■「東京ラーメンショー2016」第一幕に行ってきた!
東京ラーメンショーが10/27(木)10:00に開幕。早速行ってきました。今回は、食べたラーメンをどんどん更新していきます。
現在の一風堂には「からか麺」はあるが、担担麺は新宿ルミネエスト店(ニブンノイップウドウ)だけの販売。今回レギュラーメニュー入りに向けて第一弾の「お披露目」を東京ラーメンショーで行った。
胡麻の味を抑えめにしつつも香らせて、じんわりと広がる辛さが後を引く。挽肉に山椒も加えていて、パクチーの爽快感が主張している。中細で軽く縮れた麺がスープを引き上げる。パンを入れてスープを染み込ませる仕掛けも楽しい。
細ストレート麺、一風堂らしさをもう少し主張してもいいと思うが、しっかり美味しい担々麺を持ってきてくれた。フィードバック用のアンケート用紙を配っていたが、これをブースに持っていくと、一風堂デザインのチロルチョコがもらえるという仕掛けもさすが。
【02:旭川ラーメン梅光軒×高田馬場ラーメン組合】
「元祖旭川ラーメン「激煮干し王」」
旭川ラーメンの老舗「梅光軒」が、激戦区の人気店が集う「高田馬場ラーメン組合」とコラボ。梅光軒の麺と醤油ダレを使い、油もしっかり感じる旭川ラーメンらしさを出しつつ、スープには煮干をたっぷりと使用。その香りが旭川ラーメンらしさを補強しているようでもあり、新しさも感じさせたりする不思議な気分。煮干好きならきっとハマるアツアツスープがポイントです。
【03:彩色ラーメンきんせい】
「なにわ黄金塩ラーメン 天草大王ver.」
大阪の名店「きんせい」が、今年は単独で出店。澄んだスープには熊本の地鶏「天草大王」を使い、濃密になった鶏のスープに負けないよう、魚介系もしっかりした旨みを出している。平打ちでピロッとした麺の食感も絶妙。スープを存分に掬いながら麺自体も存在感が抜群。トッピングも「たこ焼き」をはじめ色々用意されているけど、基本だけでも驚くほど美味しい。
【04:麺屋二郎×麺屋剛】
「鹿児島 あっさりスープのご当地豚骨ラーメン」
鹿児島の老舗「くろいわラーメン」出身という2店舗がコラボ。今回は「麺屋二郎」で出している味をベースにしているとの事。白濁しつつ、臭みや濃厚さはさほど感じずに、甘さをちゃんと感じる豚骨醤油味。麺はモチモチした存在感の中太麺を使用。たっぷりの青ネギと半熟味玉、そして分厚い炙りチャーシューが乗り、香ばしさだけでなく食感でも楽しめるようになっている。
【05:はじめぐみ(麺屋あがら)】
「和歌山ラーメン」(10月27日・10月28日)
今年のラーメンショーで唯一、2日ごとに味が変わるブース。「らあめん元」とその関連店ということで「はじめぐみ」。まずは「元」がプロデュースした「麺屋あがら」の和歌山ラーメン。濃厚だが臭みのない豚骨スープをベースに、カネイワ醤油の天然醸造醤油を使った力強いタレを合わせていて、「井出系」と称される味わいを期待する人に応える味になっている。
【05:はじめぐみ(らあめん元)】
「岡山鶏中華そば」(10月29日・10月30日)
※写真は「コリコリ鶏チャーシュー」をトッピング
このブースの中間2日は、板橋区の「らあめん元」による味を提供。普段は鶏を使った塩ラーメンだが、今回は醤油味、それも岡山市の老舗をイメージしたようなじんわりした味を提供。普段店では出していない味だが、醤油ダレの奥深いスープに中太麺も負けずに主張。モヤシと蒲鉾といった具材も老舗の空気を醸し出している。
トッピングしたのは「コリコリ鶏チャーシュー」。親鶏のやや固い所を煮ていて、その味付けが懐かしさを加速させる。笠岡の鶏チャーシューほどの固さはないが、普段ひな鶏しか食べてない人なら驚くはず。ラーメン好き、老舗好きなら是非追加しておきたい。
【05:はじめぐみ(らあめん広)】
「広島豚骨中華そば」(10月31日・11月1日)
このブース最後の2日間は、秋葉原の「らあめん広」が提供している「広島ラーメン」のスタイル。通常店舗よりも大きい寸胴で仕込んでいるとの事で、初めてのイベントに戸惑いを見せていたご主人だが、まろやかな豚骨スープに醤油ダレがしっかり入ったバランスは健在。モヤシも邪魔にならず、チャーシューの肉っぽさもしんなりとしていい感じ。
【06:新潟拉麺協同組合 燕背脂伝承委員会】
「煮干し薫る「燕背脂煮干し中華そば・改」」
※写真は岩のりトッピング
ラーメン処で、様々なご当地ラーメンを持つ新潟県。今回は県内の人気店や老舗が協力して、燕市が発祥の地で人気を集める「背脂煮干中華そば」をベースにした一杯を提供。たっぷりの背脂で湯気を立てないがスープはしっかり熱い。太麺はやや固めで力強さがある。煮干は強すぎず、背脂のインパクトをメインに置いた構成になっている。
太麺で茹で時間がややかかる為行列もできているが、ガッツリ食べたい時にマッチする味。是非食べておきたい。
【07:日本のラーメンを変える若手っぽい会】
「がんばろう熊本!天草大王地鶏中華そば」
東京の若手店主らが集う「(仮)日本のラーメンを変える若手っぽい会」が今年も登場。今年は大地震が襲った熊本支援を掲げ、熊本の地鶏「天草大王」を使用。利益を熊本県に寄付する事を公表している。
天草大王の澄んだスープは鶏の旨みを丁寧に出していて、醤油ダレがじんわりと広がっている。麺は九州産の小麦を使用し、全粒粉も加えた細ストレート。スープに馴染みつつ存在感がある。
当初はスープに「イカスミ入りマー油」をかけていたそうだが、これがスープよりも強く主張していたようで、今日からは基本はマー油抜きにして、希望によりマー油を入れるように変更したとの事。再食するならマー油入りだな。
【08:秋田稲庭中華そばの会】
「焙煎“ごぼう”香る味噌の稲庭中華そば」
※写真はセリトッピング
ここ数年、醤油味で東京ラーメンショーに登場してきた「稲庭中華そば」。東京の「麺や七彩」「しながわ」、千葉の「魂麺」に、大阪の「ストライク軒」も加わった今年は、初の味噌味で登場。看板の「け。」という文字がインパクトを集めているが、これは、「食え」という意味の方言。
稲庭うどんの名老舗「佐藤養悦本舗」が作る稲庭中華そばを滑らかに茹で、柔らかい旨みを感じる味噌味のスープにマッチ。なめこのとろみがじんわりとした旨みを感じさせる。焙煎ごぼうの食感がアクセントになって、味の強さではなくバランスで印象に残る味にまとめている。トッピングしたセリで味の印象を壊すことなく舌をリセットさせてくれるので、最後まで飽きずに楽しめた。
【09:らぁ~めん京】
「京都ぎをん 芳醇鶏そば」
昨年も出店した京都祇園の「らぁ~めん京」が今年も出店。昨年は「濃厚鶏白湯」だったが、今年は「鶏ガラ豚骨醤油」。醤油ダレや背脂なども加わっていて、滑らかな味にまとめられている。ハリのある中太麺が旨みあるスープをしっかり拾い、しっとりした鶏チャーシューと、香ばしい焼竹の子とのコントラストもなかなか。正直な話、今年の味の方が好みだなぁ。
【10:風来軒】
「宮崎風来軒濃厚とんこつラーメン」
昨年も出店した宮崎ラーメンの名店。「無鉄砲」の師匠として知られる店だが、こちらも豚骨と水だけで煮込んだスープが特徴。前日設営の日にトラックから納品される豚骨を見かけたが、ひたすらに豚骨の部位ごとに運び込まれていた。このスープが濃厚で、濃い醤油ダレにも負けていない。店舗に負けないインパクトをイベントで味わえる貴重な機会。こってり好きなら是非。
【11:麺屋政宗×らーめん なると家×らーめん 五ノ風】
「伊達の炙り牛タンネギ塩そば」
例年ラーメンショーに出場する、宮城の店舗によるコラボ。仙台名物の牛タンを炙り、「おとうふ蒲鉾」の上に乗せている。この牛タンが柔らかく、澄んだスープもあっさりだけじゃない、魚介の旨みをしっかり取り入れたスープになっているので、単なる「牛タン乗せラーメン」にはなっていないので、幅広い世代にオススメの一杯。
「けいすけ」グループの出身で、札幌で人気を集める味噌ラーメンの人気店。今回は伊勢海老を使用しているとの事。実際、丼からは海老の香りが存分に感じられて、食欲をそそられる。黄色い縮れ麺や、スープに沈んだ炒めたタマネギが札幌ラーメンらしさを引きたてている。アツアツのスープには生姜も乗っていて、さっぱりと食べられる。
【13:エビスコ酒場×えびすこ】
「アサリの旨味塩中華そば」
格闘家による新宿の「エビスコ酒場」と富山の「えびすこ」によるコラボが今年も東京ラーメンショーに。「えびすこ」をプロデュースした、「渡なべ」の渡辺樹庵氏が今年も味を監修。塩味のスープはアサリを存分に感じる鮮魚系スープ。生臭さはないが、アサリ好きの為の一杯。アサリの餡を浮かべていて、これをスープに溶くと更にアサリの味が強くなる。そして、ニンニクもたっぷり使っているのが個性的で、「アヒージョみたい」という声も。見た目よりもガッツリした味が楽しめる。
【14:チーム静岡】
「肉が盛りもり手火山中華そば ~潮と醤油の合わせ味~」
静岡の人気店がコラボする「チーム静岡」が、今年も東京ラーメンショーに登場。今回は「鉄腕DASH」のラーメン企画でも登場した、昔ながらの作り方を守る手火山の鰹節を主役に据えて、スープの上には削りたての手火山を乗せている。麺は京都の麺屋棣鄂の細ストレートで、パッツンした食感。スープは塩と醤油をブレンドしていて淡い印象。
炙りたてのチャーシューをたっぷり乗せていて、具だくさんなのも嬉しい。
【15:新旬屋 麺】
「金の鶏中華」
山形県新庄市に本店を置く「新旬屋麺」。山形の蕎麦屋で人気の「鶏中華」を、ラーメン店の解釈で再構成した一杯。スープに鶏の旨みを存分に出し、鶏油のこってり感で力強さを出している。ピロピロした多加水麺は、山形産小麦「ゆきちから」の力強さもあって心地よく、鶏肉をたっぷり乗せた具は、シンプルだけどスープと絡み合う食感が予想外の広がりを持っている。
スタンダードな見た目に隠された、鶏の実力を楽しめる一杯になっている。
滋賀の人気店「にっこう」と「チキン野郎」によるコラボ出店。石田三成ゆかりの味噌を使用。黒が映えるスープに驚くが、見た目ほどのしょっぱさはなく、素直に飲めてじんわりと甘さも感じるもの。麺が力強さを出し、湯通しした白菜も印象に残る。具では他に、鴨肉とニラがふんだんに使われて、家族連れにも喜ばれそう。
【17:らーめんキラメキノトリ】
「京都鶏白湯」
京都で4店舗を抱えるグループの旗艦店「キラメキノトリ」の鶏白湯が東京ラーメンショーに初登場。鶏白湯は近年東京近郊で急増しているスタイルだが、やはり京都の鶏白湯は違うなぁ、と感じさせてくれるスープ。ザラザラした食感にとろみも負けずに出ている鶏がどんどん絡みついてくる食感は、どことなく「天下一品」を思わせる。中太ストレート麺がスープの中でしっかり主張し、一気に食べさせてくれる。京都に根付いている鶏白湯は、東京で食べられている鶏白湯とはちょっと違う。まずはその点を味わってみてほしいです。
【18:ど・みそ×角栄】
「越後味噌中華ソバ~雪国新潟米麹の香り~」
味噌味で人気の京橋「ど・みそ♪」と、代々木「角栄」によるコラボ。伝統的な製法で作られた越後味噌をベースにしたスープはしっかりした旨みを持つ。そこにたっぷりの生姜が加えられているのがポイントで、生姜醤油も提供している「角栄」のイズムを感じる。温まるが辛くない味噌味を存分に楽しめる。
■第二幕も「東京ラーメンショー速報」!
もちろん第二幕も、この「ら~マニア共和国」で、ラーメンショーの模様を伝える速報版を作成します。ご活用ください。
第二幕:2016年11月3日(木)朝公開予定。随時追記予定。
山本剛志:ラーメン評論家、ラーメン王。1969年生まれ。東京都出身、東京都在住。TVチャンピオン第6回ラーメン王。KADOKAWA「ラーメンwalker」百麺人
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