北島秀一・山路力也・山本剛志 共同責任編集
【目次】
□クロスレビュー「必食の一杯」
■ラーメン活動月報(10月)
□告知/スケジュール
■編集後記
■巻頭コラム
『夢と希望と地域の誇り』山本剛志
毎年、「ただの客」として顔を出している東京ラーメンショー。今年は「日本ラーメンファンクラブ」のブース担当として顔を出しています。数年前の会場で当時のスタッフに「山本さん、そのおなかの中には何が詰まっているの?」と聞かれた時に即興で答えたのが「夢と希望と地域の誇り!」でした。東京ラーメンショーは、単にラーメンを集めたイベントではなく、各地域の店主がそれぞれが誇りを持って提供しているご当地ラーメンを、一堂に会したこの場で提供するという意味も大きく持っている。
今年の東京ラーメンショーでも、全国各地からラーメン店主らが集っている。中でも印象に残ったのが、佐賀の「いちげん。」らが提供している「佐賀ん豚骨ラーメン」。九州各地に広がる豚骨ラーメンだが、それぞれに個性を持っている。豚骨の髄が丼の底に残るほどの濃厚なスープだが、スープの口当たりは決してドロドロではなく、さらりとした中に豚骨らしさを詰め込んだ、佐賀だけの味。羽釜を佐賀から持ち込み、ゲンコツでぎっしり埋まった所がスープを出していた。卵黄が中央に乗り、佐賀県産の干し海苔をトッピングした事で、更なる香りが楽しめた。そんなラーメンが全国各地から集まっている。
ラーメンイベントが各地で行われるようになり、東京ラーメンショーの混雑もひと時ほどではなくなった。その事を持って「飽きられた」と語る事は簡単だと思う。会場でも、ラーメン店主やラーメン好きと会話をすると、ラーメンショーの運営に関わっていない私にも、このイベントをどう改善すべきか、様々な提案が寄せられている。もちろんそれは大事な話だが、今は各地の夢と希望と誇りを持って提供されているラーメンに対し、敬意を持って味わうしかない。11月6日の18時までは、それを優先させていただいています。
□クロスレビュー「必食の一杯」
一杯のラーメンを三人が食べて語る。北島、山路、山本の三人が、今最も注目しているラーメン店の同じ一杯をクロスレビュー。それぞれの経験、それぞれの舌、それぞれの視点から浮かび上がる立体的なラーメンの姿。今回は今年2月にオープンした「神田勝本」の「清湯つけそば」を山路と山本が食べて、語ります。
「清湯つけそば」830円