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財政経済諮問会議の内容~その2

2014/03/06 15:21 投稿

  • タグ:
  • 億の近道
  • 財政
  • 小屋洋一
  • 中長期の経済財政に関する試算
  • 内閣府
前回お伝えした、内閣府において発表された「中長期の経済財政に関する試算」について。

 前回は、今回の試算に当たって

メインシナリオは

GDP名目成長率が3.6%
GDP実質成長率が2.1%
物価上昇率は2.0%

というシナリオで作成されています。

ちなみに慎重シナリオでは

GDP名目成長率が2.1%
GDP実質成長率が1.3%
物価上昇率は1.5%

と控えめに作成されています。

そして例えば2001年~2010年の実績値は

GDP名目成長率が▲0.1%
GDP実質成長率が0.9%
物価上昇率は▲0.2%

ということで、実績値と比較してもかなり楽観的なシナリオ作成によって今回の議論が進んでいると言う指摘をしました。

そして試算の結果は

1.メインシナリオ(経済再生ケース)

 国際公約をした2015年で財政赤字半減についてはかろうじてクリア
(2015年にはGDPの▲3.2%に収まる、国際公約は▲3.3%)

 国際公約をした2020年に基礎的財政収支はゼロにすることは難しい
(2020年にはGDPの▲1.9%の赤字)

 長期的な国・地方の債務残高は対GDP比で減少傾向


2.慎重シナリオ

 国際公約をした2015年で財政赤字半減についてはかろうじて未達
(2015年にはGDPの▲3.4%になる、国際公約は▲3.3%)

 国際公約をした2020年に基礎的財政収支はゼロにすることは不可能
(2020年にはGDPの▲3.1%の赤字)

 長期的な国・地方の債務残高は今後も対GDP比で増加傾向

という結果になっています。

 今回の試算では当然今後の消費税の増加、財政の圧縮などの話は折り込まれている話ではあります。


ここからは完全に筆者の意見ですが、

1)成長のシナリオが甘い

 2001年~2010年の実績値を見ても明らかですが、メインシナリオにしても慎重シナリオにしてもこれまでの日本の経済成長からするとかなり高い設定になっています。

 アベノミクスでこれらのシナリオを実現すると言う話ではありますが、肝心の第3の矢「成長戦略」が全くの足踏み状況で、経済成長に必要とされる施策が打ち出されているようには到底感じられません。

2)物価上昇シナリオは妥当か?

 今回のシナリオで物価上昇は、日銀が宣言している「物価2%上昇」を前提条件としています。「物価2%上昇」は日銀の審議委員の中でも意見が分かれるところであるぐらい達成には疑問符がついています。

 個人的には日銀の金融政策によって2%を達成することは可能であるとは思いますが、その時に長期金利をはじめとする金融環境が落ち着いているかどうかには疑問符が付きます。
(つまり急激な長期金利上昇が不安材料であると言う事です)

3)経済成長を果たせば長期金利は上昇する

 今回のシナリオで長期金利の推移は

2014年 1.0%
2015年 2.1%
2016年 2.4%
2017年 2.8%
2020年 4.0%

と徐々に上昇していくシナリオを描いています。

 もちろん長期金利自体が上昇していくことは経済にとって必要な事でもあり景気回復の証のようなものですが、一方で住宅ローン負担者である個人について心配をしてしまいます。

 多くの個人は変動金利で住宅ローン借り入れを行っており、今回のシナリオ通り金利が上がっていくとすると、この7年間で3%以上の金利負担が重くなり、これは個人消費にかなり大きな影響を与えると考えられます。

 もしも素直にこのシナリオを信じるのであれば、個人投資家の皆さんは、株式を購入し、住宅ローンを固定に切り替えておいた方が良いと思いますよ。

4)今後も増税は避けられない

 いずれにしても、経済が回復しなくても回復しなくても、現状のままでは財政赤字を解消するような状態には程遠いと言う事が明らかになりました。

 今後は社会保障政策の見直しと同時に、やはりどうしても増税は避けられそうにもありません。

 個人の皆さんは増税を前提に保守的なライフプランを検討して対策を進めておくしかなさそうです。

株式会社マネーライフプランニング
代表取締役 小屋 洋一
http://www.mlplanning.co.jp/

(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。万が一、事実と異なる内容により、読者の皆様が損失を被っても筆者および発行者は一切の責任を負いません。)

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