株価を評価するモノサシの代表はPER、PBR、配当利回りの3つ。
このところはPBR1倍以下の銘柄が東証からの是正要請もあり市場人気を集めているようです。
株価×発行済株式数で表される時価総額が企業の純資産を下回った状態が長期にわたり続いてきた点は、それを放置してきた企業側にも問題がありますが、物を言わないできた株主側にも問題はあります。
今回は株主に代わり東証が企業に物を言ってくれた訳でこれは過去になかった画期的な出来事と言えるでしょう。
証券アナリストの団体からも様々なPBR是正に向けた研究や提言などがなされるようになり、個人投資家だけでなく、機関投資家、外国人投資家などすべての投資家の低PBR是正への期待が高まっているものと思われます。
とは言え、是正要請に応えられる企業もあればなかなか対応できない企業もあり、株式市場はなおも紆余曲折、模索を続けざるを得ない状況にあります。
既に株主総会シーズンは終わりましたが物言う株主の提案に素直に応える企業も出てきたり、敵対的な大規模株式買付けへの防衛策を取らないとする企業も出ており、企業側も自分たちを積極的に評価して投資してくれる投資家との前向きな対話を行い始めているように思われます。
3年ほど前に開催された建設基礎工事企業のテノックス(1905)の株主総会では株価800円でPBR0.5倍割れ状態に対しある株主から低PBR是正の要請がなされ、社長から1倍に向けて取り組んでいくとのボジティブな発言があったそうです。その後もなかなか是正されずにきましたが、このところは株価が1000円以上へと上昇し、ようやく低PBRの是正が進展しつつあります。
少なくとも無借金経営でキャッシュリッチな安定成長型の企業には低PBRに甘んじている企業が多く、今後是正のためのより具体的な施策を打ち出す必要が出てきます。
半年余り前までは低PBRに甘んじてきた日経のグループ企業であるテレビ東京ホールディングス(9413)の株価は積極的な自己株買いの実施もあり1倍の水準にまで上昇してきました。そもそも日経の子会社でIRを積極的にやっていればここまで株価が下がらなくても良かった筈なのですが、これも現実。
今ある数多くの低PBR銘柄の惨状も大口投資家から見れば投資チャンスなのですから、ここは企業の施策をじっくり見守って頂きながら、既に株主となられておられる皆様も買い増しする投資のタイミングを伺って頂きたいと思います。
(炎)
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