商いは低調で盛り上がりを欠く展開でしたが、米国株式市場でNASDAQ総合株価指数が約14年ぶりに高値を付けるなど米国株の上昇、為替市場での円安 の進行などにより、投資家心理が改善。ゲーム、建設などテーマ性のある銘柄の循環物色が続きました。下値には公的年金の買いが入るなか、個人投資家の買い 意欲は旺盛であり、海外投資家の中長期的な資金も流入しているようです。
欧州の景気減速、地政学リスクの高まりなど、海外情勢が不透明ななか、上値追いには慎重な雰囲気が強いだけに、来週以降も、中小型株の循環物色が続くのではないでしょうか。主力の大型株は基本的に押し目買いスタンスかと思います。
こうしたなかで、鉄鋼原料(鉄鉱石、原料炭)の国際価格、原油の市況など、資源・エネルギー市況の低迷が目立ちます。鉄鉱石は、スポット(随時契約)価 格が足元、1ドル=92ドルと約2カ月ぶりの安値に低迷しています。資源メジャー大手が増産ペースを緩めないなか、中国の景気減速に伴う需要減などが影響 しています。中国では不動産価格の下落が今後、建設投資を下押しすることで、鋼材需要の伸び悩みが続く可能性があります。原料炭を含め、鉄鋼原料の市況は 下値模索が続くと予想します。
原油市況は国際指標の北海ブレント原油が、一時101ドル台まで下落し、約1年ぶりの安値をつけました。欧州の景気減速に伴う需要減少、リビアでの主要 港からの原油輸出の再開などの供給増などが影響しているものと思われますが、中東諸国の政情不安は長期化する可能性があります。下値は限定的であり、再度 の上昇の可能性はあるものと考えます。
(水島寒月)
(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。万が一、事実と異なる内容により、読者の皆様が損失を被っても筆者および発行者は一切の責任を負いません。)
コメント
コメントを書く