濁してまろやか。油を加えて食べやすくしているが、少し加えた豆板醤がアクセントに。今回は煮込んだ牛肉をトッピングして、「牛+牛」のインパクトを一杯に詰め込んでいる。肉盛りの店は多いが、牛肉で華を見せている。
【05:中華蕎麦 とみ田】
「山水地鶏そば」
福島の人気店が集まった「福島ラーメン組っ!獅子奮迅隊」。ここ数年は「福島鶏白湯」を提供してきたが、今年も福島三大地鶏を使った鶏白湯をベースにしつつ、会津美里町の伏流水を使った天然醸造味噌を使い、丁寧な旨みがスープ全体に広がって、他にない後味を実現している。
太縮れの熟成麺がスープの中でしっかりと主張している。具では揚げネギと挽肉が香りとコク、辛さをプラスしている。ナルトを乗せている玉子焼が、口の中に広がった様々な味を落ち着かせる箸休めになっている。「特製」トッピングでは味玉や川俣シャモのつくねが加わるので、更に鶏が楽しめる一杯になる。是非加えておきたい。
札幌ラーメンの名店「すみれ」で修業した、富山「つくし」と東京「大島」。なので札幌ラーメンの中でも人気を集める「純すみ系」の味をしっかり表現している。中華鍋でアツアツにしたスープは最後まで熱いので注意が必要。そのスープで炒められたモヤシ、挽肉などがたっぷり入る他、チャーシューに乗った生姜での変化も楽しめる。
今の札幌で人気を集める味噌ラーメンで、是非とも温まってほしい。
動物系素材に煮干しや昆布をたっぷり加え、あっさり澄んだスープには、サンマの香油をたっぷりと加えている。細縮れ麺がスープに絡んで、啜るごとにスープの味を引き上げてくる。シンプルに見えて奥深い味が、気持ちを三陸へといざなってくれる。
個人的な気持ちだけれど、「東京ラーメンショー2016」で最大の驚きは、佐賀の豚骨ラーメンの初出店。しかも名店「いちげん」らの店主が集って東京にやってきた、という事でこちらのテンションも上がる。ブースに掲げられた暖簾も「いちげん」。
佐賀から羽釜を持ち込み、ひたすらに煮込んだスープは匂いをしっかり出していて、好みは分けるかもしれないが私は大好き。丼になみなみと注がれているのも心地よいが、何よりも豚骨の骨太感を口に存分に感じる。中央に卵黄を乗せているので、中盤にそれを割り、麺に卵黄を絡めながら食べるのがオススメ。
トッピングの海苔は数量限定。焼き海苔と干し海苔があるが、オススメは断然「干し海苔」との事。市場に出ていない「一番摘み海苔」、海苔生産者であるいちげん店主の兄の協力を得て入手したとの事。あったら絶対にトッピングしてください!
「麺彩房」と「大山家」のコラボでは、例年あまり知られていないご当地ラーメンで東京ラーメンショーに出店。4回目になる今年は、愛媛県松山市の「瓢系」と呼ばれる地ラーメンを調べ、その味をベースにした「甘旨醤油ラーメン」を提供している。
澄んだ醤油色のスープだが、タレに「甘露醤油」と呼ばれる甘い醤油を使っていて、甘さをしっかり感じられる味になっている。「瓢系」のエッセンスを取り入れつつも、幅広い世代に食べやすいラーメンにブラッシュアップされている。チャーシューはホエー豚のバラ肉を使用し、この食べごたえもかなりいい。しっかり味が染みた味玉も嬉しい。
ここ数年、東京ラーメンショーに出店している大分県の佐伯ラーメン。4回目になる今年は味噌味での提供。「渡なべ」店主の渡辺樹庵氏が、何度も現地に足を運んで作り上げた味。濃厚な豚骨をベースに油やニンニクをがっつりと入れ、そこに味噌ダレも加えているが、どっちの味も負けていない。
私は去年現地で食べているが、確かに現地の味を感じる濃厚なスープ。シャキシャキのモヤシをアクセントにして一気に完食してしまいそう。
酒田のラーメン店が集う「酒田のラーメンを考える会」が今年も出店。あっさりした醤油味のスープはアゴ出汁を使い、鼻には香りを、舌には程よい酸味を感じさせてくれるものになっている。
そして酒田ラーメン最大の特徴は自家製麺。日清製粉の「麺無双」を使い、45%という多加水麺を3日間熟成させたものと事。
ラーメン処として注目を集める、長野県の人気店が集まる「信州麺友会」。今年は佐久市の名物「安養寺味噌」を使った味噌ラーメンを提供。佐久市では地ラーメンとして町おこしにも使用され、そのパンフレットもブースに置かれている。
「信州味噌」の発祥地でもある安養寺。長期熟成した味噌は、まろやかさを持ちながら塩分の尖りがなくなり、じんわりと温まる味噌ラーメンになっている。そのスープが絡んでくる麺も、啜るごとに旨みを楽しめる。
具には、たっぷりの豚肉をすき焼き状に仕上げている。また、豊富な野菜も味噌味に調和していて食べ飽きない。
岐阜と愛知の名店、「白神」「喜多楽」「かたぶつ」「あらき軒」が一堂に会したコラボ。今年は日本三大地鶏に数えられる「名古屋コーチン」をスープに使用し、鶏の旨みが強く出たスープに、岐阜県長良川の伏流水で仕込まれた醤油を使ったタレががっぷり四つに組んでいる。
炙った焼豚の香ばしさを感じながら、あっさりしていながら十分な旨みを持ったスープを楽しめる。肉類のトッピングも豊富なので、それを乗せていただくのが楽しそう。
【17:愛媛宇和島実行委員会】
「愛媛宇和島鯛塩そば」
※写真は「鯛」トッピング
曙橋の「鯛塩そば灯花」を中心に、東京と近郊のラーメン店がコラボして出店。それだけに「愛媛宇和島実行委員会」という団体名はどうかと思いつつも、宇和島から直送された真鯛だけを使った、澄んだスープを前面に出した味は流石。鯛の香りを立たせながら、じんわりとした塩味にまとめられている。あっさりした塩ラーメンは第二幕ではこちらのみになるが、その重責を、個性を出しながらもしっかりと果たしている。
焼いた鯛の身をトッピングしたが、これがスープに更なる香ばしさと旨みをプラスしている。
金沢「神仙」らが中心になって、東京ラーメンショーでも例年行列を呼ぶ、「濃厚味噌・肉盛そば」。今年は皇室に献上してきたという味噌も使用しているとの事。その違いがはっきり分かるわけではないが、味噌だけではない濃さをスープに感じる。そこに乗るバラ肉チャーシューの生姜焼きは脂がたっぷり乗って、インパクト抜群。一味唐辛子を一振り加えたが、これやおろしニンニクを乗せて、がっつりいってもいいかも。
山本剛志:ラーメン評論家、ラーメン王。1969年生まれ。東京都出身、東京都在住。TVチャンピオン第6回ラーメン王。KADOKAWA「ラーメンwalker」百麺人