現在の市場状況(ファンダメンタルズなど)は概ね既知のことと思われますし、バブル崩壊的な悲観論が広まるにはまだ随分早いと感じますが、投機家たちは 何時の日に於いても常に、何が何でもマーケットを動かし利益機会を得ようと虎視眈々と狙っている訳ですから、彼らの意図的な相場操縦の餌食にならないよ う、自分なりに全体の流れを掴む努力は怠れません。
我々一般の投資家が彼らの行動に巻き込まれず冷静に投資を続けていく為にも、十分な余裕資金の範囲で且つ時間を味方に付けていく作戦を執る他はありません。彼らの最大の弱点は期限のある時間でもありますから。
細心の注意を払い、市場が弱気に支配されたタイミングで十分な余裕を持って投資に参戦できるような準備が最も大事なのだと思います。
目先的には米国QE3が終了することを材料(既知の事)に売り込まれているのですから、押し目買い第一弾のタイミングと考えています。NISA口座をお 持ちの方なら、このような機会を捉えて例えば業績の良い自動車関連銘柄や商社、輸出電気関連、ITなどの主力銘柄を保有するチャンスなのではないでしょう か?
さて、今年に入ってからは新興国の、中でも中南米の経済状況が低迷しているとのニュースが増えています。中南米に於ける今年度の域内経済成長率は2%前 半と、主要輸出品目である鉱物資源や穀物などの価格下落により、リーマンショック後の2009年のマイナス成長以降から俯瞰して見ても伸び悩んだままで す。ブラジルを例に取ると分かり易いのですが、2008年前半までの中国の需要拡大に牽引され経済が順調に伸びていた時期に構造改革を怠ったツケが今に なって響いていると言うことなのでしょう。
まるでバブル期(1990年前後)の日本に似ていますね。ブラジルも日本同様、資源高で潤った金を使いバラマキで票を奪い合っていた構図です。
何処の国も似たり寄ったりで、中国はリーマンショック後に40兆円ものバラマキで景気低迷による内政の動揺を抑え、ロシアは高騰した天然資源から得た利益をばら撒くことで政権強化に利用しました。
これらも日本のバブルも全て、言い換えれば特需みたいのものですから、この特需で国家運営を続けられると言うほど甘いものではないはずが、人間(為政者)の欲が理性を失わせた結果なのでしょう。
大国であるブラジルやアルゼンチンなどがこれらの事情により低迷しているものの、新興諸国における労働人口の増加や米国景気の回復、一方で各地での紛争 が悩みのタネではあるものの、徐々に世界経済が安定に向かうなどすれば、いずれは数%以上の成長軌道に戻るのでしょう。中でもメキシコやコロンビアなどは 外資への市場開放など、構造改革を進めている地域は5%以上の成長率を回復しています。G20諸国の中で将来が有望な国は幾つもあります。
世界的にバブルの芽が育ちつつある現状を踏まえれば、今後数年間に渡って本当のバブルの時期が到来する可能性が高くなってきました。欧州と日本には今後 数年程度は緩和の手を緩める要因は見当たりませんし、米国も景気回復の進展度合いから見ても引き締めに動けるまでにはあと1~2年は要しそうです。新興国 の代表格である中国も国内景気に懸念が出てきています。世界的に相応のバブル発生への準備が整いつつあると感じます。
さて、これから最もパフォーマンスを高めることが出来る運用とは何だろう?と考えるべき時と思います。投資すべきは国力が伸び悩む日本や欧州の資産ではなく、先進国では米国であり、成長期待の高い新興国のどこかではないか?という風に。
いつまでも円資産に頼っている(円資産ばかりだ)と、このバブルが崩壊した後には相当のパフォーマンス悪化に晒される懸念があると考えています。
(街のコンサルタント)
(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。また、当該情報は執筆時点での取材及び調査に基づいております。配信時点と状況が変化している可能性があります。)
コメント
コメントを書く