まず以前に書きました、件の金融当局と(どうでも良い)報告書のやり取りをさせられている某金融機関担当者の話しですが、今もまだ続いているそうです(苦笑)。
 彼曰く「財務局がそれを知ってどうするのか?」と首をかしげざるを得ないほど無意味な質問に対し毎度文書で回答しているとのこと。もうかれこれ3ヶ月以上も(笑)。
 私も経験があるので良く分かりますが、それら作業に全く意味が感じられず、単に当局担当者が知りたいだけ、または一つのレポートとして誰が読んでも分か るように仕上げたいが為?の作業と感じます。「当局は文書作りが本業?」…これも恐らくは完璧な報告書となり、作成が済んだ時点で「お蔵入り」が確定する のでしょう(呆)。

 こんなアホ相手ですから金融詐欺師達はやりたい放題です。聞いている限りでは財務省に限らず、どこの省庁も似たり寄ったりのようですが、生まれてこのか た実業を知らずに(権限だけを付与された)当局担当者となってしまった悲哀を感じます。このレベルの経験だけで、回転ドアを旨とする米国当局や熾烈な競争 を経た中国当局担当者とやり合わねばならないのですから…、イヤハヤ。

 一昨年から係わっている、とある上場企業。ここでも無意味な作業が蔓延していました。オーナーは居るものの社業には興味を持たず、業界活動や私腹を肥や すことに専念し、一方でそのオーナーのご機嫌取りばかりが昇進してしまっていたため会社が十分に統治されず、衰退し続けていた会社です。何かを始めようと するときには、まずはオーナーに説明し了解を得、その後に各部長職に順番に説明しつつ彼らの希望を取り入れていかねば事が進みませんでした。そして実務担 当者はそれぞれの役員や部長職が納得する、または責任を回避するため、それらの履歴を残すための文書作成に膨大な時間を割かれ、結果として仕事は遅々とし て進みませんでした。
 全体を見渡してビジョンを共有させるなどの指揮を取る主要役員もおらず、セクショナリズムも蔓延していました。そんな会社が伸びるはずもありません。
 毎度の事ですが、どんな組織においてもトップ次第と感じます。トップがしっかりしなくては政治も会社も衰退から逃れることは出来ません。

 2009年半ばの自民党政権末期、何も決められず、そして政権党としての仕事に全く期待出来なくなってしまっていた麻生政権の(目に余る)混迷ぶりに辟 易した国民は断腸の思いで政権交代を選択しました。しかしながら政治家としての素養を欠くトップや政局だけで生きてきた幹事長の選任、そしてポリシーの無 い寄り合い所帯である民主党のメンバーでは国民の期待を理解できず、もしくは理解していたとしても実行できず、自壊への道を歩みました。
 2007年末頃から2012年末までの約5年間は、ほぼ完全な政治空白期とも言える日本国民にとって本当に辛い時期でした。

 ところで、先日、安部首相が掲げた「成長戦略第2弾」では少々肩すかしの面はあったものの、思ったより抵抗勢力のエネルギーが減退していると感じた次第 です。体制紙の書き方を見ても変に「いじくった」文面が少ないような。2度の政権交代や原発事故などにより既得権勢力も大幅に体力を消耗しているのではな いでしょうか。
 もちろんこれは既存の権益グループであり、隙さえあればまた新たな既得権グループが組成される懸念はいつでもありますが、この空白の5年間は実は日本の政治(民衆の政治意識)にとって大事な転換期だったのかも知れません。
 国力の盛衰においても転換点であったならと期待せずにはおられません。今はアベノミクスが機能しているようですが、もしこの衰退を感じ取ったなら、直ぐにでもリスク投資から逃げたいと考えています。

 さて本日の株式市場は凄まじい下げとなりました。今までが一方的な上げ過ぎとも感じられ、急激な過剰流動性の供給により賭博場となっていた株式市場ですが、案の定、意図的な相場介入も感じられるほどの乱高下です。
 以前からも時々、そしてまた昨日もオーソドックスな個人投資家にとっては不可解な動きでした。大半の銘柄は下がっているのにインデックスは上げました。 調べるとインデックスの変動に影響が大きく且つ比較的出来高の少ない銘柄が上げていましたから、特定の目的を持った投資家が介入していたと感じられます。

 出来高から推測してもオプションを利用した売買も大量に入っていますので、外からは窺い知れない、ガンマを使って短期的な利益を得るためにインデックス介入をするなど様々な手法を使った投資家の存在を感じます。
 最近のシステム売買などで知りうる範囲ではアルゴリズム取引などの中には、ファンダメンタルズとは関係なく動く銘柄の売買が増えており、プログラム売買 による高速な指値の変更など、一昔前なら「相場操縦」とも思われる取引手法を駆使していますので、一般投資家はこのような売買に翻弄されないよう十分な注 意が必要です。

 4月以降は金利の変動も激しく、各市場とも基準となる指標を持てない非常に不安定な市場環境となっています。ここは一つ下がったからと言って慌てず、足元の為替や経済統計を見ながら今期収益が向上しそうな銘柄を見つける良い機会にしてください。
 少なくとも米国や東南アジアの国々の景気は回復途上にあるようですし、日銀の行動を見ていても円安トレンドに大きな変化は無さそうに感じます。個人的に は、自動車の増産や国内の設備更新に影響を受け易い業種で円安メリットを受ける会社の中から割安なものを探したり、国内の規制緩和により実質的な内需メ リットを受けそうな会社などの幾つかの銘柄に分散投資しています。

 ここまでの半年間は、どちらかと言えばまだ見えないものへのユーフォリアのような感覚による投資、まずは動きに乗り遅れまいとした投資が多かったと感じ ます。政権交代の実態が現れるのはこれからです。今日の下げで少し落ち着くようなら、今後の国の政策や方向性を見定めて投資方針を決める良い機会が来たと 考えています。

(街のコンサルタント)

(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。)