収益性の向上を先取りした株価形成が見られましたので、致し方ないですが、もう少し株価の上昇に持続性があれば関心は高まるでしょう。
今後、多くの3月期決算の企業が第3四半期決算を発表してきます。円安メリットや原油価格の値下がりによる恩恵をどう受けたのかなどポイントは企業によって様々です。
企業業績は消費税増税後のマクロ経済の停滞局面を抜け出して新たな展開が期待される状況となり、それが企業業績にどのように反映されるかに注目が集まっています。
企業業績は最終的にEPSの変動に至りますので業績見通し次第では現状のPERが低下してきますので、株式相場にもインパクトを与えるものと考えられます。
但し、今期の決算見通しをどんどん上方修正するような動きではないので、悲喜こもごもの株価変動が想定されます。
最近では丸紅(8002)が原油価格の下落から特損計上で大きく業績を下方修正するなどエネルギー関連の企業を中心に業績の先行きが不透明で株価もやや 下値を模索している感じがします。日揮(1963)や荏原(6361)がその典型ですが、反対に地熱発電関連の第一実業(8012)が高値圏で頑強な値動 きを示すなどエネルギー関連銘柄もまちまちの動きです。
投資家の発想は原油価格の下落、LNGや石炭などの他の化石燃料の下落で影響を受けやすい銘柄の決算に警戒し、これが大手商社や日揮、荏原などの株価停 滞にもつながり、更には原発関連の東芝にもネガティブな評価を与えているのではないかというのがうがった見方かも知れませんが現在の相場の潮流になってい るのではないかと思われます。
一方で強い値動きが見られる神戸製鋼(5406)は時折見せる短期調整を経て見事に上昇トレンドを維持しています。また、業績の下方修正で調整傾向に あった昭和電工(4004)も12月期決算の発表の接近とともに次期の決算の期待もあり徐々に上昇傾向に復帰しつつあります。
原油の値下がりで原材料安の恩恵を受ける帝人(3401)、東レ(3402)などの化学、合繊メーカーなどの株価はこのところ堅調です。
このように個別銘柄の相場は良い悪いが分かれてきています。
通期業績の上方修正期待の中小型銘柄としてはテノックス(1905)や平田機工(6258)などがあります。第2四半期までの過去の決算に比べ進捗率が高いことから、第3四半期決算の発表時に上方修正の余地があります。
但し、第3四半期の発表時に通期を修正するには、これらはまだ勇気が足りない保守的な企業です。マクロ経済がどうだとか理屈を並べては四半期決算の堅調 さを感じていながら通期を据え置くことが考えられます。これらに限らず投資家は期待先行で株価が堅調になっている可能性もありますが裏切られる可能性も あって、ここでの投資家のスタンスは慎重になっている可能性もあります。
3月期決算企業の第3四半期決算が市場でどのように折り込まれていくかを見守りながら、2月上旬の株式相場に臨むことにしたいと思います。
(炎)
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