この二重行政が続くことで大阪の発展が阻害されたままとなり、場合によっては、そう遠くない日に経済規模や発言力でも名古屋(愛知県)や横浜(神奈川 県)に追い越されるのではないかと感じた次第です。日本第2位の都市とはいえ既に衰退の兆しがみられており、財政面にも不安が増しています。
既存権益を守りたい府や市の職員、関係者、そして何より主要政党の地方議会が結託して自分達の政治生命維持(既得権維持)の為に(構想に賛成した若い世 代の)大阪府民を、そして国民全体を犠牲にしている構図とみます。投票行動からも既得権を持った有権者が反対に回ったことが読み取れます。日本国全体の縮 図として、この街が今後どのような方向に進んでいくのか見守りたいと思います。
変化を捉えられない、変われない経営が衰退して行く様を我々は企業投資を通じて学んでいます。
成功体験に驕り、需要予測を見誤ったシャープ。そして過去に成功した液晶事業にしがみ付くことでその他の大事な事業をも失っていきつつあるように見えます。
2007年の堺工場への投資がリリースされた頃、懇意にしていた外資系のファンドマネジャー氏が「あんな投資をしたらシャープは潰れちゃう。」「競合も参入してきているのに、それほどの需要があるのか?」と言っていた言葉が想い浮かびます。
成功体験や既得権を捨てきれず変化に対応できない経営、変化できない政治や行政が時間をかけてじわじわと組織を蝕み、そしていずれは自身を破壊します。 変われないが故の消去法で生まれる経営陣や政権が組織を立て直すことも至難であると言わざるを得ません。この辺りにも心掛けて投資をしていきたいと考えて います。
余談ですが、関係主務省への届出や報告書作りのお手伝いをする機会がありますが、官庁相手の仕事は本当に無駄だらけです。何せどんな些細なことでも全て を書面に落とし込まなければ相手にしてくれません。簡単なことや業界常識的なことは口頭で説明すれば済むと思うのですが書面でなければダメなのです。
各担当官がその企業や業界を知るためもあり書面提出を指示するのでしょうが、2年前後で定期異動してくる(その業界や会社を知らない)素人担当官に対して、新たな届出や簡易な法令違反であったとしても詳細な書面を作成せねば受け付けません。
例えば法令違反(と言えるかどうかも不明なものも多数)が発覚した際に、実際に彼らは何をするかと言えば、会社担当者(総務担当など)に提出させる報告 書などのドラフトを元に、それこそ誰が読んでも理解できる程の書面に仕上げる指導(やり取り)を延々と、場合によっては数か月以上も掛けてします。そして その中には法令の拡大解釈ではないかと思われる程に都合の良い(自分達が責任を取らないで済む)文面に仕上げさせ、そして提出させるのです。彼らはこれが 仕事だと考えています。
キャリアが長く現場を知っている担当官であれば説明の必要も無い事柄なのに、恐らくは若い人の勉強の為もあり?関係法令の拡大解釈をゴリ押ししてでも完 璧な書面を完成させる仕事です。もちろんキャリアであっても殆ど省庁内または出先機関の机から離れないのですから本当の現場は分からないはずなのに、サジ 加減ひとつで業界を動かすことが出来るとの驕りもあってか?分かっているフリをする担当官も時々見かけます。性質が悪いと言わざるを得ません。
大半が法学部出身者である故か?法令解釈はもちろんのこと、文章作成に長けていて一言一句を指導する訳ですから時間がかかります。それだけの時間を費やして作成した届出書面の大半が恐らくは奥の棚にしまい込まれたままになるのでしょう。
何故なら、それほど重要とも思えない程度の法令に抵触した、または担当官の判断で抵触しているかもしれないとされた事柄に対して書面提出を強要されるものが大半ですから、言い換えれば、こんなもの出さなくても何も変わらないものばかりだからです。
しかも企業担当者によると官庁担当者間ではこれら過去の提出書面などを使った申し送りも殆ど出来ていないし、活用もされていないと言います。何故なら毎 度まいど同じような書面の提出をさせられるだけで何も変わらないからです。要は役所担当官の気休め程度、仕事をしたとの実績作り程度のものでしかない行政 指導だからです。
合理的に考えればこんな無駄を省くためには、違反に応じて罰則を厳しくするだけで良いのです。抑止効果が増し業界は改善します。また影響の少ないケアレ スミスによる法令違反なら簡単な注意程度で間に合います。善良な業者であれば意図的に違反をしようとは考えていませんから、悪意を確認できた業者の違反の みを厳しく罰する法令を作れば良いだけなのです。
でも何故に作らないのか?文章を作成して残すのが彼らの仕事ですから、文書作成作業が減り行政の仕事が減っては困るため、彼らはそのような時代に即した法令は作らないようにしています。また、中途半端な法令にしておくことで彼らの裁量の余地も残すことが出来るからです。
彼らは法令作りのプロです。自身に都合の良い内容を(政治家に分からないように)法令に盛り込むことで、その法令を元に作られる政省令を自在に使い回し、自分達の権益(既得権)を維持します。
そんな中でもし自分達役所関係での不祥事が発生した際には、それこそ迅速に、国民に分かり辛い方法でさっさと処理されます。
分かり易い例が、民間では会社の金を使い込めば「横領」ですが、役所の場合には「私的流用」など軽い言葉に言い替えられます。その後に「流用した金は返 還された」「訓告処分または厳重処分となり1か月間1割の減給処分となった」または「依願退職した」などのニュースが出てお終いです。
民間ならあれやこれやとメディアに追いかけられ、当人は懲戒解雇となり、会社の監督責任が追及され、再発防止策(悪意を持った職員が居れば抑止は無理で すし、そんな神業があるなら教えて欲しいくらいですが)などの書面提出を強要され、管理者も責任を問われます。大騒ぎです。でも役所の場合には余程の重大 事件でない限り役所の誰かが責任を取ったなど聞いたこともありません。酷いものです。
もし大阪都構想が賛成多数で承認され行政の効率化が図られれば彼ら官庁の仕事は激減すると思います。橋下知事や維新の会の攻撃から(用の無い書面を作る などの作業だけで権限を維持できる天国のような)終身雇用の職場を守ろうと一致団結した事でしょう。予算執行権を使って族議員も総動員しつつ。
このような官庁関係の仕事をお手伝いする度に「もうこの国はダメかも?」と言う気持ちが徐々に確信に変わっていきます。このような硬直行政が続けば、日銀がどう奮闘してもバブルは必ずどこかで終わり、そして円はもっと売られる(国力が低下する)と思います。
このことをしっかりと意識して投資に取り組むべきなのでしょう。
(街のコンサルタント)
(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。また、当該情報は執筆時点での取材及び調査に基づいております。配信時点と状況が変化している可能性があります。)
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