■一撃必殺:百回戦争をして百回勝利を得るのは最高に優れたことではない■
◎(何回も投資をするのではなく、出来るだけ少ない投資回数で多くの利益を上げる)
<敵国を傷つけずにそのままで降伏させる>
この孫子の言葉は、
★「売買回数は少なければ少ないほど良い」
という、世界一の投資家ウォーレン・バフェットの金言と重なります。
バフェットが<しけモク投資家>とよぶ人々=短期の利ザヤ稼ぎを目的とする人々=デイ・トレーダー達は、売買(戦争)の回数を多くして、たくさん勝つことが良いことだと信じています。
しかし、「勝利」にとって重要なのは量では無く質です。
孫子は常に、不必要な戦争は兵力や国力の無駄使いになるとして、戦争そのものを行なわないよう戒めていますが、それだけではありません。
もし戦争をするのであれば「一撃必殺」で必ず勝利しなければならないと説きます。やたら手数を多くすればいいというわけでは無いのです。バフェットは、このことを、
★「熟慮して行ったたった1回の投資で成功できないのであれば、それよりも集中力が劣った何百回もの投資で成功できるはずが無い」
という言葉で表現しています。
例えば、バフェットはたった1回の(実際には複数回にわたっているが、買った株は手放なさい)ワシントンポストやコカ・コーラなどの「永久保有銘柄」と 呼ばれる企業への投資で巨万の富を築いています。つまり、たった1回でも正しい判断をすれば、後は新たな投資(戦い)をしなくても投資家(国民)は豊かな 暮らしをすることができるのです。
ところが、毎日売買を繰り返す、しけモク投資家が大金持になったという話は聞いたことがありません。彼らが、バフェットが一生かけて行う取引の回数を、1週間・2週間程度で行っているにもかかわらずです。
結局、万が一100戦連勝したとしても、それは100回も戦わなければならなかったということです。一撃で相手を倒せないために、無駄な戦いを続けてい るにすぎません。さらに、実際のところは、100戦連勝などあり得ないことですし、100戦で兵力が疲弊しているところに、気力充分で一撃必殺の勢いで やってくる101戦目の相手に遭遇し、大敗喫することになるのが関の山です。
投資でも戦争でも次の戦いをする必要が無いように「一撃必殺」で相手を倒すことこそが理想なのです。
(OH)
★「バフェットからの手紙」に学ぶ(2014)大原浩著 昇龍社<Kindle版>
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★「バフェットからの手紙」に学ぶ(2013)大原浩著 昇龍社<Kindle版>
http://goo.gl/iz1GUV
(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。)
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