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孫子の投資法 戦わないのが勝利への最短コースその4

2014/01/23 16:21 投稿

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本連載を初めてお読みになる方は<孫子の投資法その1>を先にご覧ください。 http://okuchika.jugem.jp/?eid=4482


■投資とは詭道なり 戦わないのが勝利への最短コースその4■


◎トレードオフ、何をしないかが大事 その4<戦争は勝利を第一とするが、長引くのはよくない>

 戦争においては、華々しい戦闘が注目されがちですが、戦場に武器・弾薬、食糧を届ける兵站の重要性は、孫子だけでは無く多くの兵法書で説かれるところです。また、戦争を続ける限り、どのような勝ち戦でも味方の損害が全くゼロというわけにはいきません。

 つまり、戦争に勝っていても、日々国家の資源、財産、人財などを消耗しているので、国家を繁栄させるためには、できる限り戦争を早く切り上げて平和な状態を維持しなければならないということです。

 「一撃必殺」という言葉がありますが、たった一度の攻撃で相手を粉砕してしまうのが最高の戦術です。後は戦利品の山を前にして、枕を高くして寝ることができるわけです。

 逆に、勝ち戦といえども戦争が長引くケースでは、集中力を欠いた攻撃をしているとしか考えられません。

 投資でも同じです。「世界一の投資家」ウォーレン・バフエットは売買の回数がとても少ない投資家ですが、その代わり、1回の取引のため膨大なエネルギーを費やします。

 例えば、数年前にIBMに大型の投資をしましたが、「それまでの50年間、毎年欠かさずIBMの決算書をチェックしていた」と語っています。つまり、50年間IBMに投資するチャンスをひたすら待っていたというわけです。

 投資(取引)を戦争(攻撃)に例えれば、まさに1撃のために50年間も費やす忍耐力があるからこそ、バフエットは世界一の投資家であり続けることができ るのです。そしてその1撃で仕留めた企業の多くの株価が数十年間上昇し続け、バフエットは世界長者番付の常連となったわけです。永遠に株価が上昇し続ける 「永久保有銘柄」を一撃で仕留めれば、戦闘(投資)はそこで終了です。後は何もすることがありません・・・

 もちろん、IBMのケースは少し極端な例かもしれませんが、バフエットは「集中したたった1回の投資で成功できない人間が、それよりも集中力を欠いた数多くの取引に成功するはずが無い」と語っています。
 バフエットが「しけモク投資」と呼ぶデイトレードをしている人々は、まさに「集中力を欠いた投資」で損をし続けているわけです。もちろん、一人の投資家 の立場でいえば、デイトレードで損をされる投資家の方々はとてもありがたい存在で、とても足を向けて眠ることができません。バフエットも「デイ・トレーダ ―養成学校には積極的に寄付したい」(つまり、学校を卒業して損をするデイトレーダーが増えるほどバフエットは儲かる・・・一種のジョークですが・・・) と発言しています。

 しかしながら、「賢明なる投資家」である読者がとるべき道は明らかでしょう。

 少ないエネルギーで最大の効果を上げる「一撃必殺」。しかも、戦争(売買)を早く切り上げるわけですから、資源や人財の浪費もありません。

 それに対して、「集中力を欠いた投資(戦闘)」をだらだら続ける「しけモク投資家=デイ・トレーダー」は、自滅していくのです(繰り返しますが、個人的にはいつも彼らに感謝しています・・・)。

(OH)

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*ブログ「大原浩の金融・経済地動説」http://www.actiblog.com/ohara/

(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。)

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