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ヴェルナー・ゾンバルト「恋愛と贅沢と資本主義」の視点(その2)

2023/07/13 21:07 投稿

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 100年以上前の本ですが、タイトルはドイツの経済学者ゾンバルト(1863-1941)の書籍です。
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 ゾンバルトによれば、フランスのルイ14世の時代には、国家財政の3割弱が王様の個人的な支出だったそうです。これらの個人的な支出は手工業者や大工の左官仕事に費やされましたが、画家、金属細工屋、ガラスや、彫刻家にも多額の支払いとなりました。マリーアントワネットの衣料費については細かい記述があります。


 そこで、思考実験です。

 仮に、人類の供給能力が格段に向上したとしたら、どうなるでしょうか。

 単なる需給論・均衡論で考えるとモノの価格は限りなくゼロになってしまいます。
 なぜならば供給能力が格段に上がれば需要と供給のバランスが崩れてしまい価格が暴落するからです。

 株式投資ではこれからのことを考えるのですが、わたしたちの狭い視野で考える将来像は当たらないのです。確実にわかる過去から長期のトレンドを学ぶというのが株式投資の基礎です。過去から学び将来へ当てはめる方が当たる確率は高いのです。

 ですから、過去を振り返ることのは投資家にとって、とても意味があることなのです。


 水道が引かれて、各家庭では毎日シャンプーするようになりました。

 以前、「シャンプー」などという商品はありませんでした。江戸時代、頭は月に2回程度洗うものでした。現代のように、毎日頭を洗うのは「奢侈」です。

 川や井戸から水を汲んでいた時代には水道代の基本料金を払わなくて済んだのです。また薪で風呂を沸かすわけですが、薪はそこらからとれるものでした。ガス料金を昔の人は払う必要はなかったのです。頭も洗う必要なくシャンプーを買うお金も必要ありませんでした。

 いま、毎日、水道・ガス・シャンプーを消費しているので、払うお金も相応です。

 昔は無料であったものが現代では有料になっているのです。


 経済はこのように成長するようにできています。
 昔は掘っ立て小屋に住んでいたわたしたちの祖先には、住宅ローンなどはありませんでした。いま持ち家を購入するときには数千万円を借金できるようになりました。昔、無料であったものが、いまは超高額になっているのです。


 このような歴史観を身に着ければ、経済や社会というのは、循環論と均衡論だけでは説明できないわけです。人間とはそういうものではありません。

 循環論に対するのは起承転結のストーリーです。
 人はみな人生の主人公として主役を生きています。
 自己完結型のストーリーでわたしたちは自分を成長させているのです。
 均衡論という他者を必要とする比較論ではなく、絶対的真理というビジョンをわれわれは有しています。死んでも譲れない信条というものもあります。

 経済というものは、極めて主観的なもので、イノベーションが起きるのも現状に満足しない主体的な欲求が発明者にあるからです。

 これからもドラえもんの世界観で世界は進化していくわけです。


(つづく)


(NPO法人イノベーターズ・フォーラム理事 山本 潤)


(情報提供を目的にしており内容を保証したわけではありません。投資に関しては御自身の責任と判断で願います。万が一、事実と異なる内容により、読者の皆様が損失を被っても筆者および発行者は一切の責任を負いません。また、内容は執筆者個人の見解であり、所属する組織/団体の見解ではありません。)

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