北島秀一・山路力也・山本剛志 共同責任編集
【目次】
□クロスレビュー「必食の一杯」
■連載コラム(第28回)
『ラーメンの憂鬱』〜美味しいラーメンより美味しそうなラーメンを(山路力也)
『教養としてのラーメン』〜戦後ラーメン史(3)~屋台・食堂・甘味処・町中華~(山本剛志)
□告知/スケジュール
■編集後記
■巻頭コラム
「もう一度食べたい思い出の店」北島秀一
「もう一度食べたい思い出の店」……。考えながら列挙すれば、おそらく50軒や60軒じゃすまないだろうが、それを全部書いていたら「ラーマガ北島増刊」を出さなければいけなくなってしまう。で、その中で一軒のみ。このお題を見て最初にぱっと頭に浮かんだのは、渋谷区神泉にあった「芳来」。確か閉店は2004年。場所は現在「うさぎ」が営業しているあたりだったと記憶している。私が一番通ったのは1995年頃だったかな。
このお店は基本的にはざっかけない街の中華食堂で、ラーメン以外の定食や一品も充実していたが、何と言っても特徴は当時首都圏では珍しかった青竹打ち麺を使っていた事。いわゆる中華料理店の、大きな特徴は無いがバランスの取れたスープに入ったこの手打ち麺が、独特のずっしりした密度感とざらっとした舌触りで強い存在感をアピールしてくる。個人的に「ラーメンは麺が大切」と最初に強く意識したのはここのラーメンを食べてからだったと思う。
白河や佐野のような、地元で広まったスタイルではなく、またラーメン専門店が研究の末に他店との差別化の為に打ち出したのとも違う。ごくごく普通の中華食堂が、自然体であの青竹打ち麺を出していたと言うのは実は凄い事だったんじゃないかなと今にして思う。あの、緊張感の無いリラックスした店内で気軽に食べられた芳来の手打ち麺。もう一度食べてみたいなあ。(ラーマガ030号より転載)
□クロスレビュー「必食の一杯」
一杯のラーメンを三人が食べて語る。北島、山路、山本の三人が、今最も注目しているラーメン店の同じ一杯をクロスレビュー。それぞれの経験、それぞれの舌、それぞれの視点から浮かび上がる立体的なラーメンの姿。今回は新宿東口にある「熊本ラーメン桂花」の「太肉麺」を、山路と山本が食べて、語ります。
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