前回のメルマガではラスベガスでのFP事務所訪問について報告しました。今回はその第2弾です。
前回のRedrock Wealth Management社に続いて訪問したところは、Sparrow Wealth Management社です。
こちらの代表者はChristopher M. Jonesさん。こちらの事務所は1999年に開業したもの。開業前にはマッキンゼーなどの大手コンサルティングファームで勤務をしていた職歴。
日本のFP業界では、さすがにマッキンゼー出身の方にはお会いしたことがありません。その意味では米国の資産運用業界はやはり懐の広さと人材の厚みを感じます。
開業初年度には、知人友人合わせて(ラッキーなことに)10億円程度の運用を任されることができたので、事務所の立ち上がりは非常にスムーズに行ったと 言う話も印象的でした。やはりコンサルティングファーム勤務の頃にお付き合いのあった方々に信頼されていたと言う事なのでしょう。
Jonesさんも開業当初からFee-Onlyの事務所として始めたようで、顧客第一に考えるとやはりこうした考えに至るというのが自然な考えのようでした。
現在は顧客が32名、預かり資産が40億円とのことで、顧客32名をJonesさんを含めて事務所スタッフ3名でフォローすると言う体制ですので、顧客一人あたりにかけられる時間はとても大きいものだと考えられます。
翻って、日本の金融業界(保険業界や証券業界)を見てみると余程の富裕層でない限り、一人あたりの営業マンの抱える顧客は100名以上いる(保険業界で は数百人の既存顧客がいることも珍しくない)のが普通ですので、これでは顧客の資産に対して個別のコンサルティングを行うと言う事は不可能です。また、保 険・証券とも販売時のコミッション(販売手数料)に収益の多くを依存していますので、収益モデルからも顧客の資産を適切に管理していくと言うことが主たる 仕事にならないと言うところも大きな課題です。
Jonesさんの事務所では、(珍しいことに)通常のFP事務所で利用しているようなソフトウェアなどはあまり利用していないようで大体の提案がエクセ ルベースで自作しているとのことでした。これは、ソフトウェア利用が普及している米国の中では珍しいと思いましたが、おそらくはコンサルティング時代にエ クセルでの資料作成に慣れているJonesさんならではの方法ではないかと理解しました。
今回Fee-Onlyで経営をするFP事務所を2社訪問して感じたところをまとめてみます。
・米国でもまだまだFee-Onlyの事務所は少ないが、毎年確実に勢力を伸ばしている
今回訪問した、両者ともFee-Onlyという事務所はまだまだ少数派であることを話されていました。しかし、マスコミで顧客側に立った場合の、Fee-Onlyのメリットがかなり浸透してきており勢力は確実に拡大をしているようです。
・資産運用業界、金融業界でFPがかなりのウェイトを占める
IFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー)の制度が始まって30年程度経過した米国では、IFAや独立系FPの存在が金融業界の中でもかなり大きな ウェイトを占めています。今回聞いた話では、個人の投資信託やETFなどの取引において25%程度はIFA、FP経由で売買がされていると言う話でした。
・資産家層はFPをリタイアメント後に利用するのが当たり前
話を聞いていて、やはり老後に数千万円(だいたい4千万円)以上保有している層では、リタイアメント後の資産はFPに相談して運用していく事がかなり一般的になっているようです。
日本の場合には、まだまだ資産運用が一般的ではないですし個人で運用の責任を取るよりも、企業側に年金支払いと言う形で預けているケースもかなり多く見られます。
各個人が、「自己責任原則」を本当に理解して行動していくまでにはもう少し時間がかかるものなのかもしれません。
株式会社マネーライフプランニング
代表取締役 小屋 洋一
(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。万が一、事実と異なる内容により、読者の皆様が損失を被っても筆者および発行者は一切の責任を負いません。)
前回のRedrock Wealth Management社に続いて訪問したところは、Sparrow Wealth Management社です。
こちらの代表者はChristopher M. Jonesさん。こちらの事務所は1999年に開業したもの。開業前にはマッキンゼーなどの大手コンサルティングファームで勤務をしていた職歴。
日本のFP業界では、さすがにマッキンゼー出身の方にはお会いしたことがありません。その意味では米国の資産運用業界はやはり懐の広さと人材の厚みを感じます。
開業初年度には、知人友人合わせて(ラッキーなことに)10億円程度の運用を任されることができたので、事務所の立ち上がりは非常にスムーズに行ったと 言う話も印象的でした。やはりコンサルティングファーム勤務の頃にお付き合いのあった方々に信頼されていたと言う事なのでしょう。
Jonesさんも開業当初からFee-Onlyの事務所として始めたようで、顧客第一に考えるとやはりこうした考えに至るというのが自然な考えのようでした。
現在は顧客が32名、預かり資産が40億円とのことで、顧客32名をJonesさんを含めて事務所スタッフ3名でフォローすると言う体制ですので、顧客一人あたりにかけられる時間はとても大きいものだと考えられます。
翻って、日本の金融業界(保険業界や証券業界)を見てみると余程の富裕層でない限り、一人あたりの営業マンの抱える顧客は100名以上いる(保険業界で は数百人の既存顧客がいることも珍しくない)のが普通ですので、これでは顧客の資産に対して個別のコンサルティングを行うと言う事は不可能です。また、保 険・証券とも販売時のコミッション(販売手数料)に収益の多くを依存していますので、収益モデルからも顧客の資産を適切に管理していくと言うことが主たる 仕事にならないと言うところも大きな課題です。
Jonesさんの事務所では、(珍しいことに)通常のFP事務所で利用しているようなソフトウェアなどはあまり利用していないようで大体の提案がエクセ ルベースで自作しているとのことでした。これは、ソフトウェア利用が普及している米国の中では珍しいと思いましたが、おそらくはコンサルティング時代にエ クセルでの資料作成に慣れているJonesさんならではの方法ではないかと理解しました。
今回Fee-Onlyで経営をするFP事務所を2社訪問して感じたところをまとめてみます。
・米国でもまだまだFee-Onlyの事務所は少ないが、毎年確実に勢力を伸ばしている
今回訪問した、両者ともFee-Onlyという事務所はまだまだ少数派であることを話されていました。しかし、マスコミで顧客側に立った場合の、Fee-Onlyのメリットがかなり浸透してきており勢力は確実に拡大をしているようです。
・資産運用業界、金融業界でFPがかなりのウェイトを占める
IFA(独立系ファイナンシャルアドバイザー)の制度が始まって30年程度経過した米国では、IFAや独立系FPの存在が金融業界の中でもかなり大きな ウェイトを占めています。今回聞いた話では、個人の投資信託やETFなどの取引において25%程度はIFA、FP経由で売買がされていると言う話でした。
・資産家層はFPをリタイアメント後に利用するのが当たり前
話を聞いていて、やはり老後に数千万円(だいたい4千万円)以上保有している層では、リタイアメント後の資産はFPに相談して運用していく事がかなり一般的になっているようです。
日本の場合には、まだまだ資産運用が一般的ではないですし個人で運用の責任を取るよりも、企業側に年金支払いと言う形で預けているケースもかなり多く見られます。
各個人が、「自己責任原則」を本当に理解して行動していくまでにはもう少し時間がかかるものなのかもしれません。
株式会社マネーライフプランニング
代表取締役 小屋 洋一
(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。万が一、事実と異なる内容により、読者の皆様が損失を被っても筆者および発行者は一切の責任を負いません。)
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